
花の蜜を餌とする蜂は何種類かいるので、ミツバチがどれなのか誤解をしている人が多いようだ。
飼育箱に出入りする働きバチを見て、「小さいんだねぇ、蠅みたいなんだねぇ」と何人かに言われた。
おとなしい姿を撮れることはめったにないけれど、確かに撮ってしみじみ見ると、蠅そっくり。
この五匹のニホンミツバチはじつは息も絶え絶え状態。
周りには死んでいるものもいる。
家の中に入って来てしまい、アルミサッシの内側で困り果て疲れ果てている。
この状態に気づいて窓を少し開けておいた。
私は一昨年に二度刺されているので、手で外に誘導したりはしない。
『ダメだ!どうしても巣に帰れない』
『あんたもそうなのか、もう蜜がないのか?』
『あたしはもうダメ、寿命が近いから』
『あんたはまだ働けそうだから、あたしの蜜を飲んで、なんとか巣に帰って!』
無闇な擬人化はしたくないけれど、そんなやり取りをしている気配。
そうして、私が見ている前で、一匹だけが飛び立ち、5センチほど開けたサッシから上手く脱出して行った。
じつはこの画像のミツバチは分蜂のために新しい巣を作る場所を探している探索蜂。
探索の使命を帯びて、いろんなとこに潜り込んでいるうち、迷路にはまってしまった蜂。
ミツバチの死は、優れた社会性ゆえに、すべてが殉職なのだろうと思われる。