■ 信濃毎日新聞の16日付朝刊に長野県全77市町村の「ふるさと納税」の額が一覧表で示されていた。表に示されている納税額に注目した。村で最も額が多いのは下伊那郡喬木村の8億1239万円で、最も少ないのは木曽郡大桑村の23万円だった。
私は本稿で両村を批判するつもりなど全くないことをここで断っておかなくてはならない。ふるさと納税そのものについて書きたいだけなのだ。
**地方で生まれ育ち都会に出てきた方には、誰でもふるさとへ恩返ししたい想いがあるのではないでしょうか。税制を通じてふるさとへ貢献する仕組みができないか。そのような想いのもと、「ふるさと納税」は導入されました。** 総務省のホームページにふるさと納税についてこのような説明文が載っている(文章の一部省略)。
「ふるさと応援納税」というわけだが、それがいつの間にか「返礼品目当て納税」の傾向が強まってきている。各自治体もこの状況に応じ、返礼品を豪華に、豪華に、となって、自治体間で返礼品を競っていると指摘されても仕方がないような状況に。
試みに喬木村と大桑村の返礼品を ネットで調べてみた。
なるほど、両村の寄付金の大きな差の理由はこれだったのか・・・。豪華な返礼品、加えて節税目当てのふるさと納税では本来の趣旨から外れている。
両村のホームページではふるさと納税についてどのように扱っているのだろう。
喬木村のHPより
大桑村のHPより
時流に乗ってふるさと納税をきっちりアピールしている喬木村、本来の趣旨を地味に扱っている大桑村。
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信濃毎日新聞6月17日付朝刊2面
茅野市と下諏訪町では地元住民が他の自治体に寄付(ふるさと納税)した際の住民税控除やふるさと納税の返礼品の経費が寄付を受けた額より多く、15年度のふるさと納税の収支が赤字だったという。ふるさと応援納税のはずが、こんなしわ寄せが来てはどうにもならない。
各自治体は本来の趣旨に立ち返り、返礼品は無くして礼状で済ませることに決めたらいい。そして自治体の魅力を分かりやすく効果的に発信することを考えるべきなんだろう・・・。
我が僻村はどのように扱っているのかな、と気になってホームページを見ると、これ以上まじめな書き方はない、だれにもこのように思われるであろう記事が載っていた。