透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

安曇野 碌山美術館

2007-02-04 | A あれこれ



△ 玄関ドアのハンガーレールと取っ手



 昨日観たTVドラマ「碌山の恋」では、遺作となった「女」が荻原碌山と相馬黒光の悲恋を象徴する作品としてとりあげられていた。「女」を観に碌山美術館へ出掛けてきた。

教会を思わせる瀟洒な碌山美術館を設計したのは今井兼次。昭和33年4月22日(この日は碌山の命日)の開館。

この美術館が、その後安曇野に小さな美術館がいくつもできる契機となった、といっていいだろう。 レンガの外装、夏は蔦に覆われているが、この季節はもちろん葉がなくて淋しそうな雰囲気が漂っている。


館内は撮影禁止で写真はないが、展示室は高窓から差し込む自然光に満ち、「抗夫」や「女」などの作品を鑑賞するのに相応しい空間だ。

「愛は芸術なり 相剋は美なり」と訳されている碌山のことばが風除室の正面の壁にある(写真下)。 確か4歳年上の人妻 黒光、叶わぬ恋、煩悶・・・。 彼はそれをこのことばのように捉えて彫刻に昇華させた。

愛は芸術なり、あの樋口一葉も半井桃水への想いを小説を書く力に置き換えたのかもしれない。 碌山も一葉も夭折してしまったが芸術を残した。

「愛は芸術なり 芸術は永遠なり」


 


縦横比

2007-02-04 | A あれこれ



 住宅展示場にて

今回は「ゆるやかな秩序の美学」ということで各国の国旗をとり上げようと思っていた。 多様なデザインではあるが、みんな長方形でしかも縦横比が統一されている、ゆるやかに秩序づけられている。 確かに地図帳に掲載されている世界の国旗を見るとみんな縦横比が同じ長方形だ。ただしネパールは例外で三角をふたつ重ねた形。この先を続けようと思っていたが・・・。

縦横比に関する約束事でもあって世界共通なんだろうか・・・。調べてみて縦横比に約束事など無いということが分かった。比較的 1:2と2:3が多いがバラバラだ。4:7、5:7、5:8、6:11、7:10、7:11、8:11・・・

因みに日本は7:10でブラジルも同じ比率。スイスとバチカン市国は1:1つまり正方形。でも手元の地図帳をみるとスイスの国旗、そう赤地に白十字も他の国と同じ長方形になっている。

アメリカは10:19、1:2とほぼ同じ比率だが微妙に違う。10:19の国は他にもある。マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦、共にアメリカの信託統治領だった国だ。リベリアの国旗は比率も同じでデザインもアメリカの星条旗とよく似ているが、それはリベリアの成立を物語っている。

国旗の縦横比を調べるだけでも面白い。ベルギーは13:15、デンマークは28:37。 たぶん両国はかなり昔に国旗が決まったのだろう。プロポーションを決めて国旗をデザインしたのではなく、測ってみたらそうなっていたといったところだろうか。1:2や2:3が多いのはデザインするときにプロポーションを決めているからであろう。ではイギリスは?フランスは?ロシアは?中国は?北朝鮮は?・・・ 

縦横比といえば黄金比。昨日とりあげた『デザインにひそむ <美しさ>の法則 』にも紹介されている。工業製品には黄金長方形(縦横比が黄金比の長方形)が多用されているとのことだ。私が使っているデジカメもそう。 黄金比は 1:1.61803398875・・・。 2:3は黄金比に近い。国旗のデザインにそのことが意識されたかどうかは不明だが。

この本にはこんなことも紹介されている。
1÷1.61803398875=
1.61803398875×1.61803398875=
なんと不思議! 電卓を用意して是非計算を!


○ イギリスと北朝鮮は1:2 、フランス ロシア 中国は2:3 このことから何か分かるのかな?