

玄関障子の框に、こいつが止まっていたが一目で雀蛾の幼虫に違いないと思い、さほどの驚きはなかった。
今までなんども見たことがあって、調べたこともあるはずなのに、再度検索してセスジスズメだろうということに。
前の方の目玉模様がリアルで可愛いが、本当の目は分からないくらいに小さいはずで確認できない。
そろそろこの大きさだと蛹になる変態の時期なのだろう。
草をもりもり食って、むちむちに太り、安全な高いところか雨風しのげる場所を探しているのだろう。
時期と言えば、いつの間にかキツネノカミソリが立ち上がって咲いていた。
ヒガンバナは背が低くても派手な咲き方で色も各種あり、思い切り自己主張がある。
同じ仲間の次に咲くナツズイセンは背が高く、ピンクの花が清楚に目立つ。
そうして、しんがりのキツネノカミソリは背は低くからず高からず、色はダイダイ色でなんだか中途半端。
だからというわけではないだろうけれど、狐の剃刀と刺激的な名を付けられている。
狐の嫁入りとか嫁取りという化かしの雰囲気があるのかも知れないと思ったら、葉見ず花見ずの葉の形からだとか。
種でも増えて群生するらしいから、その風景を観たら、狐に化かされたかという妖しさがあるのかも知れない。