後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

教養としてのキリスト教(18)あまりにも人間的なイエスのこと

2009年07月05日 | うんちく・小ネタ

今日の福音書の朗読は「マルコによる福音書」の6・1-6でした。

分かりやすく省略して書きます。イエスがある時、故郷のナザレに帰りました。安息日が来たので会堂で説教をします。すると故郷の人々は驚いて「彼はこのようなことをどこから得たのだろう!大体、彼は大工ではないか?それにマリアの息子でヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンという兄弟がいるのだ。」というような意味のことを言いあって誰もイエスの説教を理解しようとしなかったのです。そこではイエスは少しの奇跡しか起こさず故郷を後にしました。

以下は私の想像です。イエスは子供の頃、結構悪戯っ子で仲間の少年たちと遊びまわっていたのかも知れません。そんな当時の頃をよく知っている故郷の人々が彼の説教なんてバカバカしくて、真面目に聞こうとしないのは当然でしょう。

少年の頃は普通で20歳過ぎてから急に才能が伸びて偉い人になることは良くあります。もちろん幼少の頃から才能が周りの人々に称賛されている人もいます。イエスは前者だったので、故郷では尊敬されず、苦労したのです。故郷ではわずかの奇蹟しか起こさず、そうそうに去って行きました。

さてもう一つの部分はイエスの多くの兄弟がいたということです。これは神の力でマリアが身籠り、イエスを生んだというイエスの神聖なイメージを壊しています。イエスに兄弟が居たとは4つの福音書の全てに書いてあるので事実だったのでしょう。

この兄弟という記述の解釈が宗派によって違います。プロテスタント宗派では、文字通り本当に居たと信じています。カトリックでは当時のその地方では従兄妹(いとこ)という言葉が存在していなかったのでイトコやハトコのことを意味すると信じています。すなわち、本当はイエスは独り息子だったと信じているのです。

もっと面白い解釈はギリシャ正教の解釈です。イエスの父のヨゼフは以前に結婚していて連れ子を何人か持っていた。その後やもめ暮らしをしていたが、年の離れた若いマリアと結婚してイエスがうまれた。したがって異母兄弟が一緒に住んでいたと信じています。

今日の山本量太郎神父様のお話では、この「兄弟」は神を天の父と信じている全ての信者と解釈するのも良いということでした。

どの解釈も神学者が苦心に苦心を重ねて研究してきた結果なので簡単に否定は出来ません。

しかし毎年、この時期になると上に書いたような福音書の箇所を朗読します。その度に神の右の座にいるイエス様のこの世での人間らしい苦労が偲ばれて、とても身近に、親しく感じられます。福音書にはこの他にも人間的なドラマが沢山書いてあるので興味深いものです。(続く)

001_2


趣味の車、実用車の違い

2009年07月05日 | うんちく・小ネタ

イタリア製のアルファ・ロメオの写真3枚と日産のワンボックスカーのセレナの写真2枚を示します。趣味の車と実用車の違いを考えてみましょう。私の車は実用車の方です。

設計の思想が違います。エンジンが違います。アルファ・ロメオは3200cc、250馬力、セレナは2000ccです。趣味の車は車室を小さくし、走行性能を追求します。エンジンオイルを2個の小型ラジエーターへ循環しエンジン温度をいつも最適にしています。ブレーキ性能が格段に良いのです。

セレナは車室を大きくとり、乗った人々が快適に過ごせるような設計にします。ガソリン消費量を1リットルあたり10km以上です。アルファ・ロメオは6km以下です。国産車は故障が少なく、とにかく経済的です。イタリア車は時々小さな故障をします。

しかし決定的な違いは車に乗り、走らせると、「ああ、これがイタリヤ文化というものだ!」 と実感出来るのです。フランスの車ともドイツの車とも違う文化です。日本車へ外国人が乗ったとき、日本の文化を感じてくれるでしょうか?

001 008 010 012 015


ガンになって12年の親友の体験記、老人の為の参考情報!

