映画「ゴーン・ガール」はデイヴィッド・フィンチャー監督の新作、早速映画館で見てきました。
149分の長尺だが、飽きずに見れた。実に面白かった。最後までどう展開するのか、ドキドキしながら映画の銀幕を追った。
若干ネタばれありで語りたい。
デイヴィッド・フィンチャー監督作品は必ず見るようにしている。近作の「ドラゴンタトゥの女」と「ソーシャル・ネットワーク」いずれも好きな作品だが、どちらかというと、初めて「セブン」を見た時の衝撃の方が強い。あのやるせない感触が忘れられない。今回はアカデミー賞を監督として受賞したベンアフレックが主演、相手役は英国の美人女優ロザムンドパイクである。超有名人物を並べているわけではないが、他のキャスティングも絶妙だった。
妻が失踪する物語だという先入観のみでこの映画をみた。ところが、途中からイメージが変わってくる。
気がつくと、一連の「悪女映画」に通じる作品であった。
自分的にはベンのオスカー作品「アルゴ」よりも断然おもしろかった。
アメリカ・ミズーリ州。幸せに満ちた理想的な結婚生活を送るニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)だったが、結婚5周年を迎えたその日にエイミーの姿が忽然と消える。
家には争った形跡があり、さらにキッチンからエイミーの大量の血痕が見つかった。警察は失踪と他殺の両面から捜査を進めるうちに、アリバイがあいまいなニックを疑う。美しい若妻が失踪したこの事件は注目され報道は過熱、ニックは全米から疑いの目を向けられカップルの知られざる秘密が明るみになる……。(作品情報より)
ニックはミズーリ州の田舎町で、「ザ・バー」という店を妹(キャリー・クーン)と経営している。妹とだべった後に家路につくと、誰もいない。しかも、家の中が荒らされているようだ。あわてて警察を呼ぶ。担当の女性警部が男性の助手を連れてくる。血痕が残っているようだ。ニックはそのまま警部とともに警察署へ行く、指紋を取られて取り調べを受ける。妻の情報を意外にも知らないことがいくつかあった。妻エイミーの実家へ電話して父母を呼びだす。
映像は2人の付き合いをきっかけから追っていく。パーティで知り合い、恋愛結婚をする。
この夫婦は愛し合って結ばれているということを最初は示す。これ自体軽い迷彩を与えている。この時点では悲劇的な結末もあるのかと自分は予測する。次第に夫が罠にはまり疑われてもおかしくない状況になるが、そうでもなさそうだと感じる。
しかし、夫にはピチピチの若い彼女がいることもわかってしまう。
さあどうなるのだろう。
そう思っているうちにエイミーの姿が現れる。同時並行で失踪したあとを追っていく。
そして、次第にエイミーが何かを仕掛けているのでは?と感じさせるシーンが出てくるのだ。
1.悪女映画
悪女映画といえば、レナオリンの「蜘蛛女」、レベッカデモネイの「ゆりかごを揺らす女」の怖さが際立つ。ある意味「エスター」もそうかもしれない。この映画はそれに加えて、「氷の微笑」のシャロンストーンの要素が入ってくる。
これはまったく予想外の展開だった。脚本のこの迷彩作りはうまい。それをうまく映像に加工するのはさすが、デイヴィッドフィンチャーである。ロザムンド・パイクは英国の名門オックスフォード大学をでた美貌のインテリ女性でこの役柄にぴったりだ。
激しい恋愛で結ばれても、男が外でつまみ食いしてしまうのはよくあること。浮気相手との激しい情事の中で、ふと離婚をにおわすことを言ってしまうことはあるかもしれない。でも余程のことでなければ、それは離婚にはつながらない。日常を変えない中で、男は火遊びの中で刺激を求めているにすぎない。でも女からすると違うだろう。ここでは証拠はあがっているし、バッチリ見てしまうのだ。
男もずいぶんと抜けているという設定だが、彼女は実に周到に準備する。「危険な情事」のグレンクローズのように単に大暴れするだけじゃない知能犯だ。警察が夫のカードを調べると、贅沢品をたくさん買っているという実績がある。本人に問い詰めると、まったく記憶がない。他にも男をはめていることがたくさんある。相当なワルに仕立てられていることがわかってくる。
いつ何時こんな目に会うかはわからない。家庭内の平和のために、一杯飲まずに早く帰るのがいちばんだよね。
2.ベンアフレックと双子の妹
映画のはじめで、お店で1人のメガネの女性と話し込んでいる。懐かしい「人生ゲーム」で遊んでいるのだ。何これ?と思っていたら、バーを共同経営する妹との会話だ。ニューヨークで暮らしていた夫婦が、夫の母親ががんと分かり、ミズーリ州に引っ越してくる。ミズーリ州は死刑容認の州だ。妻が失踪した後、家が家宅捜索にあい、実家に戻る。
そこで妹と暮らすわけだが、夫に疑いの目が向けられる。双生児でグルになっていると疑われる設定だ。妹と妻の仲は決してよくはない。まったく懲りないと言いたくもなるが、ベンアフレック演じる夫は女を妹と暮らす実家に連れ込む。おいおいよくやるよと思いながらストーリーに伏線を与える。
この妹役キャリー・クーンがいい味出していた。個人的にはロザムンド・パイクよりも好きなタイプだ。その双子の妹に疑いを持つ捜査責任者である警部役のキムディケンズという女優も良い存在感をだす。女性の犯罪責任者なんて日本にはいるのかな?と思いつつ、パフォーマンスがずっと気になる。
3.浮気相手
実家に連れ込む浮気相手を演じるのが、エミリー・ラタコウスキーという女性だ。夜中に「すぐ近くにいるよ。」とメールが来ると実家のすぐ目の前だ。まわりに捜査関係者たちがいるのでやばいとすぐ家に入れる。久々だという彼女は発情している。こんなときにヤバイと思いながら、哀しい男の性でピチピチのボディを抱いてしまうわけだが、そのボディにはビックリ。男をやる気にさせるスーパーロケットバストだ。
すごく目に焼き付きネットで調べると、すごいヌード画像が出てきた。少し興奮してしまうが、目の前で本物を見るベンアフレックの方がやばいだろう。
この映画面白かったなあ!
