映画とライフデザイン

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映画「Winny」東出昌大

2023-03-16 05:57:45 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「Winny」を映画館で観てきました。


映画「winny」は2000年代に入ってネット上で人気となったソフトWinnyをめぐる物語。実話に基づく話をぜんぶぼくのせいで監督デビューの松本優作が脚本監督した法廷ものの要素を持つ作品だ。天才プログラマー金子勇東出昌大が演じる。恥ずかしながら、題材になった裁判がここまで話題になっているとは全く知らなかった。

ファイル共有ソフトwinnyを利用して、著作権違反に当たる違法ダウンロードをする事件が多発した。開発した金子勇(東出昌大)には全く関係のない事件であったにもかかわらず、警察当局は当初参考人として金子を取り調べる。そして,著作権法違反幇助の容疑で金子が逮捕されてしまう。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光(三浦貴大)が開発者が逮捕されるのはおかしいと弁護に乗り出す。

これはおもしろかった。
法廷もの映画だと切れ味のいい逆転劇と弁論がもてはやされるけど、これは実話だ。都合の良いようには展開しない。不器用さを感じるけど悪くない。Winnyが悪用されたのを、開発したプログラマー金子勇のせいにしようと警察と検察が落とし込める構図が基調である。もっとも、その上部には国家権力による指示があるのかもしれない。ある意味悲劇である。ひと時代前は世界一を誇ると言われた日本の理系の優れた人材が、最近は欠乏しているという直近の話題にもつながる。


⒈東出昌大
東出昌大演じる天才プログラマー金子勇が開発したWinnyを2ちゃんねるに公開して、数多くの人たちが利用した。ただ、悪用して映画やTVを違法ダウンロードした事件が頻繁に起きた訳だ。まったく金子勇に悪意はない。プログラムのコードにしか興味のない男なのに、著作権違反が蔓延するように金子自らが仕向けていると警察に睨まれて、冤罪を受けるが如くやられてしまう。最近も袴田事件の再審が話題になるが、よく世間で語られる冤罪事件の構図と変わりはない

でも、劇中の金子勇のパフォーマンスはいかにも一般常識がなく世間の事情に疎い。リーダーの刑事が書いた文面をそのまま書かされてサインしたりする。弁護士が登場した後でも、検事調書にサインをする。しかも、サインさせられたことを弁護士には話さない。目をそらしながら話す話し方は自閉症の患者のようだ。天才にありがちな匂いがする。一回プログラムのことを話し出したら止まらなかったり、妙に明るくなったりするそのパフォーマンス東出昌大がうまく演じる。いまだ不倫事件の余韻が世間で残っているけど、東出昌大の出演作はいずれも良い出来だ。


⒉捜査費の裏金化
Winny の開発者の裁判に関する話題に並行して、警察が絡んだもう一つの物語を語っていく。吉岡秀隆演じる愛媛県警のベテラン警察官が、犯人捜査費の名目でカラの領収書を大量に発行する警察署内の悪い慣習に反抗して、マスコミに公表する事件も語られる。当然のことながら、警察当局は否定するわけだが、カラ領収書がWinny によって漏れていく。同時にベテラン警官が尾行されたり、家に石を投げつけられたりしつこく嫌がらせを受ける。


どちらかと言うと、警察には都合の悪い話が続いていく。公安当局から見ると、この映画はあまり好まれないかもしれない。日本では比較的少ないが、アメリカ映画ではロス市警やニューヨーク市警の悪態をついた映画がたくさんつくられている。


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