映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

小説家を見つけたら  ショーンコネリー

2011-06-18 05:33:22 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
「小説家を見つけたら」は「グッドウィルハンティング」の続編とも言うべきガスヴァンサント監督の2000年の作品だ。ショーンコネリーが偏屈な小説家に扮して、ニューヨークのダウンタウンに住む黒人少年とのふとしたことから生まれた友情を描く。ショーンコネリーは不朽の名作を残してその後小説を書かなくなったという設定だ。少年を物書きとして成長させていく。ある意味アメリカンドリーム的な作品ともいえよう。



NYのブロンクスで暮らす16歳の黒人少年ウォレスことロブ・ブラウンは、プロのバスケットボール選手を夢見るかたわら、不良仲間には内緒で大好きな小説を書き続けていた。そんな彼が不良仲間にそそのかされてアパートの1室に盗みに入る。ところが、部屋にいることに気づき少年はリックサックを残したまま退出する。その中には彼の創作ノートが入っていたのだ。逃げた後彼はリュックを忘れたことを悔いた。そのアパートのまわりをうろうろしていた彼のそばにリュックが投げられる。アパートの主はショーンコネリーだ。忘れていたリュックの中を見たら、創作ノートが赤ペンで添削されていた。謝る少年はショーンコネリーと知り合う様になる。
少年は通常の学校の成績は及第点ぎりぎりだったのに、高校生の全米統一試験で素晴らしい成績をとった。そんな少年の才能に気づいたエリート私立高校から彼に誘いがきた。高校のスポーツの名声をあげるため、当然彼のバスケットの才能もかわれたのであった。新たな学校へ通ううちに少年は、その老人が有名な小説家だということを知るが….。



話自体は静かに進む。ニューヨーク私立校に進んだ後の少年の振る舞いはサンドラブロック主演の「しあわせの隠れ場所」と同じ類だ。両方とも黒人の少年をクローズアップさせ、貧民街で育ったという設定だ。後に作られただけにサンドラブロックの映画のほうが真似したのかもしれない。
ガスヴァンサント監督は「グッドウィルハンティング」を撮ったとき、マットデイモンを天才に仕立てた。相手に数学だけでなく、人文科学系の知識をひけらすシーンがある。今度も似たようなシーンがある。最初は攻撃的なひけらし方ではない。キーポイントになるシーンで攻撃的に知識をだしていく。
いずれにしても、監督は広いアメリカの中で、下層社会の人間でもすごい博学がいるということを示したかったのであろう。個人的にも痛快と思わせるところがある。
アメリカはイギリスのような貴族はいないが階層はある。こういうのが大衆には受けるかもしれない。

劇中有名な小説家の古い紹介記事として、古いショーンコネリーの写真が出てくる。「007」のころの写真だ。あの当時のコネリーは自分は大好きだ。もちろん老いたコネリーの味のある演技はもっと好きだ。いい年の取り方をしたみたいだ。

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