透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

700 上田市上塩尻の火の見櫓

2016-10-26 | A 火の見櫓っておもしろい


700 上田市上塩尻

■ 上田市真田町から坂城町に向かって国道18号を走行中にこの火の見櫓と出合った。幹線道路沿いでは車を停める場所が見つからなくてやむなくスルーしてしまうことも時々あるが、偶々塩尻地区公民館の敷地に立っていたので、停めることができた(旧塩尻村 1954年(昭和29年)上田市に編入)。

この火の見櫓、細身だがこのくらいが東信方面では標準的。注目は屋根が見張り台に対して極端に小さいことだ。



屋根は半鐘の上にだけ設置したという印象。小さい。この大きさだと、見張り台に立つ消防団員は雨に濡れてしまう。そこで思い出したのが下の火の見櫓()。


681 諏訪市四賀

この2重屋根は、蕨手付きの本来の屋根の下に後から追加したとしか考えられない。で、その理由だが、屋根が小さくて消防団員に雨がかかってしまう、ということではなかろうか・・・、それ以外考えられない。

改めてを見てみると、小さい。火の見櫓の屋根にどういうことを求めるのか、機能の違いによって形や大きさが変わる、ということを示す好例だ。






この火の見櫓のもう一つの注目点は梯子の下端の処理の仕方。小さな子どもたちが登らないように、という配慮か、このように折りたたみ式にしている。これは初めて。

火の見櫓はシンプルな工作物だけれど、それぞれ創意工夫がしてある。火の見櫓っておもしろい。


 


697 上田市真田町傍陽の火の見櫓

2016-10-25 | A 火の見櫓っておもしろい


697 上田市真田町傍陽曲尾 撮影日161022

 久しぶりに美しいカーブを描く櫓と出合った。 直線形が多い東信でこんなになめらかな末広がりの曲線形に出合うとは。それにしても美しい!





上下に分けて撮った櫓をつなげてみた。勘を頼りにトリミングしたが、このくらいなら上出来。



「昭和三十五年四月竣工 曲尾區 施工 高田鉄工所」と記されたプレート


 


696 上田市真田町横尾の火の見櫓

2016-10-25 | A 火の見櫓っておもしろい



696 上田市真田町横尾(合併の経緯:横尾村→長村→真田町→上田市)撮影日161022

■ 千曲川の右岸の丘陵地に上田市真田町が広がっている。なだらかな坂道を下っていくと、火の見櫓がすくっと立っていた。絵になる火の見櫓のある風景。奥行きのある風景は好い。

櫓の横架材の間隔が少し短め。



屋根頂部の飾りも見張り台の手すりの飾りも優しい曲線で女性的。櫓のブレースはすべてリング式ターンバックル付丸鋼。東信地方でこのタイプは少ないかもしれない。



脚部は4面ともアーチ部材を用いて開放している。1面のみ開放し、他の3面はブレースで閉じてしまっているものもあるが、やはりこの方が好い。





ブレースのリングに横尾分団の4文字をはめ込んでいる。分団名を表示しているのは、旧村への帰属意識、というか地元愛の表れか・・・。


 


695 上田市真田町長の火の見櫓

2016-10-25 | A 火の見櫓っておもしろい


695  上田市真田町長 戸澤公民館

 火の見櫓に興味の無い方にはつまらない記事でしょうが、あと数日辛抱願います。
 「笑ってコラえて!」  

消防器具庫を辛うじて跨いでいる火の見櫓です。他の市町村でも見かけていますから、それ程珍しいわけではありません。このタイプの火の見櫓は必然的にがに股になります。梯子の掛け方から、踊り場までは昇り降りしやすいと思います。

本当はもう少し遠くから撮って、器具庫をゆがまないようにしたかったのですが、現場の状況からできませんでした。




屋根、見張り台は東信のごく一般的なタイプですがこの部分の柱が少し長めでしょうか。



かまぼこ形(ヴォールト)の屋根の器具庫。この火の見櫓は横澤公民館の敷地に立っています。左後方に瓦葺の公民館が写っています。



器具庫の側面 火の見櫓の柱が軒先を貫通しています。当然のことながら火の見櫓を先に建ててその後に器具庫を建設しています。火の見櫓の柱を後から貫通させたわけではないのですが、結果的に「貫通状態」になっています(過去ログ)。 

