後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

今日の夕焼けの写真、そしておやすみなさい、

2009年07月19日 | 写真

今日は近所の商店街でささやかなな納涼まつりがあり、阿波踊りを見てきました。若い娘たちが上品に踊っていました。富山、八尾の風の盆を思い出しました。

帰りに夕焼けが美しかったので写真を一枚お送りします。   撮影   Mrs.藤山

もう、夜の10時過ぎですね。  おやすみなさい

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現在、日本にある飛行船をご紹介いたします

2009年07月19日 | 写真

以下の記事は2008年11月19日掲載記事ですが、今日の「狼皮のスイーツマン」さんの作品に関係しますので、再掲載いたします。

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帆走子さんは「ロスミナの風」という楽しいブログ( http://rusmina-2.cocolog-nifty.com/blog/を書いていらっしゃいます。その中で飛行船の短い紹介記事を見つけました。

小生も昔から飛行船にあこがれていました。夢のような空の乗り物です。

そこで、株式会社日本飛行船のHPを色々調べてみました。埼玉県の桶川にある本田飛行場を営業基地にして、全国を回っている飛行船を運行している会社です。今日は関西の空にいますが、東京の上空でもよく見かけます。そのHPから美しい写真を転載致します。

上の左は第一次大戦以前に開発されたツェッペリン号で、右は1916年に所沢から大阪へ飛んだ軍用飛行船「雄飛号」の写真です。

下の写真は現在、日本の空を飛んでいる、ツェッペリンNT号の写真です。お楽しみ頂ければ幸いです。写真は全て株式会社日本飛行船のHPを出典としています。(http://www.nac-airship.com/ )

(終わり)

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アールヌーボー・華麗な飛行船の世界

2009年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、優れた文学作品をブログで発表している「狼皮のスイーツマン」さんとメールの交換をして、作品の一部の転載許可を頂きました。

1920年頃から1930年頃の上海に住んでいる色々な国籍の人々。当時新しく登場した空に浮かぶ船・飛行船の旅、アールヌーボーの内装、そして飛行船内で起きる殺人事件。

ミステリー小説ですが登場人物の人間性を丁寧に描き上げた小説です。それに第一次世界大戦と第二次大戦の間に咲いた上海文化の見事な記述。色々な視点からも興味深い作品です。是非、お読みになってお楽しみ下さい。以下にその抜粋と挿絵を転載致します。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人

===========狼皮のスイーツマン著==========

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伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」(http://r24eaonh.blog35.fc2.com/

そのストーリー

可憐でお茶目なレディー・シナモンは18歳の誕生祝いに父君から飛行船シルフィーの搭乗券を贈られます。飛行船シルフィーはアールヌーボー様式を採用した天空の美術館のようでシナモンはご機嫌です。ところが、その飛行船シルフィーで殺人事件が起こってしまいました。船長は頭脳明晰なシナモンに捜査を依頼します。

==========冒頭、書き出し部分===========

伯爵令嬢シナモン「飛行船の殺人」

第一次世界大戦と第二次世界大戦のはざまには、短くて危ういながらも平和な時代が確かに存在し、往事の世相を反映するかのように、東洋のパリと称されたモダン都市上海には、現地人の自治政府と外国人居留地が設けられ、世にも不思議な空間が形成されていた。上海には大きく三つのエリアが存在する。一つめは、中国の自治政府がおかれた上海南部にある上海県城で、城壁に囲まれた清朝の香りのする旧市街だ。二つめと三つめは外国人居留地である。外国人居留地のことを租界というのだが、租界は上海中央部のフランス租界と、北部の共同租界とに分かれており、上海県城と二つの租界はそれぞれ個別に警察や軍隊まで保有していたのである。なんというアンバランスな町なのだろう。まるで、一つの町のなかに三つの国家があるようなものだ。

=======取材のために佐藤と中井という男2人も乗る飛行船=======

佐藤は、手帖を胸ポケットから取り出すと、中居を追い越して客室へ向かった。意表をつかれた中居の耳に、船内アナウンスがきこえてきた。

 ──皆様がご乗船になられている当飛行船〝シルフィー〟は、上海─東京間二千キロメートルを、時速七十キロで航行し、目的地東京には三十時間後に到着する予定です。ご用むきの件はお近くのスチュワートにおたずねください。なお、本船の全長は二百四十メートル、幅は四十一メートル、水素ガス容量は二十万立方メートルとなっております。それでは皆様、快適な空の旅を。

 飛行船〝シルフィー〟をつなぎ止めていたロープが斧で断ち切られた瞬間、観衆がどよめいた。銀色の巨体は静かに天空に舞い上がっていく。

========飛行船のアールヌーボーの内装============

プロムナードデッキは、乗客キャビンの両脇にあった。乗客キャビンから食堂のある左舷プロムナードデッキに向かう通路には赤い絨毯が敷かれ、壁や天井にはアールヌーボー様式の絵画や装飾が施されていた。アールヌーボーとは一九世紀末から二〇世紀初頭に流行した様式で、その展開は、美術界のみならず、建築や工芸といった分野にまで広がっている大芸術運動だった。アールヌーボー様式で統一された壁の随所には、東欧チェコの画家アルフォンソ・ミュシャのパネルが綺麗にはめ込まれており、ギリシャの女神がモチーフとなっていた。
 ミュシャは、ポスターや装飾パネルの分野で活躍した画家で、近代グラフィックアートに革命をもたらした。東洋水彩画風のおさえ気味にした色調と様式のなかに、赤みを帯びたみずみずしい女性達を描いている。
 アールヌーボーの代表的な画家には、他にクリムトがいるのだが、その人の画風は、金や赤・緑・紫といた極彩色を多用しているのだが、どことなく死の影が漂い、ミュシャの画風とは対照的である。
 黄金の髪を後ろに結った若い貴婦人は、通路にはめ込まれたミュシャのパネルにすっかり魅了され、「素敵だわ!」と何度もつぶやいていた。
 ミュシャの通路を右に折れて、プロムナードデッキに入ると食堂となり、食堂をさらに抜けると展望室となる。そこの窓の一部にはステンドグラスがはめ込まれているため、さしこむ光は複雑なものに変化するのだ。また展望室はベージュ色の壁や天井を基調としているのだが、随所に黒と金の意匠を加えてめりはりをつけていた。

=========そして殺人事件が起きる======以下省略======