これはまたとんでもないものに遭遇してしまったと思ったのだ。
こんな時に優れた知能の持ち主は、特徴からいくつかのポイントを絞り、類似画像や記述を思い出しながら何かが閃き浮かんでくるのを待って、類推かつ絞り込んでいくのだろうと思われる。
ところが私は、極北の地に住む種族の上っ張り模様やアンデス地方の古い種族の少女のセーターなんかを思い出し、『風の谷のナウシカ』の王蟲(おーむ)を思い出したりして、先に進まない。
蛾ではないかと検討をつけて検索しようとも思ったが、たぶん探し出せないだろうと即刻諦めて、専門家に甘えた。
〈蛾の成虫のように見えますが、メスが卵と保護膜を産み落とし、そのまま絶命しているようにも見えます。柔らかくて、ほぐしたら中は卵のようでした。大きさは10mm弱くらいです。〉
この内容で問い合わせたら、いつもながらの迅速さで教えてもらえたのでありました(毎度ありがとうございます)。
そうそう、似たような感じで触るとベタベタと気持ちの悪いカイガラムシは知っていたのにと、悔しく思う。
ついつい見た目の魅力にはまって目がくらみ、冷静な判断力を失ってしまう凡人の浅はかさを、また思い知らされた。