なぜわざわざこんなことをするんでしょうかね。火の見櫓の脚元を補強して地震力に抵抗させるため、という理解が妥当かもしれません。器具庫も耐震性が増すという共持ち効果を期待しているのかもしれません。

火の見櫓 みんなちがって みんないい





694 上田市真田町長の火の見櫓

2016-10-24 | A 火の見櫓っておもしろい


694 上田市真田町長(さなだまち おさ)にて 東信地方でよく目にするタイプの火の見櫓 撮影日161022




カンガルーポケットの真横を見上げる。手すりに消火ホースを掛ける太いフックがついている。ここの高さはざっと10メートル。消火ホースの長さは20メートルだから、ちょうどよい高さ。この火の見櫓も踊り場から上に掛けてある梯子は横に傾いていて、支柱と踏み桟(梯子段)は直交していない。昇り降りしやすのかどうか気になるところ。平面形が正方形の屋根と真円の見張り台、基本的な幾何学図形の組み合わせが美しい。



ブレースのリングのところに大日向分団という文字を付けてある。上の写真には「団」が写っている。脚元が少し錆びているのは残念。




取り付けてあるプレートに昭和参拾壱年参月と建設年の表記があり、長村消防団 大日向分団とも表記してある。

この長村について調べて、1958年(昭和33年)に傍陽(そえひ)村、本原村と合併して真田町となったことが分かった。

この3村について調べて、長村は真田村、横尾村、横沢村、大日向村が1876年(明治9年)に合併してでき、傍陽村は上洗馬村、軽井沢村、曲尾村が1874年(明治7年)に、本原村は上原村、中原村、下原村がやはり1874年(明治7年)合併してできたことが分かった。真田は以上の10ヶ村から成る町だった。

真田町には火の見櫓が多いという印象だが、その理由はこのこと、即ち元々10もの村だったことにもあるように思う。火の見櫓は地区単位で建てることが一般的だったから。町がなだらかな丘陵にあるために火の見櫓が平地に比べて遠くまで見えやすい、ということもあるのかもしれないが。


 


上田市真田町の蓋

2016-10-24 | B 地面の蓋っておもしろい


上田市真田町横沢の火の見櫓(725)を背景に旧真田町のマンホール蓋を撮った。撮影日161022



真田町石舟で見たマンホール蓋とは内側の円の中のデザインが違う。



火の見櫓(725)の隣、横沢公民館の敷地で見かけた公設桝の蓋。中心に真田町の町章、下に「真田町」を入れている。町章が円いのでおさまりが良い。


 


693 上田市真田町横沢の火の見櫓

2016-10-24 | A 火の見櫓っておもしろい

 先週の土曜日(22日)に上田市真田町から坂城町、千曲市の火の見櫓と蓋巡りをした。昨日(23日)少し頑張って前半分を載せた。今日から後半分を載せていく。


693 上田市真田町横沢

この火の見櫓の特徴を気がつくままに挙げる。

見張り台と比べて屋根が小さい。軒出が少なく窮屈な印象。カンガルーポケット(櫓の外側1面に付けられた踊り場に付けた愛称)が見張り台のすぐ下にある。すべて輪っか(リング式ターンバックル)付丸鋼ブレース。東信にしては櫓が太目。櫓が下方へ直線的に広がっている。



見張り台の直下に設けられたカンガルーポケット。こうすれば梯子に勾配をつけることができる。 


脚部のプレートに「和村 小林鉄工所製作」とある。 

和村(かのうむら)について調べた。1956年(昭和31年)に田中町、祢津村と合併して東部町になった。その後東部町は北御牧村と合併して現在は東御市。

以上のことからこの火の見櫓は1956年以前に建てられたということが分かる。合併してからこのプレートを設置することはないだろうから。

昭和30年代に盛んに火の見櫓が建てられたが、この火の見櫓も昭和20年代後半から30年代の初めに建てられたものであろう。の様子から、がっちりつくってあることが分かる。古き良き時代の作品だ。





「真田十勇士」の蓋

2016-10-23 | B 地面の蓋っておもしろい




上田市真田町石舟 撮影日161022

 上田市真田町のマンホール蓋のデザインには真田十勇士が描かれている。円形を意識したデザインで、蓋の外周を地面に見立て、そこに「真田十勇士」の面々が立っている。蓋の中心に「真田十勇士」と「SANADA」の文字、それから六文銭を描いている。

