映画「フェノミナン」はジョントラボルタ主演の1996年の作品だ。
一度見たことがあった。
頭が急によくなり超能力者のようになるトラボルタの話と覚えていた。ファンタジー映画のような要素をもつが基本はラブストーリー、近い路線でいえば「グリーンマイル」のような余韻を残す素敵な映画だ。カイラ・セジウィックが崖っぷちの男で出ているのを見てふと思い出して見てみた。
カリフォルニア州の美しい田舎町
自動車整備の仕事をするジョージ(ジョン・トラボルタ)は、気さくな人気者だ。独身の彼の意中の女性は、家具アーティストのレイス(カイラ・セジウィック)だ。子持ちの彼女は相手にしてくれない。
行きつけのバーで37歳の誕生パーティが開かれた夜。不思議な光を見たジョージは、急に頭が冴え出す。突如天才に生まれ変わるのだ。毎日何冊もの本を読み、すべて理解する。
そして次々に画期的なアイディアを披露する。
ある日地震を見事予知したという情報が伝わり、翌日地震学の権威リンゴールド博士が彼を訪ねてきた。ちょうどその時医師ドク(ロバート・デュヴァル)から呼び出しがある。急病人がポルトガル語しか話せないので、通訳をしてほしいと。主人公はポルトガル語ができるわけでない。移動の車中、教則本を見てわずか20分でポルトガル語をマスターしたジョージは、食中毒で苦しむポルトガル人の老人と会話をして病状をきく。横にいた地震の博士は主人公の能力に唖然とする。老人から同じ症状で苦しむ行方不明の孫を捜してほしいと頼まれる。まわりが懸命に探すなかでジョージは念力で居所を突き止め、少年は無事に保護された。
少年の母ミカエラがメイドの仕事を探していると聞いたジョージは、独身の親友ネイト(フォレスト・ウィテカー)に彼女を紹介すると、2人はたちまち恋に落ちた。
ジョージの不思議な能力を知った町の人々は彼を恐れ始める。アマチュア無線好きの親友ネイトが聴いているのを見て軍の暗号を解読したのが元でFBIに拘束されてしまう。監視を付けられたジョージは、孤独と不安から家に閉じこもる。そんな時、レイスが彼を訪ね、伸び放題の髪を切り、髭を剃ってくれた。彼女の愛で勇気を取り戻した。そして間もなく、再びあの光を見て倒れたが。。。
ジョントラボルタは矢沢永吉と並んで、自分にとって永遠のヒーローだ。
78年のサタデイナイトフィーバーは何より衝撃だった。そこでの彼はニューヨークでもブルックリンに住むペンキ職人だ。週末になるとさっそうとディスコのフロアに登場するけれど、いつもは同じブルックリンの仲間と遊び呆けるだけ。その彼がマンハッタンで働く女性に憧れ、彼女にパートナーになるように申し出して、ダンス大会に出る話だった。
この映画「フェノミナン」でのプロフィルも基本は一緒である。アッパー層というより労働者や田舎の男を演じる方が、トラボルタの味が出てくると思う。ここでは最初にトラボルタの起用が決まって、逆にカリフォルニア州の美しい田舎町がロケ地に選ばれたのではないだろうか。良い街で、人もよさそうだ。
その街がトラボルタに人知を超えた能力が備わり一変してしまう。
このところ天才が出てくる映画をずいぶんと見ている。
「脳男」もある意味そうだ。
でもここでのトラボルタはやさしい。天才になっても鋭角的な態度を示さない。好感が持てる。
それなので、最終に向かってせつない思いを感じた。
そういう映画の雰囲気を支えていたのが、トーマス・ニューマンによるバックミュージックだ。代表作として「ショーシャンクの空」「グリーンマイル」というと想像がつくだろう。やさしいピアノが静かに弾かれる中で、ソフトで胸にジーンとする音楽が鳴り響く。その途中街の様子を描くとき、アメリカンポップスが流れる。初期のシュープリームスが数曲ながれ、「ベイビーラブ」と歌うダイアナロスの声が実に映像にピッタリする。そして最後にエリッククラプトンの「チェンジ・ザ・ワールド」が流れる。あまりに有名な曲だが、この映画のテーマソングと知っている人は少ない。もっと早く出てきても。。とも思うけど、あの情景で流れるのがより美しいのであろう。
あとはオスカー俳優の2人がいい。ロバート・デュヴァルは「アウトロー」にも出ていて今だ現役だけど、80~90年代の活躍が一番いい感じに思える。「デイズオブサンダー」「ナチュラル」での彼が好きだ。町の人がトラボルタの変身に畏怖の念を抱くときに、ロバート・デュヴァルが強い口調でかばう。これは胸にしみるいいシーンだ。
一方フォレスト・ウィテカーはそののちオスカーを受賞した「ラストキングオブスコットランド」でウガンダの暴君を演じた時と違い、表情がやさしい。無邪気だ。アマチュア無線好きの独身男性が恵まれない子持ち女性をすきになる場面がハートにしっくりくる。このカップル誕生は応援してあげたくなる心境になった。
そういった名優の演技と流れるムードのやさしさに心がやすらぐ
一度見たことがあった。
