映画「ピアノレッスン」は93年のカンヌ映画祭パルムドール作品だ。
主演ホリーハンターはアカデミー賞主演女優賞、娘役を演じた少女アンナ・パキンはなんと11歳にしてアカデミー賞助演女優賞を獲得している。
傑作とされる本作品もなかなかdvdレンタルにならなかった作品である。音楽がテーマになる映画であるから、著作権の理由かと思ったが、映画を見ればわかる。エロティックなシーンが次から次へと出てくるのである。ちょっとビックリだ。「チャタレー夫人の恋人」的な感覚もあるが、それだけに収まらない奥の深さもある。
1852年エイダ(ホリー・ハンター)はニュージーランド入植者のスチュワート(サム・ニール)に嫁ぐために、娘フローラ(アンナ・パキン)と一台のピアノとともにスコットランドから旅立つ。そして荒海の海岸にたどり着いた。
父親の死がショックで口がきけなくなった彼女にとって、ピアノは分身だ。原住民の男たちを引き連れて海岸に迎えにきたスチュワートは、ピアノは重すぎると浜辺に置き去りにする。エイダは憤慨する。スチュワートの友人で原住民のマオリ族に同化しているベインズ(ハーヴェイ・カイテル)は、彼に提案して自分の土地とピアノを交換してしまう。ベインズはエイダに、ピアノをレッスンしてくれれば返すと言う。
利害関係もあり、夫のスチュアートもエイダにレッスンするように勧め、いやいやベインズの元へ行く。初めは一見荒くれ者のベインズをエイダは嫌う。レッスンと言っても一方的にエイダが弾き、それをベインズが聴くというだけであった。レッスンを重ねるうちに、2人の距離は徐々に縮まる。そしてあるとき一線をこえるようになる。スチュワートは様子がおかしいことを察知し、内偵して2人がよからぬ関係にあることを知る。
そしてエイダにベインズと会うことを禁じる。それでも恋の気持ちが収まらないエイダはピアノのキイにベインズへのメッセージを書き、届けるようにフローラに託す。幼心にフローラはヤバイと感じてそれをスチュワートに渡す。逆上したスチュワートはエイダの人指し指を切り落とすのであるが。。。
女1人とそれを取り巻く男2人の三角関係という構図だけど、そこに11歳の女の子が絡んでいく。それぞれの嫉妬心が奇妙な化学反応を起こしてストーリーが展開していく。古今東西この手のテーマはよくあるパターン。伊藤整が裁判騒ぎを起こした「チャタレー夫人の恋人」だけでなく、日本映画でも三島由紀夫原作「愛の渇き」が浅丘ルリ子主演で似たような匂いを残す。
1.ホリーハンター
ホリーハンターといえばオードリーヘップバーンの遺作「オールウェイズ」も印象的だが、コーエン兄弟の監督作品「赤ちゃん泥棒」を真っ先に連想する。このコメディは最高に笑える作品だ。ニコラスケイジが牢屋に入った時の担当婦人警官で気がつくと結婚する。子供がいないので金持ちの家に忍び込んで子供をさらうという話だ。ここでは明るい奥さん役を演じていた。
「ピアノレッスン」に最初に映るホリーハンターの顔はまったくその顔と違う不安げな顔立ちで、同一人物に見えなかった。ところが、徐々に変貌する。気がつくと性の虜となってしまうその姿をセリフなしで見事に演じた。
2.美しい調べ
テーマ曲はどこかで今でも流れている美しい曲である。この曲をホリーハンター自らのピアノで弾いている。
3.サム・ニール
無邪気な少女を演じる。ホリーハンター演じる母親は言葉を話せないので、娘が代わりに話をして相手に意思を伝える。この役はなかなか大変な役だ。しかも、母親と原住民との密かな情事を目撃して、母親が男に狂うのを懸命に阻止しようとする。彼女がベインズの家の隙間から2人の情事を覗くシーンというのもドキドキする。
11歳にしてこの役は荷が重いが、よくこなした結果のアカデミー賞である。最年少受賞かと思ったが、「ペーパームーン」のテイタムオニールの方が10歳でわずかに若い。テイタムも好演だが、難易度はサムニ―ルの方が高い役柄だ。
4.きわどいシーン
最初見せたホリーハンターの表情が徐々に柔らかくなる。そして恋に狂う女の表情になっていく。そして、ホリーハンターが予想以上の美しいヌードを披露するわけだが、相手役のハーヴェイカイテルは獣のようにワイルドだ。それを子供が覗くという設定もヤバイ感じだ。じっと見ていると、アレいいのかな?というシーンが映る。ハーヴェイの○ソコが見えてしまうのだ。「ミュンヘン」「シンドラーのリスト」でも経験したことあるけど珍しいパターンだ。
5.ラストに向けての衝撃(ネタばれ要注意)
結局主人公はこの棲家を出ていくことになる。船に乗っていくわけだが、大事にしていたピアノを船から投げ出そうとするのである。そんな大事なものをと周辺からいわれてもエイダはいうことを聞かない。やむなくみんなでピアノを海に投げ出そうとしたら、ピアノを結んだロープとエイダの足がつながっていて、一気に海の中にエイダが投げ出される。エイダはピアノとともに沈む。
そうかそういう終わりなのか!!
