テレビドラマ「碌山の恋」 彫刻家 荻原碌山最後の作品「女」のモデルは相馬黒光。相馬愛蔵と結婚、中村屋を創業した黒光と碌山の悲恋。
このドラマの演出・脚本を担当した合津直枝さん(テレビマンユニオン)は高校の同期生。先日朝のラジオ番組で彼女はインタビューに答えてこのドラマに寄せる思いを語っていた。
水野美紀は黒光を演じ、同時に舞台で黒光を演じる女優としても登場する。新人かな、平山広行は碌山を演じ、役作りのために碌山美術館を訪れてきた彼女を案内するアルバイトの学芸員としても登場する。過去と現在、時間を重ねる演出。
合津さんは平山広行と会ったとき、彼が絵を描くことが好きなことに加えて手が大きいこと、そして確か古風な印象が気に入ったと先のラジオ番組で話していた。
ドラマの中の美しい安曇野の風景、そこには都会で故郷を思う合津さんの気持ちも織り込まれていたのだろう。
碌山が中村屋で吐血、30歳の若さで病死した直後、碌山のアトリエで黒光は遺作となった「女」の梱包を解く・・・、碌山が彼女に寄せていた激しい想いの結晶をみつめて涙する・・・。印象的なラストシーンだった。
『「場所」の復権 』平良敬一/建築資料研究社
『 デザインにひそむ <美しさ> の法則 』木全 賢/ソフトバンク新書
このところ多忙な日が続いた。「隙間時間」読書でざっと読了したのがこの2冊。
● 丸の内オアゾの丸善で買い求めた。表紙に載っているそうそうたる人たちと平良さんとの対談集。雑誌「造景」に連載された対談をまとめた本。都市や建築については人それぞれ関心の置き所、捉え方が異なっている。この対談集を通読してこの世界の多様性を再認識した。
以前も書いたかも知れないが、新書は装丁が決まっているのでタイトル勝負だ。しばらく前に幻冬舎新書が創刊された。
● この本のタイトルをめぐる編集者と著者の香山さんとの打ち合わせの様子をTVで見たが、候補をいくつか挙げて検討を重ねていた。このタイトルには香山さんは最初あまり積極的ではなかったと記憶している(この本は未読)。同じようなタイトルの本が既に何冊もあるから新鮮味がない。
● タイトルで買った。こんなタイトルをつけられたら、手にしたくなる。主に工業デザインについて書かれているが、「可視性」や「対応付け」などについては建築のデザインについても当て嵌まる内容、デザインの基本を再確認するのにはいい本かもしれない。