透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

雑誌も美しくなくては・・・

2007-02-17 | A 読書日記

  

「INAX REPORT」と「TOTO 通信」は共に住宅設備機器メーカーの広報誌(季刊誌)です。両誌が優れているのはグラフィックデザイン、誌面がとにかく美しい。内容も充実しています。

「INAX REPORT」の167号(2006年7月発行)に、建築家の磯崎新さんと内藤廣さんの対談が載っています。時代を画した書籍という企画の初回で、『空間へ』磯崎新/美術出版社がとり上げられています。

この本が書かれた1960年代の建築や社会をめぐるいろいろな事柄について磯崎さんと内藤さんが対談しています。内容が深まっているのは、聞き手の内藤さんが当時の状況を詳しく把握していることに拠ることは明らかです。その点、昨日書いた『建築家という生き方』は、聞き手がどんな人なのか分かりませんが、物足りなさを感じてしまったことも事実です。

以前とり上げた『現代建築の軌跡』川向正人/鹿島出版会 でも川向さんが対談相手の作品をよく見ていたし、文章もよく読んでいて非常に興味深い内容になっていました。やはりインタビュアーの能力に大きく左右されるんですね。

ところで以前定期購読していた建築雑誌の出版社から、再購読をすすめる電話がありました。購読を止めたのは、ビンボウ中年、購読料の支払いがキツイことが一番の理由だったのですが、電話では  **写真なら「新建築」の方がいいと思うし、技術的なテーマの掘り下げは「建築技術」、広範な建築情報を分かりやすくとり上げているのは「建築知識」、○○○はどれもなんだか物足りなくて・・・**  と理由を告げました。さすがに「INAX REPORT」や「TOTO 通信」の方が誌面が美しいですとは言えませんでした。

先日電話の向こうで落胆していた女性へ、「個人的に購読はしていませんが、もちろん読んでいますよ」 


びっくり

2007-02-17 | A あれこれ


信濃毎日新聞(070217)朝刊より

 松本清張の「地方紙を買う女」、ドラマ化されて先日放送されたようですね。原作は読みましたがそれがいつ頃のことなのか思い出せません。

女が地方紙を買う理由は以前犯した殺人(だったと思うけれど)のその後が知りたいから。 事件直後は全国紙にもとり上げられますが、時の経過と共に紙面から消えていきます。それで「その地方」の新聞でその後の情報を得ようということなんですね。もちろん表向きは別の理由で購読を申し込むのですが。作品についてはこの位のことしか記憶にありません。

はじめから全国紙にはとり上げられないローカルな話題ももちろんあります。その一例が今朝の「地方紙」が報じたこの記事。

松本出身で現在長野県外に在住で、このブログを読んでいただいている方は、ここで初めて知ることになるのでは。松本の老舗書店の自己破産申請を報じる記事です。高校生のとき漢文の先生がこの書店の名前の由来を教えてくれたことを覚えています。 な方、「鶴林 お釈迦さま」で検索してみて下さい。由来が分かります。

本のネット注文に馴染めない私はいつもこの書店に電話で注文していました。一昨日も1冊注文しています。びっくりしました。もう何年も前のことになりますが映画館の「中劇」が姿を消してしまいました。そしてまたひとつ松本の文化が消えてしまう、と思うと残念でなりません。