頭が急によくなり超能力者のようになるトラボルタの話と覚えていた。ファンタジー映画のような要素をもつが基本はラブストーリー、近い路線でいえば「グリーンマイル」のような余韻を残す素敵な映画だ。カイラ・セジウィックが崖っぷちの男で出ているのを見てふと思い出して見てみた。
カリフォルニア州の美しい田舎町
自動車整備の仕事をするジョージ(ジョン・トラボルタ)は、気さくな人気者だ。独身の彼の意中の女性は、家具アーティストのレイス(カイラ・セジウィック)だ。子持ちの彼女は相手にしてくれない。
行きつけのバーで37歳の誕生パーティが開かれた夜。不思議な光を見たジョージは、急に頭が冴え出す。突如天才に生まれ変わるのだ。毎日何冊もの本を読み、すべて理解する。
そして次々に画期的なアイディアを披露する。
ある日地震を見事予知したという情報が伝わり、翌日地震学の権威リンゴールド博士が彼を訪ねてきた。ちょうどその時医師ドク(ロバート・デュヴァル)から呼び出しがある。急病人がポルトガル語しか話せないので、通訳をしてほしいと。主人公はポルトガル語ができるわけでない。移動の車中、教則本を見てわずか20分でポルトガル語をマスターしたジョージは、食中毒で苦しむポルトガル人の老人と会話をして病状をきく。横にいた地震の博士は主人公の能力に唖然とする。老人から同じ症状で苦しむ行方不明の孫を捜してほしいと頼まれる。まわりが懸命に探すなかでジョージは念力で居所を突き止め、少年は無事に保護された。
少年の母ミカエラがメイドの仕事を探していると聞いたジョージは、独身の親友ネイト(フォレスト・ウィテカー)に彼女を紹介すると、2人はたちまち恋に落ちた。
ジョージの不思議な能力を知った町の人々は彼を恐れ始める。アマチュア無線好きの親友ネイトが聴いているのを見て軍の暗号を解読したのが元でFBIに拘束されてしまう。監視を付けられたジョージは、孤独と不安から家に閉じこもる。そんな時、レイスが彼を訪ね、伸び放題の髪を切り、髭を剃ってくれた。彼女の愛で勇気を取り戻した。そして間もなく、再びあの光を見て倒れたが。。。
ジョントラボルタは矢沢永吉と並んで、自分にとって永遠のヒーローだ。
78年のサタデイナイトフィーバーは何より衝撃だった。そこでの彼はニューヨークでもブルックリンに住むペンキ職人だ。週末になるとさっそうとディスコのフロアに登場するけれど、いつもは同じブルックリンの仲間と遊び呆けるだけ。その彼がマンハッタンで働く女性に憧れ、彼女にパートナーになるように申し出して、ダンス大会に出る話だった。
この映画「フェノミナン」でのプロフィルも基本は一緒である。アッパー層というより労働者や田舎の男を演じる方が、トラボルタの味が出てくると思う。ここでは最初にトラボルタの起用が決まって、逆にカリフォルニア州の美しい田舎町がロケ地に選ばれたのではないだろうか。良い街で、人もよさそうだ。
その街がトラボルタに人知を超えた能力が備わり一変してしまう。
このところ天才が出てくる映画をずいぶんと見ている。
「脳男」もある意味そうだ。
でもここでのトラボルタはやさしい。天才になっても鋭角的な態度を示さない。好感が持てる。
それなので、最終に向かってせつない思いを感じた。
そういう映画の雰囲気を支えていたのが、トーマス・ニューマンによるバックミュージックだ。代表作として「ショーシャンクの空」「グリーンマイル」というと想像がつくだろう。やさしいピアノが静かに弾かれる中で、ソフトで胸にジーンとする音楽が鳴り響く。その途中街の様子を描くとき、アメリカンポップスが流れる。初期のシュープリームスが数曲ながれ、「ベイビーラブ」と歌うダイアナロスの声が実に映像にピッタリする。そして最後にエリッククラプトンの「チェンジ・ザ・ワールド」が流れる。あまりに有名な曲だが、この映画のテーマソングと知っている人は少ない。もっと早く出てきても。。とも思うけど、あの情景で流れるのがより美しいのであろう。
あとはオスカー俳優の2人がいい。ロバート・デュヴァルは「アウトロー」にも出ていて今だ現役だけど、80~90年代の活躍が一番いい感じに思える。「デイズオブサンダー」「ナチュラル」での彼が好きだ。町の人がトラボルタの変身に畏怖の念を抱くときに、ロバート・デュヴァルが強い口調でかばう。これは胸にしみるいいシーンだ。
一方フォレスト・ウィテカーはそののちオスカーを受賞した「ラストキングオブスコットランド」でウガンダの暴君を演じた時と違い、表情がやさしい。無邪気だ。アマチュア無線好きの独身男性が恵まれない子持ち女性をすきになる場面がハートにしっくりくる。このカップル誕生は応援してあげたくなる心境になった。
そういった名優の演技と流れるムードのやさしさに心がやすらぐ
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