「ハドソン川の奇跡」
■ 2009年1月15日、ニューヨークで起きた航空機事故。離陸直後の旅客機がバード・ストライクに遭う。両エンジン停止。機長は最寄りの空港への着陸という選択肢を排除し、ハドソン川への着水を決断。乗客乗員155人全員が助かった「奇跡」の裏側で起きていた知られざる真実とは・・・。
タブロイド版のチラシより
映画の冒頭、9.11を思わせるようなシーンが映し出される。ニューヨークのビル群に突っ込んでいく機体・・・。そう、この事故が大惨事になった可能性をまず示す、という演出。
国家運輸安全委員会の厳しい追及を受ける機長。乗客を危険にさらしたハドソン川への着水は無謀だったのではないか。最寄りの空港に引き返すことができたのではないか。そうすれば乗客はもちろん無事だし、高価な航空機を失うこともなかったはず。
公聴会で公開されたコンピュータ・シミュレーションによって、事故後、最寄りの空港に無事着陸できたことが明らかに。ここで冷静な機長は簡潔にそして理路整然とシミュレーションの条件設定について反論する。この場面に感動して涙がでた。機長の指摘によって、条件を変えたシミュレーション映像が公聴会の広い会場のスクリーンに映し出される。その結果は・・・。
「ハドソン川の奇跡」は優れた人間ドラマ、単なるパニック映画とは質もレベルも違う。やはり人の心の動きを描いてないと。CGを駆使した映像を見せられてもそこに人間ドラマがないと感動は薄い。