そう思った後に。。。続いていく。この展開は予想外だった。それだけでぞくっとさせるものがあった。
主演ホリーハンターはアカデミー賞主演女優賞、娘役を演じた少女アンナ・パキンはなんと11歳にしてアカデミー賞助演女優賞を獲得している。
傑作とされる本作品もなかなかdvdレンタルにならなかった作品である。音楽がテーマになる映画であるから、著作権の理由かと思ったが、映画を見ればわかる。エロティックなシーンが次から次へと出てくるのである。ちょっとビックリだ。「チャタレー夫人の恋人」的な感覚もあるが、それだけに収まらない奥の深さもある。
1852年エイダ(ホリー・ハンター)はニュージーランド入植者のスチュワート(サム・ニール)に嫁ぐために、娘フローラ(アンナ・パキン)と一台のピアノとともにスコットランドから旅立つ。そして荒海の海岸にたどり着いた。
父親の死がショックで口がきけなくなった彼女にとって、ピアノは分身だ。原住民の男たちを引き連れて海岸に迎えにきたスチュワートは、ピアノは重すぎると浜辺に置き去りにする。エイダは憤慨する。スチュワートの友人で原住民のマオリ族に同化しているベインズ(ハーヴェイ・カイテル)は、彼に提案して自分の土地とピアノを交換してしまう。ベインズはエイダに、ピアノをレッスンしてくれれば返すと言う。
利害関係もあり、夫のスチュアートもエイダにレッスンするように勧め、いやいやベインズの元へ行く。初めは一見荒くれ者のベインズをエイダは嫌う。レッスンと言っても一方的にエイダが弾き、それをベインズが聴くというだけであった。レッスンを重ねるうちに、2人の距離は徐々に縮まる。そしてあるとき一線をこえるようになる。スチュワートは様子がおかしいことを察知し、内偵して2人がよからぬ関係にあることを知る。
そしてエイダにベインズと会うことを禁じる。それでも恋の気持ちが収まらないエイダはピアノのキイにベインズへのメッセージを書き、届けるようにフローラに託す。幼心にフローラはヤバイと感じてそれをスチュワートに渡す。逆上したスチュワートはエイダの人指し指を切り落とすのであるが。。。
女1人とそれを取り巻く男2人の三角関係という構図だけど、そこに11歳の女の子が絡んでいく。それぞれの嫉妬心が奇妙な化学反応を起こしてストーリーが展開していく。古今東西この手のテーマはよくあるパターン。伊藤整が裁判騒ぎを起こした「チャタレー夫人の恋人」だけでなく、日本映画でも三島由紀夫原作「愛の渇き」が浅丘ルリ子主演で似たような匂いを残す。
1.ホリーハンター
ホリーハンターといえばオードリーヘップバーンの遺作「オールウェイズ」も印象的だが、コーエン兄弟の監督作品「赤ちゃん泥棒」を真っ先に連想する。このコメディは最高に笑える作品だ。ニコラスケイジが牢屋に入った時の担当婦人警官で気がつくと結婚する。子供がいないので金持ちの家に忍び込んで子供をさらうという話だ。ここでは明るい奥さん役を演じていた。
「ピアノレッスン」に最初に映るホリーハンターの顔はまったくその顔と違う不安げな顔立ちで、同一人物に見えなかった。ところが、徐々に変貌する。気がつくと性の虜となってしまうその姿をセリフなしで見事に演じた。
2.美しい調べ
テーマ曲はどこかで今でも流れている美しい曲である。この曲をホリーハンター自らのピアノで弾いている。
3.サム・ニール
無邪気な少女を演じる。ホリーハンター演じる母親は言葉を話せないので、娘が代わりに話をして相手に意思を伝える。この役はなかなか大変な役だ。しかも、母親と原住民との密かな情事を目撃して、母親が男に狂うのを懸命に阻止しようとする。彼女がベインズの家の隙間から2人の情事を覗くシーンというのもドキドキする。
11歳にしてこの役は荷が重いが、よくこなした結果のアカデミー賞である。最年少受賞かと思ったが、「ペーパームーン」のテイタムオニールの方が10歳でわずかに若い。テイタムも好演だが、難易度はサムニ―ルの方が高い役柄だ。
4.きわどいシーン
最初見せたホリーハンターの表情が徐々に柔らかくなる。そして恋に狂う女の表情になっていく。そして、ホリーハンターが予想以上の美しいヌードを披露するわけだが、相手役のハーヴェイカイテルは獣のようにワイルドだ。それを子供が覗くという設定もヤバイ感じだ。じっと見ていると、アレいいのかな?というシーンが映る。ハーヴェイの○ソコが見えてしまうのだ。「ミュンヘン」「シンドラーのリスト」でも経験したことあるけど珍しいパターンだ。
5.ラストに向けての衝撃(ネタばれ要注意)
結局主人公はこの棲家を出ていくことになる。船に乗っていくわけだが、大事にしていたピアノを船から投げ出そうとするのである。そんな大事なものをと周辺からいわれてもエイダはいうことを聞かない。やむなくみんなでピアノを海に投げ出そうとしたら、ピアノを結んだロープとエイダの足がつながっていて、一気に海の中にエイダが投げ出される。エイダはピアノとともに沈む。
そうかそういう終わりなのか!!
そう思った後に。。。続いていく。この展開は予想外だった。それだけでぞくっとさせるものがあった。
ピアノ・レッスン | |
ピアニストの秘めた恋 | |