150年前には日本の各地で普通に見らていたニホンコウノトリは次第に減少し、1971年に兵庫県の豊岡市で最後の一羽が捕獲されたのを最後に絶滅したと知っていました。
ところが先日多摩動物公園へ行ったら、なんと数十羽が檻の中を元気に飛び回っているではありませんか?まったく、これほど驚き、同時に心豊かになる経験をした事はありません。
帰宅して調べて見たら、多摩動物公園ではロシアや中国から輸入したニホンコウノトリを飼育して、1988年以降に100羽以上へ繁殖させたそうです。そんなに繁殖したなら佐渡のトキのように野山へ放鳥し、野生化すれば良いと思いました。
しかし現在の日本の環境では放鳥しても生き延びないと考えられているようです。
動物園は、昔日本に沢山居たが絶滅した動物を繁殖し、保存する役目があるのですね。その目的があるのならニホンオオカミも何とか出来なかったのでしょうか?
それにしても多摩動物公園のニホンコウノトリの繁殖と保護の成功へ心からの賛辞をお送り致します。
他にも絶滅動物や昆虫の、繁殖と保護に成功してるものもあると思います。少し詳しく調べて見ます。もし分かったら続篇としてご報告致します。
以下に国の情報機関から出されているニホンコウノトリに関する参考資料を添付致します。
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ニホンコウノトリ野生復帰計画と獣医師の関与http://ci.nii.ac.jp/naid/110002683112http://ci.nii.ac.jp/naid/110002683112
ニホンコウノトリ(Ciconia boyciana)は, 150年ほど前までは日本中でごく普通に見られた野鳥であった。しかし, 1971年に兵庫県豊岡市で野生最後の個体が捕獲されたことで, わが国のニホンコウノトリの地域個体群は消滅した。まれに迷鳥として中国大陸から渡ってくることはあるが, 残念ながら定着して繁殖することはない。この鳥が絶滅した主な原因は, 明治時代以降の狩猟による乱獲, 戦時中の営巣木の伐採, 農業改良による生息地の減少, 農薬による餌の汚染, 小個体群内で生じた遺伝的問題などであると考えられている。同様の現象は, 現在の野生ニホンコウノトリの生息地である中国やロシアでも進行しており, 種の存続自体が危ぶまれている。ニホンコウノトリの飼育下繁殖は, 野生個体が11羽となった1965年に兵庫県豊岡市で始まった。さまざまな努力にも関わらず, 日本産のコウノトリの繁殖は成功に至らなかったが, 中国やロシアから若い個体を導入して飼育下繁殖を試みた結果, 1988年に待望のヒナが誕生した。以後, 国内の3施設で順調に繁殖し飼育個体数が増加している。野生復帰計画を具体的にすすめるために, 1992年から専門家による委員会が設置された。遺伝的管理下でより多くの個体を飼育・繁殖させ, 野生復帰の訓練を行う新たな施設も建設される予定である。しかし, 野生復帰までにはまだ多くの問題がある。生息環境の保全は第一の課題である。たとえば, 飛行時の事故原因となる高圧電線への対策, 餌場となる水田の無農薬もしくは減農薬化, 湿地の確保, そして人工巣塔の設置なども考慮しなければならない。地域住民への啓発も大切である。獣医師が本計画に関われる分野は, 飼育下での疾病治療や予防のみならず, 環境保全を含めたはば広いものであると考える。わが国で今後も進展すると思われる各種希少動物の野生復帰計画を成功に導くため, 日本の獣医学は野生生物保護にも積極的に貢献していく必要があろう。
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