映画とライフデザイン

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映画「間違えられた男」 ヘンリー・フォンダ&ヴェラ・マイルズ

2016-12-23 21:26:53 | 映画(洋画 69年以前)
映画「間違えられた男」は1956年のアルフレッド・ヒッチコック監督の作品


「ヒッチコック/トリュヒュー」の中でも「間違えられた男」がとりあげられていた。「めまい」の前に製作された作品で、急に見てみたくなった。数多いヒッチコック作品の中でも、実話をもとにした異色作品である。映画の冒頭で、ヒッチコックが自らそのことを観客に向かって語る。

ヒッチコック映画の中にも犯人に間違えられる話はよくあるパターンだが、むしろ「北北西に進路をとれ」や「逃走迷路」のように逃げ回る話の方が多い。冤罪でとらえられた実話となるとより犯人にさせられた男が気の毒に見えてくる。ここでは、ヘンリーフォンダがはめられていく中で、徐々に人相が悪くなっていく。表情もなかなかうまい。1956年当時のニューヨークの風景もふんだんに出てきて、それ自体も楽しめる。

ニューヨーク、妻ローズ(ヴェラ・マイルズ)の歯の治療費が多額になることが分かり、クラブでベーシストをやっているマニー(ヘンリーフォンダ)は妻の生命保険を担保にお金を借りようとして、証書をもって生命保険会社を訪れる。受付で対応した事務員がマニーの顔を見て驚き、別の事務員に声をかける。以前、会社に強盗で襲った男に似ていることに気づいたのだ。妻のサインが必要なので、また改めて来てくださいと告げて帰ってもらった後で、あわてて警察に連絡する。そして自宅に帰る直前に警察に任意同行を求められる。


警察で筆跡を鑑定したところ、字がよく似ていて同じようなスペリングの間違いをしていた。同じような強盗に入った場所で顔を見てみてもらったところ、似ているということになりマニーは拘束される。いつも定時に自宅に帰るマニーが帰らず、妻ローズは心配して、マニーの実家にその他に連絡するがつかまらない。結果、警察に拘束されていることが分かり驚く。その後も不利な状況が続いたあとで、牢屋に入れられたが、保釈金を身内に出してもらいなんとか釈放される。

証人を探したが、すでに死亡している。弁護士をなんとか頼んで裁判に持ち込むが、少しも好転しないk状況が続くのであるが。。。

1.ヒッチコックはなぜモノクロで撮ったのか?
アルフレッド・ヒッチコックは1955年に「ハリーの災難」を撮り、同じ1956年にはドリス・デイが劇中で「ケセラセラ」を歌う「知りすぎていた男」を撮っているが、いずれもカラーである。その後の「めまい」もサンフランシスコの景色をカラーで実に美しく撮っている。それなのに、モノクロで撮っている。ヘンリーフォンダの顔立ちはいかにも不安を醸し出している。それを陰影の強い白黒で示すことで実話ではあるがスリラー的な要素を見せているのではないか?その後「サイコ」でもう一度モノクロで撮っている。ヒッチコックの中でもスリラー的な要素が強い映画である。


2.ヘンリーフォンダ
法廷物の名作「十二人の怒れる男」の前年に撮られている。「十二人の怒れる男」も白黒であるが、この映画の弱々しさとは対照的な裁判員を演じている。艶福かとしても知られ、子供で俳優であるピーターフォンダジェーンフォンダと長らくあまりいい関係ではなかったのは、あまりにも有名だ。この映画の顔立ちと最後の作品でアカデミー賞を受賞した「黄昏」キャサリーン・ヘップバーンと娘のジェーンフォンダと共演した時の円熟した枯れ切った演技を見せた時の表情はまったく異なる。

3.ヴェラ・マイルズ
ここでのヴェラ・マイルズは実に美しい。


「めまい」でもヴェラマイルズを起用しようとしていたという逸話はよくわかる。ご懐妊で出演できなかったらしい。いかにもヒッチコック好みである。結局、「サイコ」ジャネット・リーの妹役を演じて、映画「サイコ」の後半戦で活躍した。でもジャネットリーとまるで一人二役やっているみたいに良く似ていたなあ。




間違えられた男
珍しい実話に基づく映画

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