敗戦後の日本でいち早く活気を取り戻したのはデパートでした。華やかな商品が美しい売り場に溢れる様に輝いていたものです。販売員もデパートガールと言い、特別美人で気だても頭も良い子が選ばれて働いていたのです。当時の若い女性の一番の憧れの職場でもあったのです。家族連れにとってはデパートの食堂はたまに行く贅沢な食事所だったのです。美術展もあり、劇場もあります。それは時代を先取りした文化的な空間でした。文化の殿堂でした。そんな時代が経済の高度成長期の始め頃まで続きました。
しかし高度成長期の中ごろになると規模の大きなスーパーや服飾専門の大型店舗が増え、そのうちスケールの大きいアウトレットも出て来ます。デパートだけが文化の殿堂として独占的に繁盛した時代は次第に過ぎて行きました。そのデパートの固有の商品より、テナントのブティックの方に人気が出てきます。
特に1990年以降、長く続く経済不況がさらに追い打ちをかけ、閉店するデパートも出て来ました。しかし昔の栄光を知っている高齢者にとっては、やはりデパートは憧れの場所なのです。出掛けるときは現在でもお洒落な服装をして行きます。
私共が1964年からよく行っていたデパートは「高島屋」です。日本橋、銀座や新宿のデパートへもよく行きましたが最近はもっぱら立川の高島屋です。地下駐車場が広く、売り場が上品で、しかも中央のエスカレーターが上下4台も動いていて便利なのです。今日はその高島屋の写真を撮って来ました。往年の豪華絢爛な商品は少なくなり手頃な値段の商品が増えています。デパートガールも居なくなりました。中年の普通の女性が相手をします。お客もカジュアルな服装です。時代が変わってしまったのです。
こうして時は流れ、全てのものが変化して行くのです。しかしデパートには何か伝統が残っているようです。撮って来た写真を見ると往年の華やかさが確かにあるのです。違う事は街にある専門店やアウトレットにも華やかな店が多数増加した事です。デパートの華やかさが相対的に霞んで来ただけです。少し安堵しました。そんな安堵の気持ちで皆様に写真をいろいろお送り出来ることを嬉しく思います。
今日は立川の国際製菓専門学校の学園祭の一環としていろいろなケーキを美しく作りあげ、展示していました。若い学生さんがニコニコ説明していました。そんな写真も含めて種々の商品の陳列風景もお送りいたします。