2009年07月05日 | うんちく・小ネタ

ガンになったという記事を掲載しましたら、色々な方から励ましや関連の情報が集まりました。今日は、大学時代からの親友のKTさんから寄せられた情報をご参考のために掲載いたします。このブログへ掲載することを許してくれたKTさんへ感謝します。有難う御座います。

今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。  藤山杜人

========KTさんからのメール=============

  前立腺がんのこと拝見。ガンといえば誰でもショックを受けるでしょうから、貴兄が今どんなお気持ちか想像できます。以下の体験談が少しでも貴兄の不安を和らげるなら、ということで少し余計なことを長々書きます。我慢して読んでください。

周知の通り、ガンは馬鹿にすれば命取り、しかしいまや現代医学でちゃんと対応すれば恐ろしいばかりの病気ではありません。前立腺ガンの場合、結論から言えば、手遅れでない限りあまり深刻なことにはならないはず。たいがいの患者は罹患前の“Quality of Life”(生活の仕方、質)をそのままもち続けることが出来ます。お医者は俗に「長寿がん」と呼ぶのだそうです。

医者でもない私がちょっと知ったかぶりをするにはわけがあります。

自慢にもなりませんが、私はかつて勤めていた大学の現役教授最後の年(平成911月)に前立腺がんが発見され、退官を待って翌年7月、茨城県立中央病院のがんセンターで全摘手術を受けました。私の場合、当初、初期ガンであり、寸法も小さかったので軽症と考えられていたのですが、この手術の結果わずかながらリンパ節への転移が発見されました。ガンの発生部位によるのでしょが。以来約12年、常に定期的な医療の管理下におかれて今に至っています。その過程で上記QOL(生活の在り方、質)はほとんど変わらず、むしろガンを意識したために「より一層充実した生活」を送れたとすら感じています。別の言い方をすれば、私は生来平凡、精神も肉体もそれほど資質に恵まれている人間ではありませんが、どなたもこのぐらいはいけるということを、臆せずに体験的な話として皆様へ紹介してきました。(転移患者としては少し例外的かもしれないが・・・)

実は、私の病状推移を主治医の先生と患者の関係でスクープした公刊の資料(雑誌:がん最前線 、昨年10月および11月刊)があります。これは罹患した人々を勇気付ける目的で編集・出版されました。

そういうわけで、この約12年間「がん転移患者」であり続け、とにかくやりたい放題の人生を送ってきました。年齢相応ながら体力的にもまあ元気な部類でしょう。そして、ご丁寧にも、その間に胃がん(約6年前)の手術を受けたり、前立腺がんの方の再発問題に対処したりの経験を重ねてきているのですから、ついつい「門前の小僧」を一席ぶつってしまうわけです。

ちなみに、胃がんのときは早期発見で転移はなかったので生命にかかわるリスクはないのですが、それが消化器であるがゆえにずいぶん辛い経験をしています。両方を経験して、今その2つを較べると同じがんでも前立腺がんの方は相対的に心身へのダメージは軽いという印象です。どうぞ気持ちを楽に持って治療に専念して下さい。

私は、それほど楽観的でない性格ですが、その人間がそういうのですから・・・。それに、ガンはその大きさや発見のステージが問題にされますが。なによりも、どの程度Aggressiveな(たちの悪い)ガンであるかが問題です。つまり悪性度のランクに注目すべきです。ご承知でしょうが、グリソンスコアという目安があります。これは生検のときに判定されたはずです。また悪性度は「罹患した年齢」にもよるのだそうで、貴兄が73才の時の罹患であるということは、私のように62歳で罹患した者に較べると進行のリスクが少なく、ずっと気楽で居られるはず。

ところで、私の知人のなかになんと、外国人も含めてこれまで11人も罹患者がいます。( 貴兄は私の頭の中だけの「前立腺ガン組合??」のNo.12  です

その11人の友人との間でいろいろと情報交換しています。治療法は、薬剤、外科手術、放射線照射などさまざまですが、どなたもその後ひどい状態に移行した者はなく、生活内容が大きく変わったとも聞いていません。息災が最上であることは無論ですが、一般に高齢になれば何らかの持病が出るのは避けられないことでしょうから、少々乱暴なことを言えば前立腺がんぐらいならまあまあだということでしょう。

思いつくままに、前後の脈絡ナシに書きまくってしまいましたが、とにかく気を楽にすることによって心身の状態を最上に保つことが最良の結果につながることだけを信じて対処ください。どうぞお大事に。

早々、  KTより

追伸:  病気の症状や経過には常に個人差がつきものですから、一個人の体験がどの程度一般性があるか分かりません。上の情報が自分のガンに参考にならない場合もありますのでお医者さんと注意深く付き合うことが重要になります。

================================