映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「苦い涙」 フランソワオゾン

2023-06-06 05:23:24 | 映画(フランス映画 )
映画「苦い涙」を映画館で観てきました。


映画「苦い涙」はフランスの人気監督フランソワ・オゾン監督の新作である。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの名作「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」のリメイクとのこと。予告編にはゲイのフランソワ・オゾン監督だけに男色系映画の雰囲気がある。今回は往年の美人女優イザベルアジャーニが出ている。健在ぶりを示すのか?数々の絶賛の声も気になり映画館に向かう。今回は作品情報を引用する。

1972年のドイツケルン、著名な映画監督ピーター・フォン・カント(ドゥニ・メノーシェ)は、恋人と別れて激しく落ち込んでいた。助手のカール(ステファン・クレポン)をしもべのように扱いながら、事務所も兼ねたアパルトマンで暮らしている。

ある日、3年ぶりに親友で大女優のシドニー(イザベル・アジャーニ)が青年アミール(ハリル・ガルビア)を連れてやって来る。艶やかな美しさのアミールに、一目で恋に落ちるピーター。彼はアミールに才能を見出し、自分のアパルトマンに住まわせ、映画の世界で活躍できるように手助けするが…。(作品情報引用)


室内空間で演じる演劇のようなスタイルだ。
男色系で室内劇というのは自分にとっていちばん苦手なタイプである。フランソワ・オゾン監督の作品はむしろ好きな方で、イザベルアジャーニも出演するので男色系でもうまくバランスが取れていると思っていた。インテリアの色彩感覚や音楽のセンスは抜群である。「悪なき殺人」など数々の映画で主役を張るドゥニ・メノーシェの演技は舞台劇としてハイレベルだ。でも自分にはちょっと合わない。まあ、こういう選択のミスもあるだろう。

先日観た「ザ・ホエール」に構造が似ている気がした。主人公がずっと室内にいて、男色系の室内劇というのは同じである。「ザ・ホエール」の場合、主人公は200kgを超える大巨漢だが、こちらもそれなりのデブ。ともにゲイの恋人と別れて寂しい。身の回りを世話する人がそれぞれいる。ゲイになる前につくったがいて、いろんな来訪客が主人公の部屋に訪問した一部始終がストーリーの根幹というのにも共通点がある。

何か共通の元ネタがあるのであろうか?ただ、美少年「ザ・ホエール」の場合いない。ここでは主人公が美少年への想いに狂っていくという構図だ。美少年がしばらく離れていき、強烈に悲しむ。


上映時間85分と90分以内にまとめるのはフランソワ・オゾン監督らしい。時間内に内容は凝縮している。ただ元ネタがあるせいか、フランソワ・オゾン監督作品特有のミステリー的要素がないのは残念。久々登場のイザベル・アジャーニの美貌は70近くなっても劣っていない。20代前半で撮ったライアンオニール共演「ザ・ドライバー」クールビューティーぶりを思わず連想する。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「怪物」 是枝裕和&坂元... | トップ | 映画「アフターサン」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(フランス映画 )」カテゴリの最新記事