この町ならではの楽しいデザインだ。



692 上田市真田町長の火の見櫓

2016-10-23 | A 火の見櫓っておもしろい


692 上田市真田町長 石舟公民館

■ 火の見櫓との偶然の出合いがうれしいので、基本的に下調べはしない。

Fさんは週末のサードプレイスでよく一緒になる女性。そのFさんが真田で街歩きをしていて見かけたという火の見櫓には赤い半鐘がふたつ吊り下げてあったとのこと。きっとこの火の見櫓に違いない。運よく出合うことができた。 

火の見櫓そのものは美しさが際立っているわけでもない。だが、周囲の状況がこの火の見櫓をとても魅力的に仕立てている。先日、立科町茂田井で出合った火の見櫓も同様だった(過去ログ)。

なぜ魅力的なのか具体的に読み解きたいが、どうも上手くいかない。理屈で説明できることではないのかもしれないが、しばらく考えてみたい。




Fさんからもらった上田市全域マップ(発行 上田市観光課)が役に立った。Fさんに感謝。


 

 


ニッチな世界へ 

2016-10-23 | B 地面の蓋っておもしろい



 下水道に使用するマンホール蓋のJIS規格には蓋のデザインの規定がない。このために自治体によってデザインが違う。それで、全国を巡り、いろんなマンホール蓋を集めてネット上に公開している蓋好きも多い。蓋の整理方法やプレゼンのスタイルは様々。だが、蓋の撮り方は真上から自分の影を落とさずに、というものが多い。このことは画像検索してみると分かる。敢えて自分の靴や影などを写し込む人もいるが。

独自の視点でマンホール蓋を観察し、写真を撮っている人もいる。蓋に記載されている文字の間違い、例えば漢字にあるべき点が無いとか、余分な点があるとか、横棒が1本多いとか、に注目したり、蓋の周りに生えた草や蓋の凹部を埋める苔に注目する緑化蓋など、ニッチな世界をつくり出している。

撮り鉄の人たちも厳しい条件を課すことで自分だけの世界をつくり出している。鉄橋を渡る電車しか撮らない、夕日をバックにする、前景に野の花を写し込む、トンネルから出る瞬間を撮る、駅舎で電車を待つ人を写し込む、俯瞰場から風景の中の鉄道を撮るなどというように。

ならば私は、と火の見櫓をバックにマンホール蓋を撮ることを思いついた。でも・・・、世の中広い。この組み合わせで検索したら写真が見つかった。

下の写真のように光(太陽光、人工光)を反射して光っている蓋を撮っている人もいる。夕日を受けて黄金色に輝く蓋に魅せられた人もいる。



確かに、こういう蓋写真も好い。  

で、私だけのニッチな世界って見つかるかな・・・。


 


691 上田市本原大畑の火の見櫓

2016-10-23 | A 火の見櫓っておもしろい


691 上田市真田町本原 大畑公民館の敷地に立つ火の見櫓 撮影日161022



上の梯子は櫓の右側の踊り場から見張り台の中心の開口に掛けているので、支柱を左側に傾けて納めている(左側へ面内変形させているので支柱と踏さんが直交していない)。登り易くはないと思うが、どうだろう。


 


690 上田市真田町本原の火の見櫓

2016-10-23 | A 火の見櫓っておもしろい


690 上田市真田町本原

 上田市真田町は今回櫓と蓋巡りの目的地。国道144号を菅平に向かって北上する。信号「真田記念公園前」の手前から左前方に火の見櫓が立っているのが見えていた。櫓センサー感度良好。信号を左折、八十二銀行真田支店の横に立っているこの火の見櫓を観察した。

周辺環境との関係によって、火の見櫓の印象が変わるから、この頃、火の見櫓の周辺の様子も意識的に写しこむようにしている。

この櫓はなだらかなカーブを描いて末広がりになっている。やはり火の見櫓は直線形よりこのような末広がりの曲線形の方が美しい。

この形が曲げモーメント図に類似していて、構造上合理的な形だから。このことを脳が直感的に読み解き、美しいと感じるのであろう。








梯子段は丸鋼が多いがこれは山形鋼。足掛かりは良いのだろうが、山形鋼はエッジが薄いので力を入れてつかむと痛い。梯子段は「丸鋼2本並べ」が良いと思う。足掛かりが良く、手でつかみすいから。