私たちはお寺さんにお世話になるのはお葬式や法事くらいです。日常は仏教とはなんのかかわりが有りません。しかし全国に、お寺は8万くらいあると言います。あまり沢山あるので空気のように仏教の有難さを意識していません。お釈迦さまの教えは幼少の頃から何気なく体に染みついています。日本の大部分の人々は仏教的な仁徳を持っている素晴らしい人々です。このことは自分がカトリックの信者になってから鮮明に理解できるようになりました。欧米人が日本を仏教国と言う意味が理解出来たのです。
先日、前橋に泊まったとき感動的なお寺を発見しました。下の写真をご覧下さい。タイのお寺のような屋根です。ホテルの駐車場の裏にあったお寺です。車を停めてからタイ風のお寺へ好奇心が湧き、見に行きました。ところが本堂の前にいきなり大きな佛足石が飾ってあります。2番目の写真です。そして3番目の写真にあるように佛足跡の由来を説明しています。
キリスト教信者には感動的な説明文です。キリスト本人を身近に感じて日常の生活をする。それが理想的な信仰生活の在り方です。仏教も同じです。お釈迦様を直接感じさせるお寺が良いお寺と思います。そのために本堂には色々な仏像が飾ってあります。しかし仏像は種類も多く、抽象的な意味のものが多く、お釈迦様の本人のお姿ではありません。
このタイ式の屋根を持ったお寺の住職さんが、インドのブッタガヤまで行ってそこの佛足跡の拓本をとってきて再現したものです。その姿勢に感動しました。翌朝、もう一度訪ね、玄関の呼び鈴を押し、突然で大変失礼ですが、住職様のお話を少しお聞きしたいのですが、と頼みました。
出てきたのは頭をそり上げた若い住職様でした。父親がブッタガヤへ行って写してきたこと、タイを巡礼し何故か感動してタイ式のお寺を作ったことなど話してくれました。日本の屋根屋さんが苦労して作ったことも話してくれました。「お釈迦さまを身近に感じさせていることに感動しました」と申し上げました。若い住職様は「そうです。それが一番です」と答えます。
それだけの話です。全国に8万もお寺があるので色々なお寺があります。しかし住職さんは人々へ押しつけがましく説教をしません。質問をするといろいろ話してくれます。皆様も機会があれば住職さんと気軽にお話しすることをお勧めいたします。
今日はお釈迦様が、皆様へご健康と平和を授けて下さますようにお祈り致します。藤山杜人