映画「クーリエ」を映画館で観てきました。
「クーリエ 最高機密の運び屋」は久々観る英国のスパイ映画でベネディクトカンバーバッチ主演である。キューバ危機をまたぐ情報戦ではスピルバーグの「ブリッジオブスパイ」という傑作がある。ベルリンを舞台にして緊迫感のある傑作だった。この時期の世界情勢に関する映画は好きで迷いなく映画館に向かう。
東欧エリアでのビジネスに携わっているというだけで、まったく無縁の諜報活動に駆り出された英国商社マンがソ連高官から得た機密情報を英国に運んでキューバ危機回避に貢献するという話だ。実話というのがすごいなあ。
低予算の日本映画を連続してみた後で、久々に映画らしい映画を見たという実感だ。緊迫感を引き出すカメラワーク、音楽、簡潔に要旨を抜き出す編集いずれも高水準である。ソ連が舞台なのに、英語のセリフだと物足りない感じが残る映画もある。その点、ここではソ連内の場面はロシア語の会話でいかにもというロシア人公安の顔をした登場人物が出てきてリアル感はある。
でも、5点満点というわけでなく、評価するなら全部4点という映画なんだよなぁ。史実というのはすごいけど、結末が予測できてしまうだけに思わぬ逆転があるスリルがないのは、弱い部分だ。それでも十分楽しめた。
1960年代初頭、米ソの対立が激化した時代、英国のMI6は東欧諸国で工業製品を卸す英国の商社マン、マングレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)に目をつける。まったくの素人のウィンだったらソ連側にも怪しまれないと、機密情報の「クーリエ(運び屋)」にスカウトする。新規顧客開拓の名目でモスクワ入りしたウィンは、ソ連高官のオレグ・ペンコフスキー大佐(メラーブ・ニニッゼ)と会う。ペンコフスキーはフルシチョフの強硬姿勢で世界大戦に向かうことを恐れ、米政府に自国の機密情報の提供を申し出る。
ウィンは密かにペンコフスキーが得たソ連の機密情報を西側に運び続ける。しかし、何度も往復するうちに、ソ連KGBも何かがおかしいとマークし始めるのであるが。。。
⒈ベネディクトカンバーバッチ
HPには、セールスマンとなっているけど、国をまたがって個人相手でない商売をしているわけで商社マンというべきだろう。大酒飲みで、最愛の妻と10歳の息子がいる。いつ見ても同じブリティッシュストライプの細めのレジメンタルタイをしている。もともとやる気がなかったのに途中で様相が変わる。秘密を共有したソ連の大佐を亡命させようとしてしまうのがやり過ぎだった。
ベネディクトカンバーバッチは大減量で役作りしたのが後半戦でよくわかる。なかなか難易度は高い役柄だ。彼の出演した映画は、最近多いコミックものを除くとほとんど見ている。天才数学者を演じた「イミテーションゲーム」では二重スパイの疑いをかけられる。そういった意味では今回の役とにているが、どちらかというと奇人の部類に入る天才数学者役の方がうまい。
⒉メラーブ・ニニッゼ
軍人出身の諜報本部高官である。評論家の財部誠一のような顔をしている。最愛の妻と娘がいるふつうの家庭だ。フルシチョフが核のスイッチを押す衝動的な動きをすると恐れている。ソ連の裏の裏まで知っている中、大胆にもアメリカと内通する。冷戦時代の映画では、ソ連はみんな敵だ。ロシア人らしい顔をした悪玉の顔はみんな似ている。ニニッゼはそこまででもないが、緊迫感あるシーンを見せつける。好演だ。
ソ連の貧困を隠すために外国にロシア人が出ないなんてセリフがある。そののち露呈されるが、核や宇宙開発で先陣を切っていても社会主義経済がすでに行き詰まっていたということも示されている。
⒊資本主義批判のクズ
最近日本では、資本主義批判をして、マルクスを持ち上げる人の本が売れている。斎藤幸平の本など読んでみると、世間知らずと呆れるばかりである。資本主義の根本というばかりでなく経済活動の基本である分業を否定するし、70年代くらいまでバックする位経済を減速させろという。バカには困ったものだ。
ここ最近、高度成長過程にあった中国がまるでバブル期の日本を思わせる不動産への規制を当局がおこなった途端、中国を代表する不動産会社がとんでもないことになっている。それを見ても経済成長の鈍化というさじ加減は難しいのだ。それなのに経済を70年代まで戻したら全員こじきだ。後戻りになったら国は貧困のどん底に落ちる。それなら彼らのいう社会施策の財源はない。経済音痴にはわからないだろうなあ。
