透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

地殻は風船の膜と同じ

2007-07-17 | A あれこれ

 昨日(16日)発生した新潟県中越沖地震により被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。

今回の地震で倒壊した家屋の下敷きになるなどして9人の高齢者が亡くなられました。本来、人の生命や財産を守るために在る建築で大地震の度に今回のような災害が繰り返されます。残念でなりません。

地震は地殻の変動によって発生するということですが、この地殻の厚さってどの位でしょう。調べてみると薄いところで5、6km、厚いところで60km位です。地球の直径は約13000kmです。

地殻の厚さを30kmとして電卓をたたいてみると、地球の直径を30cmとした場合には地殻の厚さはたったの0.7mm!

昨年の夏に映画化されて話題になった『日本沈没』で作者の小松左京はこう書いています。**人間は、この直径一万二千七百キロメートルの岩石質の惑星の表面の、薄皮の上にのっているのだった。文明も、歴史も、生物のいっさいの歴史も------大洋底で、わずか厚み5キロ------地球半径のたった千二百五十分の一の厚み------直径五十センチの風船の、〇.二ミリの薄膜!**

こんなに薄い膜の上で人は生活しているんですね。ところで教科書などに載っている地球の断面のイラストでは地殻の厚さがデフォルメされて随分厚く表現されています。強固な地殻の上で生活しているというイメージを抱いてしまっても仕方ありません。

地殻は決して厚くはない、極めて薄いという認識が、地震国日本ではどこでも大地震が発生するということをリアルに理解するのに必要なのかもしれません。