日本人ということを強く意識し始めたのは24歳の夏にオハイオ州へ留学して以来です。その後もドイツやスウェーデンに住んだ経験が より一層 私の日本人へたいする思いを深くしました。
外国に住んだ経験のある方、そして現在住んでいる方も同じと思います。「思いを深くする」とは日本人の善いこと、悪いことの両方へ深い感慨を持つようになることです。日本人への愛着も出来ます。良い意味での愛国心が強くなります。
我々民族は 明治維新以来の140年間に大きな間違いも犯しました。私は、この140年の半分以上も生きて来ました。静かな気持ちで 振り返ってみると「日本人の努力」の偉大さに対して感動し、感謝せざるを得ません。
なんと言っても、明治維新直後の指導者達が、我が国を欧米列強の植民地にしないように、血のにじむような努力をしたことです。すべてを緊急に、間違いのない国際政策を実行しなければなりませんでした。欧米列国は武力で日本を脅かします。
欧米の理解を取りつけながら日清戦争に勝ちました。さらに日英同盟を結び、英国の支援で日露戦争にも勝ちました。第一次世界大戦も英国側につき戦勝国になったのです。危ない綱渡りのような国際戦略を間違いなく成功させたのです。
国内の繊維産業と軽工業も振興しました。
第一次大戦が完全に終わった年を1920年とすると、1867年の明治維新から53年しかたっていません。この間の疾風怒濤のような戦争の連続を全て勝ち抜いたのです。明治時代の日本人はそれぞれの分野で本当に努力しました。おのずと頭が下がります。
しかし、時代の変化について行けないで零落したり思想信条の違いから悲劇的な生涯を終えた人も多かったと思います。
それにしても全体的にみると、人々は日本を三等国から一等国へしようと勤勉に仕事をしたものだと感動します。
東郷元帥はロシアに近いヨーロッパ諸国で尊敬されていますし、内村鑑三、徳富蘆花、なども忘れられない人々です。
今だからこそ明確に理解出来るのですが、日本人が大きな間違いをしたのは第一次大戦の後です。英米との友好関係をやめてドイツと組んだことです。日独伊三国が軍事同盟を組み、第二次大戦でアメリカ、フランス、英国、中国へ対して、貧弱な国力もかりみず戦端を開いたのです。危険すぎる冒険でした。
失敗した日本は満州、樺太、台湾、朝鮮、千島列島、沖縄を失っただけでなく国内の数多くの都市が焼け野原になりまた。広島と長崎は原爆さえ落とされたのです。1945年に全てが灰に戻ったのです。(沖縄だけは後に返還されました)
2009年の現在の日本を見まわしてみましょう。この繁栄ぶりを1945年に想像出来た日本人は居たでしょうか?少なくとも私には想像も出来ませんでした。
この成功をもたらしたものは「努力」です。特に日本人は「努力の積み重ね」を大切にする固有の民族文化を持っています。第二次大戦後、遅れた産業と科学技術をどのように取り戻したか?どのようにして欧米に追い付いてきたか?この時代は私も直接知っています。この稿の続編として記述して行きたいと思っています。それにしても日本人は偉い民族だと、ひそかに思い、ひそかに誇りに思っています。
貴方は日本人のことを、どのように思っていらっしゃいますでしょうか?(続く)
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人