休日の朝に
ズービン・メータがニューヨーク・フィルを振る
ブラームスを静かに聴きながら「猫」を読む・・・
『映画空間 400選』 長島明夫+結城秀勇 編/INAX出版
「映画の建築・都市・場所・風景を読む 映画史115年×空間のタイポロジー」
■ こんな本が出版されたことを知ると直ぐ注文してしまう。一気に通読する、という本ではない。書棚の取り出しやすいところに置いて、ときどきパラパラとページをめくって楽しむ本だ。マニアな雰囲気かつ上品なカバーデザインがいい!
熱心な映画鑑賞者でなくとも400本も紹介されていると、知っている映画、観た映画も取り上げられている。
映画の「空間」、それも「都市空間」が最も印象に残っているのは『第三の男』だ。この映画の舞台というか、都市は大戦直後のウィーン。その大観覧車、その地下水路。モノクロの光と影。この映画では建築よりも建築的に空間の奥深さが表現されていた。
ちなみに「時間」が最も印象に残っている映画はスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』だ。この映画ほど「時間」、それも「宇宙時間」とでもいったらいいのか、を意識させられた作品は他にない・・・。