透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「山崎バニラの活弁大絵巻」

2015-06-21 | A あれこれ



 なんでも見てやろうという気持ちではいるものの、当然 好みというフィルターがかかるわけで・・・。でもその透過率をできるだけ上げておこうと思っているのです。

ということで、今日(21日)の午後、塩尻のレザンホールへ活弁女子・山崎バニラさんの公演を聴きに、いや観に行ってきました。 

山崎バニラさんといえば「銀髪の着物姿で大正琴の弾き語り」の姿しか浮かびませんが、公演のメイン、第二部の演目「キートンの蒸気船」はなんと黒髪に柄々のワンピース姿でピアノの弾き語りでした。

この無声映画は世界三大喜劇王とのひとり、バスターキートン主演の喜劇です。上映時間は68分、彼女は
バックグラウンドミュージックとして、時には効果音としてピアノを弾き続けました。

第一部は銀髪に着物という馴染みのスタイル。「活動写真 いまむかし」(13分)では映画の始まり、活弁って何? そしてなぜバニラさんが活弁女子になったのかの紹介がありました。

今は活弁士は10人くらいしかいないそうですが、戦前のピーク時には何と8,000人もいたそうで、人気の活弁士の収入は当時の総理大臣よりも多かったそうです。イケメン活弁士には女性からのおひねりがいっぱいだったそうで・・・。

続く「雷電」(18分)は実在の力士・雷電が主人公の喜劇でした。チラシによると、日本映画の父と呼ばれたマキノ省三の遺作だそうで、マキノ雅弘が出演しているそうです。知りませんでした、戦後生まれなので。

大正琴にピアノ、芸は身を助くと言いますが、本当にそうですね。今日は山崎バニラさんの軽妙なトークを楽しみました。


山崎バニラの活弁大絵巻 愛しのナヨナヨ男子@レザンホール
演目
活動写真いまむかし
雷電
キートンの蒸気船

 


550 なぜ屋根が無いのかな・・・

2015-06-21 | A 火の見櫓っておもしろい


550  安曇野市豊科真々部にて 撮影日150620

■ この火の見櫓は前稿で取り上げた火の見櫓のすぐ近くに立っている。やはりFさんに案内してもらった。全く知らなかったが、2基の火の見櫓が立っているこの道路(千国街道のひとつ西側の道路)は武田信玄が整備した、棒道と呼ばれる軍事用道路だという。

この火の見櫓にも屋根が無い。柱が1本の火の見柱や2本の火の見梯子に屋根が無いのはごく一般的で不思議でもないが、柱が3本、4本の火の見櫓には屋根があるのが一般的な姿。

前稿の火の見櫓と同様に屋根が無いが、こちらには見張り台というか半鐘を叩くための足場がある。半鐘は櫓から外に持ち出した腕木に吊り下げてある。



火の見櫓ではあまり見かけない割枠式ターンバックルが使われている。



なぜこのような状態なのか・・・。製作途中で発注者の意向で仕様が変更されて、踊り場から上が取りやめになった?   まさかそんなことはないだろう・・・。2基に共通の事情があるような気がする。

ちなみに下の写真は金沢の火の見櫓だが、老朽化したために後年上部を撤去したためにこのような姿になったという。


金沢市内の浅野川大橋のたもとに立つ火の見櫓(登録有形文化財)  写真提供:同僚のT君

1924年(大正13年)に建てられた火の見櫓で、当時の総高は23mほどだったという。1971年(昭和46年)に老朽化のため櫓の上部を切断、撤去した。現在の高さは約11.6m(ネット検索で得た情報による)。