夫婦とは何?なんて理屈っぽく見る人もいるけど、所詮は世の中ってこの主人公のような女性は多いと思う。
さすがにここまで大胆なことをしないとは思うけど
(参考作品)
149分の長尺だが、飽きずに見れた。実に面白かった。最後までどう展開するのか、ドキドキしながら映画の銀幕を追った。
若干ネタばれありで語りたい。
デイヴィッド・フィンチャー監督作品は必ず見るようにしている。近作の「ドラゴンタトゥの女」と「ソーシャル・ネットワーク」いずれも好きな作品だが、どちらかというと、初めて「セブン」を見た時の衝撃の方が強い。あのやるせない感触が忘れられない。今回はアカデミー賞を監督として受賞したベンアフレックが主演、相手役は英国の美人女優ロザムンドパイクである。超有名人物を並べているわけではないが、他のキャスティングも絶妙だった。
妻が失踪する物語だという先入観のみでこの映画をみた。ところが、途中からイメージが変わってくる。
気がつくと、一連の「悪女映画」に通じる作品であった。
自分的にはベンのオスカー作品「アルゴ」よりも断然おもしろかった。
アメリカ・ミズーリ州。幸せに満ちた理想的な結婚生活を送るニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)だったが、結婚5周年を迎えたその日にエイミーの姿が忽然と消える。
家には争った形跡があり、さらにキッチンからエイミーの大量の血痕が見つかった。警察は失踪と他殺の両面から捜査を進めるうちに、アリバイがあいまいなニックを疑う。美しい若妻が失踪したこの事件は注目され報道は過熱、ニックは全米から疑いの目を向けられカップルの知られざる秘密が明るみになる……。(作品情報より)
ニックはミズーリ州の田舎町で、「ザ・バー」という店を妹(キャリー・クーン)と経営している。妹とだべった後に家路につくと、誰もいない。しかも、家の中が荒らされているようだ。あわてて警察を呼ぶ。担当の女性警部が男性の助手を連れてくる。血痕が残っているようだ。ニックはそのまま警部とともに警察署へ行く、指紋を取られて取り調べを受ける。妻の情報を意外にも知らないことがいくつかあった。妻エイミーの実家へ電話して父母を呼びだす。
映像は2人の付き合いをきっかけから追っていく。パーティで知り合い、恋愛結婚をする。
この夫婦は愛し合って結ばれているということを最初は示す。これ自体軽い迷彩を与えている。この時点では悲劇的な結末もあるのかと自分は予測する。次第に夫が罠にはまり疑われてもおかしくない状況になるが、そうでもなさそうだと感じる。
しかし、夫にはピチピチの若い彼女がいることもわかってしまう。
さあどうなるのだろう。
そう思っているうちにエイミーの姿が現れる。同時並行で失踪したあとを追っていく。
そして、次第にエイミーが何かを仕掛けているのでは?と感じさせるシーンが出てくるのだ。
1.悪女映画
悪女映画といえば、レナオリンの「蜘蛛女」、レベッカデモネイの「ゆりかごを揺らす女」の怖さが際立つ。ある意味「エスター」もそうかもしれない。この映画はそれに加えて、「氷の微笑」のシャロンストーンの要素が入ってくる。
これはまったく予想外の展開だった。脚本のこの迷彩作りはうまい。それをうまく映像に加工するのはさすが、デイヴィッドフィンチャーである。ロザムンド・パイクは英国の名門オックスフォード大学をでた美貌のインテリ女性でこの役柄にぴったりだ。
激しい恋愛で結ばれても、男が外でつまみ食いしてしまうのはよくあること。浮気相手との激しい情事の中で、ふと離婚をにおわすことを言ってしまうことはあるかもしれない。でも余程のことでなければ、それは離婚にはつながらない。日常を変えない中で、男は火遊びの中で刺激を求めているにすぎない。でも女からすると違うだろう。ここでは証拠はあがっているし、バッチリ見てしまうのだ。
男もずいぶんと抜けているという設定だが、彼女は実に周到に準備する。「危険な情事」のグレンクローズのように単に大暴れするだけじゃない知能犯だ。警察が夫のカードを調べると、贅沢品をたくさん買っているという実績がある。本人に問い詰めると、まったく記憶がない。他にも男をはめていることがたくさんある。相当なワルに仕立てられていることがわかってくる。
