映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ザ・コミットメンツ  

2011-04-20 19:44:11 | 映画(洋画 99年以前)
「ザ・コミットメンツ」は91年のイギリス・アイルランド映画だ。アイルランドの主要都市ダブリン北部の労働者階級のさまざまな面々を登場させ、ソウルバンドを結成させる。「ジャマイカのボブスレー」同様らしくない設定というのはおもしろい。ブルースブラザースを思わせる多彩なメンバーの歌声とパフォーマンスのアンサンブルが見ているものをわくわくさせる。



アイルランドのダブリンに本物のソウル・バンドを作りたいと夢みる主人公ことロバート・アーキンズは、仲間2人と共にメンバー集めを開始する。場違いのメンバーばかりが集まってきた。その中で、豪快な歌いっぷりを披露していたデコをスカウト、募集広告を見てやってきたサックス、ドラム、医者のピアノのメンバーに加えて、一流どころとプレイしたことがあるという中年のトランペッターを採用、仲間うちの憧れの女性イメルダとその友人ナタリー、バーニーの3人をコーラスに誘う。いかにもモータウンサウンドの全盛を思わせるサウンドを生み出そうとする。レッスンを重ね“ザ・コミットメンツ"はいよいよステージに登場する。彼らのサウンドはライブハウスでうけた。ところが、演奏を重ねる中でグループ内の恋愛問題、意見の違いなど、摩擦が生じ始めるが。。。。



流れるモータウン調ソウルミュージックは実に快調である。特に3人の女性コーラスがいい。美形だ。それと男性リードボーカルのジョーコッカーを思わせる叫ぶようなボーカルにはノリノリにさせられる。彼を選ぶために名監督アランパーカーは1000人を超える面接を重ねたそうだ。確かにそれだけの中で選ばれただけの魅力的な歌い声だ。

そういう歌を聴く楽しさもあるが、バンドのメンバー同士の複雑な人間関係がここでの見モノだ。すぐかっとなりやすく、内輪もめが多い。逆にメンバーの中で男と女の関係が次から次にできてしまう。そしてまたドタバタしてしまう。そんなコメディタッチの楽しさがおもしろい。

アイルランドには行ったことはない。でもアイリッシュパブのざわめきやワールドカップのアイルランドサポーターの大騒ぎの応援を見ていると、なんとなく国民性がわかってくる。映画の世界では、その昔の植民地時代のアイルランドをテーマにした暗いものが多い。この映画の明るさは本来のアイルランド気質を知るいいきっかけになった。

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レッドコーナー北京の二人 リチャードギア

2011-04-20 19:04:28 | 映画(洋画 99年以前)
「レッドコーナー北京の二人」はリチャードギア主演の97年の作品。北京を舞台に、殺人犯に仕立て上げられたアメリカ人と中国人の女性弁護士の国境を超えた絆を描くサスペンス・ドラマ。13年前の発展しつつある当時の北京の風景を見せる。でも大部分はアメリカでのセットだろう。美術のリアルな表現力はすごい。



米中間の衛星放送契約のため、アメリカ人の主人公ことリチャード・ギアは北京を訪れた。テレビ省の大臣の息子から接待を受け、ナイトクラブに案内される。その店の美女リンをリチャードは自分のホテルに誘い、一夜を過ごす。ところが翌朝目を覚ますやいなや、部屋に踏み込んできた警官隊に殺人犯として逮捕される。なんと一夜を過ごした女性は血まみれの死体となっていた。
リチャードは拘置所で無実を訴え、アメリカ人の弁護士を要求する。しかし、中国の法廷では中国人の弁護人しか認められない。裁判が始まった。女性法廷弁護人ことバイ・リンはいきなり有罪を申し立てる。弁護人は、中国では死刑を免れるには有罪を認めるほかないと説明する。彼は中国の司法書を読み、次の日の法廷で自ら弁護する権利を得る。女性の死体から首飾りのロケットが消えていることを主張した。一方、弁護人はリンの生前のビデオからロケットの存在を確認、その他の状況から有罪から無罪に切り替えた。そして翌日保釈申請を出し、彼を自宅へ連れて行った。2人は事件の顛末を語りあう。その後、事件現場のホテルを訪れたリチャードは、結局何もつかめない。そこを何者かによって拳銃で襲撃される。リチャードは手錠のままパトカーから逃走してアメリカ大使館に逃げ込もうとするが。。。。


北京もここ10年で大きく変わった。今だったらもう少し違った映像になるかもしれない。中国の公安、官憲を実際に目の当たりに見ていると本当に怖い。日本の警察とは違う怖さである。目つきの鋭さは異様だ。そんな怖い大陸の官憲は10年以上前の方がもっと怖かった。共産党一党支配による統制がより厳しかっただけに、いったん捉えられたら絶対に逃れられない恐ろしさがある。文化大革命を連想する。
そういう中で主人公は陰謀にはまって逮捕される。現実的には当時の官憲にはまってしまえば、逃れられない気もする。そこのところがフィクションであろう。

古い建物の裏側で公安と追いかけっこする場面がある。屋根を伝わって逃げるリチャードギアの姿をとらえる映像は、香港のカンフー映画を思わせる。こういう中華活劇的な要素がなかなかいい。
あと中国の俳優に美人が多いということ。さすがに日本の10倍以上人口があるだけあって、美人度の奥行きは広い。主人公が一夜を過ごした殺された女性の完ぺきな美しさは何かを超越したものだ。


でも共演のバイリンのこの10年の中での変貌はすさまじい。ブログでも取り上げたが「上海ベイビー」の彼女とこの映画の弁護士役とは全く正反対だ。こうも変るもんか?女は恐ろしい。
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