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松本市島立南栗の火の見櫓 撮影120623
■ 長方形は変形する、そう平行4辺形に。で、長方形に対角線を入れると、形はひとつに定まり、変形しない。対角線を入れると長辺と短辺と対角線で3角形ができるから。3辺の長さが決まれば3角形の形はひとつに決まり変形しない。
ブレースは対角線に相当する部材で、構造フレームに3角形を作って変形を防ぐ役割をする。火の見櫓にもこのブレースが設置されている。
火の見櫓ではリング式ターンバックル付きの丸鋼ブレースが圧倒的に多い(写真②)が、今回載せた島立の火の見櫓のブレースにはアングル材(等辺山形鋼)が使われている(写真①)。
ふたつの火の見櫓を比べると印象がだいぶ違う。島立の火の見櫓は送電鉄塔のようだ。構造上必要なブレースだが、このように見た目の印象にも大いに関係する。たかがブレース、されどブレースだ。
写真②の火の見櫓は、櫓がすっきりしているし、リングがポン、ポン、ポンと並ぶ様がリズミカルで好ましい。
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安曇野市内の火の見櫓
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この火の見櫓、脚部も送電鉄塔のようだ(写真③)。先日取り上げた笹賀の火の見櫓の脚部(写真④)と比べればデザインの違いがよく分かる。
火の見櫓の脚部の曲線的な造形はやはり美しい。
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松本市笹賀の火の見櫓