いつ何時こんな目に会うかはわからない。家庭内の平和のために、一杯飲まずに早く帰るのがいちばんだよね。
2.ベンアフレックと双子の妹
映画のはじめで、お店で1人のメガネの女性と話し込んでいる。懐かしい「人生ゲーム」で遊んでいるのだ。何これ?と思っていたら、バーを共同経営する妹との会話だ。ニューヨークで暮らしていた夫婦が、夫の母親ががんと分かり、ミズーリ州に引っ越してくる。ミズーリ州は死刑容認の州だ。妻が失踪した後、家が家宅捜索にあい、実家に戻る。
そこで妹と暮らすわけだが、夫に疑いの目が向けられる。双生児でグルになっていると疑われる設定だ。妹と妻の仲は決してよくはない。まったく懲りないと言いたくもなるが、ベンアフレック演じる夫は女を妹と暮らす実家に連れ込む。おいおいよくやるよと思いながらストーリーに伏線を与える。
この妹役キャリー・クーンがいい味出していた。個人的にはロザムンド・パイクよりも好きなタイプだ。その双子の妹に疑いを持つ捜査責任者である警部役のキムディケンズという女優も良い存在感をだす。女性の犯罪責任者なんて日本にはいるのかな?と思いつつ、パフォーマンスがずっと気になる。
3.浮気相手
実家に連れ込む浮気相手を演じるのが、エミリー・ラタコウスキーという女性だ。夜中に「すぐ近くにいるよ。」とメールが来ると実家のすぐ目の前だ。まわりに捜査関係者たちがいるのでやばいとすぐ家に入れる。久々だという彼女は発情している。こんなときにヤバイと思いながら、哀しい男の性でピチピチのボディを抱いてしまうわけだが、そのボディにはビックリ。男をやる気にさせるスーパーロケットバストだ。
すごく目に焼き付きネットで調べると、すごいヌード画像が出てきた。少し興奮してしまうが、目の前で本物を見るベンアフレックの方がやばいだろう。
この映画面白かったなあ!
夫婦とは何?なんて理屈っぽく見る人もいるけど、所詮は世の中ってこの主人公のような女性は多いと思う。
さすがにここまで大胆なことをしないとは思うけど
(参考作品)
ゴーン・ガール | |
世紀の悪女をみる | |
セブン | |
後味が悪すぎるデイヴィッドフィンチャーの傑作 | |
蜘蛛女 | |
悪女と言えばレナオリンだ。 | |
この映画はある程度のネタばれを入れないと表現が中途半端すぎると思います。難しい。
>実は「セブン」は、公開当時、先に原作を読んでいて映画はずっと後になって見ました。
怖すぎて映像化されたのを見る勇気がなかったんです
この映画は凄い。映画は全部ハッピーエンドになるとは限らないんだよと教えてくれるようで。。
>レナオリンはとても好きな女優、「蜘蛛女」も見ましたが「ショコラ」や「愛を読む人」の彼女が素敵でした。
両方とも見ているんだけど、「ショコラ」の印象が薄い。「愛を読む人」はあとになって過去を語るおばあさんですよね。
「存在の耐えられない軽さ」がいかにも彼女らしい。それがあるから「蜘蛛女」も撮れた気がします。
>ロザムンド・パイク。。。あの時の清楚な美しさとは真逆のキャラクターをここでは演じているわけですね。
「ゴーンガール」は彼女のようなインテリだからできた役だと思う。おっしゃるような清楚な美しさはここでも健在。その裏腹で怖い要素をもっているというアンバランスは最高です。
またよろしくお願いします。
私もフィンチャ―監督は、好きな監督さんなのですが
いかんせん、この映画
ネットですでにネタばれ多しですね。公開中なのに・・・・。実は「セブン」は、公開当時、先に原作を読んでいて
映画はずっと後になって見ました。
怖すぎて映像化されたのを見る勇気がなかったんです(笑)
レナオリンはとても好きな女優、「蜘蛛女」も見ましたが
「ショコラ」や「愛を読む人」の彼女が素敵でした。
ロザムンド・パイクって「高慢と偏見」で
キーラ・ナイトレイの姉を演じていた方ですヨネ。
あのなかでもとっても素敵だったけど
あの時の清楚な美しさとは真逆のキャラクターを
ここでは演じているわけですね。