『ヴィジュアルを読みとく技術』吉岡友治(ちくま新書2021年)
■ 帯のことばに惹かれた。**センスで感じるのではなく、ロジックで解釈すると・・・ 感性と論理が一つになる。**
幾何学の問題を解くカギは有効な補助線を引くことができるかどうか。本書の著者・吉岡友治氏は近現代絵画を解釈する手立てとして社会学や政治学、哲学や人類学など、さまざまな補助線を引くことを挙げている(256頁)。
このことを「はじめに」でも次のように書いている。**見たものを語る技法は、別にアートや芸術学の語彙や話法の中に閉じ込められているわけではない。むしろ、アートやヴィジュアルは、そういう限定された話法を超えて、我々が生きる世界に直接つながる。それぞれが自分の語彙を利用して、あるときには哲学の、あるときには政治学の、またあるときは社会学の話法で語っても全然構わないはずだ。**(12頁)このことが要点ではないか。
理解力不足故、どうも話の展開、論理の流れがよく分からない。要するに自分なりのバックグラウンドで補助線を引き、自分なりに見て、自分なりに語ればよいということなのだろうか・・・。著者の言いたいことは、このようなことではないような気もする。