安倍総理が米国の議会で演説しました。私は歴史的な名演説であったと思っています。戦争中に中国の蒋介石が米国議会で演説し、アメリカの強大な支援を勝ち取った演説と同じ様に日米関係に大きな影響をもたらす内容でした。
この演説については昨日、今日と新聞がいろいろな評価を大きく報じています。しかし話題の中心が、「反省はしたが謝罪はしていない」という問題です。実は演説の内容は多岐にわたり、安保関連法案を夏までに国会を通過させる、中国の海洋進出をアメリカと協力して阻止する、アメリカ主導のTPPへは協力する、そして日米同盟は「希望の同盟」とうたいあげたのです。
安倍総理の偉いところは外務省や経済産業省のお役人の言うことをよく勉強しているように感じられるところです。その結果を演説の内容へ反映しているような感じがしました。
第二次大戦では日本とアメリカは熾烈に戦い双方で残虐行為もしました。その事実を直視し反省していると言うのです。そして昨夜の晩餐会では日本軍の残虐行為として有名な「バターン死の行軍」の生き残りの元米兵を招待して言葉を交わしたのです。
バターン死の行軍だけを具体的に取り上げ、日米双方がすぐに感情的になる真珠湾攻撃と広島、長崎への原爆投下を取り上げなかったことは実に賢明でした。その上でアメリカの戦没者の碑に花輪を捧げ敬意を表したのです。
今度の演説は英語でしました。アメリカ人は英語の話せない人を本能的に差別します。外務省のお役人がそのことを説明したに違いありません。
そして第二次大戦で大きな苦しみを与えたことを直視して痛切に反省しますと言明しました。米国議会の議員たちが安倍総理の演説中に12回も立ち上がって拍手をしたそうです。このことは今回の演説は大成功だったことの証左です。
戦争の犠牲になったアメリカ兵を思い反省します。しかし謝罪はしません。欧米文化圏ではこれで充分なのです。ドイツの元大統領のヴァイツゼッカー氏はドイツが行った人道に反する数々の残虐行為を徹底的に具体的に書きあげて被害者へ同情し、心を寄せています。
しかし安倍総理はそれをしませんでした。戦争の犠牲になったアメリカ兵を悼み反省しました。それでアメリカ人は満足したのです。
しかし中国と韓国は、日本が侵略し多くの人々を虐殺したので、反省と謝罪をしますという表現が無い限り満足しません。
侵略、残虐行為、痛切な反省、謝罪という漢字での表現が無い限り絶対に受け入れないのです。これは中国文化圏に特有なことなのです。「悪い事をしたら潔く謝罪する」というのが美徳とされている文化圏なのです。
キリスト教文化圏では謝罪は神へ対して行います。人間が口先だけで謝る行為の意味に疑問を感じるのです。それはドイツの元大統領のヴァイツゼッカー氏の演説でも明快です。犠牲者とその家族の大きな悲しみに心を寄せ深刻な同情をしましたが、謝罪はしていません。そして全ての罪は個人が犯すものです。このように言っています。西洋文化と東洋文化の違いです。
安倍総理の演説に欠けているところは東洋文化に対する深い洞察の無いことです。そんなことを考えさせる内容でした。アメリカの新聞が中国や韓国の不満を書いているのが興味深い現象です。 今日の挿絵の写真は昨日撮って来た山藤の花の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
この演説については昨日、今日と新聞がいろいろな評価を大きく報じています。しかし話題の中心が、「反省はしたが謝罪はしていない」という問題です。実は演説の内容は多岐にわたり、安保関連法案を夏までに国会を通過させる、中国の海洋進出をアメリカと協力して阻止する、アメリカ主導のTPPへは協力する、そして日米同盟は「希望の同盟」とうたいあげたのです。
安倍総理の偉いところは外務省や経済産業省のお役人の言うことをよく勉強しているように感じられるところです。その結果を演説の内容へ反映しているような感じがしました。
第二次大戦では日本とアメリカは熾烈に戦い双方で残虐行為もしました。その事実を直視し反省していると言うのです。そして昨夜の晩餐会では日本軍の残虐行為として有名な「バターン死の行軍」の生き残りの元米兵を招待して言葉を交わしたのです。
バターン死の行軍だけを具体的に取り上げ、日米双方がすぐに感情的になる真珠湾攻撃と広島、長崎への原爆投下を取り上げなかったことは実に賢明でした。その上でアメリカの戦没者の碑に花輪を捧げ敬意を表したのです。
今度の演説は英語でしました。アメリカ人は英語の話せない人を本能的に差別します。外務省のお役人がそのことを説明したに違いありません。
そして第二次大戦で大きな苦しみを与えたことを直視して痛切に反省しますと言明しました。米国議会の議員たちが安倍総理の演説中に12回も立ち上がって拍手をしたそうです。このことは今回の演説は大成功だったことの証左です。
戦争の犠牲になったアメリカ兵を思い反省します。しかし謝罪はしません。欧米文化圏ではこれで充分なのです。ドイツの元大統領のヴァイツゼッカー氏はドイツが行った人道に反する数々の残虐行為を徹底的に具体的に書きあげて被害者へ同情し、心を寄せています。
しかし安倍総理はそれをしませんでした。戦争の犠牲になったアメリカ兵を悼み反省しました。それでアメリカ人は満足したのです。
しかし中国と韓国は、日本が侵略し多くの人々を虐殺したので、反省と謝罪をしますという表現が無い限り満足しません。
侵略、残虐行為、痛切な反省、謝罪という漢字での表現が無い限り絶対に受け入れないのです。これは中国文化圏に特有なことなのです。「悪い事をしたら潔く謝罪する」というのが美徳とされている文化圏なのです。
キリスト教文化圏では謝罪は神へ対して行います。人間が口先だけで謝る行為の意味に疑問を感じるのです。それはドイツの元大統領のヴァイツゼッカー氏の演説でも明快です。犠牲者とその家族の大きな悲しみに心を寄せ深刻な同情をしましたが、謝罪はしていません。そして全ての罪は個人が犯すものです。このように言っています。西洋文化と東洋文化の違いです。
安倍総理の演説に欠けているところは東洋文化に対する深い洞察の無いことです。そんなことを考えさせる内容でした。アメリカの新聞が中国や韓国の不満を書いているのが興味深い現象です。 今日の挿絵の写真は昨日撮って来た山藤の花の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)