「クーリエ 最高機密の運び屋」は久々観る英国のスパイ映画でベネディクトカンバーバッチ主演である。キューバ危機をまたぐ情報戦ではスピルバーグの「ブリッジオブスパイ」という傑作がある。ベルリンを舞台にして緊迫感のある傑作だった。この時期の世界情勢に関する映画は好きで迷いなく映画館に向かう。
東欧エリアでのビジネスに携わっているというだけで、まったく無縁の諜報活動に駆り出された英国商社マンがソ連高官から得た機密情報を英国に運んでキューバ危機回避に貢献するという話だ。実話というのがすごいなあ。
低予算の日本映画を連続してみた後で、久々に映画らしい映画を見たという実感だ。緊迫感を引き出すカメラワーク、音楽、簡潔に要旨を抜き出す編集いずれも高水準である。ソ連が舞台なのに、英語のセリフだと物足りない感じが残る映画もある。その点、ここではソ連内の場面はロシア語の会話でいかにもというロシア人公安の顔をした登場人物が出てきてリアル感はある。
でも、5点満点というわけでなく、評価するなら全部4点という映画なんだよなぁ。史実というのはすごいけど、結末が予測できてしまうだけに思わぬ逆転があるスリルがないのは、弱い部分だ。それでも十分楽しめた。
1960年代初頭、米ソの対立が激化した時代、英国のMI6は東欧諸国で工業製品を卸す英国の商社マン、マングレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)に目をつける。まったくの素人のウィンだったらソ連側にも怪しまれないと、機密情報の「クーリエ(運び屋)」にスカウトする。新規顧客開拓の名目でモスクワ入りしたウィンは、ソ連高官のオレグ・ペンコフスキー大佐(メラーブ・ニニッゼ)と会う。ペンコフスキーはフルシチョフの強硬姿勢で世界大戦に向かうことを恐れ、米政府に自国の機密情報の提供を申し出る。
ウィンは密かにペンコフスキーが得たソ連の機密情報を西側に運び続ける。しかし、何度も往復するうちに、ソ連KGBも何かがおかしいとマークし始めるのであるが。。。
⒈ベネディクトカンバーバッチ
HPには、セールスマンとなっているけど、国をまたがって個人相手でない商売をしているわけで商社マンというべきだろう。大酒飲みで、最愛の妻と10歳の息子がいる。いつ見ても同じブリティッシュストライプの細めのレジメンタルタイをしている。もともとやる気がなかったのに途中で様相が変わる。秘密を共有したソ連の大佐を亡命させようとしてしまうのがやり過ぎだった。
ベネディクトカンバーバッチは大減量で役作りしたのが後半戦でよくわかる。なかなか難易度は高い役柄だ。彼の出演した映画は、最近多いコミックものを除くとほとんど見ている。天才数学者を演じた「イミテーションゲーム」では二重スパイの疑いをかけられる。そういった意味では今回の役とにているが、どちらかというと奇人の部類に入る天才数学者役の方がうまい。
⒉メラーブ・ニニッゼ
軍人出身の諜報本部高官である。評論家の財部誠一のような顔をしている。最愛の妻と娘がいるふつうの家庭だ。フルシチョフが核のスイッチを押す衝動的な動きをすると恐れている。ソ連の裏の裏まで知っている中、大胆にもアメリカと内通する。冷戦時代の映画では、ソ連はみんな敵だ。ロシア人らしい顔をした悪玉の顔はみんな似ている。ニニッゼはそこまででもないが、緊迫感あるシーンを見せつける。好演だ。
ソ連の貧困を隠すために外国にロシア人が出ないなんてセリフがある。そののち露呈されるが、核や宇宙開発で先陣を切っていても社会主義経済がすでに行き詰まっていたということも示されている。
⒊資本主義批判のクズ
最近日本では、資本主義批判をして、マルクスを持ち上げる人の本が売れている。斎藤幸平の本など読んでみると、世間知らずと呆れるばかりである。資本主義の根本というばかりでなく経済活動の基本である分業を否定するし、70年代くらいまでバックする位経済を減速させろという。バカには困ったものだ。
ここ最近、高度成長過程にあった中国がまるでバブル期の日本を思わせる不動産への規制を当局がおこなった途端、中国を代表する不動産会社がとんでもないことになっている。それを見ても経済成長の鈍化というさじ加減は難しいのだ。それなのに経済を70年代まで戻したら全員こじきだ。後戻りになったら国は貧困のどん底に落ちる。それなら彼らのいう社会施策の財源はない。経済音痴にはわからないだろうなあ。