後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

歴史の曲がり角にある日本・・・安保法案の閣議決定

2015年05月15日 | 日記・エッセイ・コラム
今回の安保法案の閣議決定と昨日の安倍総理の40分にわたるテレビ会見をみると、日本は歴史の曲がり角にあることがしみじみと理解できます。
自衛隊に関して10もある現在の法律を一括して改正してアメリカとその同盟軍の後方支援を地域を限定しないで全世界に自衛隊を派遣して行えるように改正するのです。
そしてアメリカ軍が中国や北朝鮮から武力攻撃を受けたら、場合によっては自衛隊も反撃できるように改正するのです。その上、国連のPKO部隊ならどこの国の部隊でも援助や救出が出来るようにしたのです。
この改正によって軍事同盟の「北大西洋条約機構」に加盟しているドイツの活動とほぼ同じになったのです。
ですから日本はドイツのような普通の独立国に近づいたという理解も出来ます。
これまで自衛隊の関する法律は10もありその運用は複雑でした。この自衛隊法には専門用語が多くて理解困難だと言われています。従って今回の改正案も専門用語が多くて分かりにくいと言われています。
しかし簡略に言えば、安保法案を一括して改正して、自衛隊をもっと自由に使い国際紛争の解決に貢献させようという改正なのです。そして自衛隊の活動は日米安保条約によってアメリカを支援することを重視しますから、アメリカの仮想敵国のロシアと中国が相手になる傾向があります。そしアメリカが敵視がしているイスラム過激派も対称になります。
これが安倍総理の言う積極的平和主義なのでしょう。
先のアメリカ議会における安倍総理の演説と今回の安保法案の閣議決定を考えると日本は戦後70年目にして歴史の曲がり角をまがったとしみじみ感じざるを得ません。
思えば戦後70年、日本はアメリカ軍に守られてきました。その歴史を変えて日本もアメリカと可能な限り対等な独立国として共同で日本の安全を守るという国家方針に変えつつあるのです。
今回の改正の意味は国際的に見て日本が普通の独立国に近づいたということになります。
日本には米軍基地があります。ドイツにも米軍基地があります。しかし日本とドイツの違いは簡単です。アメリカのベトナム戦争でも湾岸戦争でもドイツは軍隊を出して血を流しました。日本はPKO活動以外は自衛隊を出しません。この戦後70年の歴史を変えようとするのが安倍内閣なのです。
安倍総理が就任早々。「戦後レジームからの脱却」を高らかに宣言したのですが、今、その意味が明らかになったのです。戦後に、アメリカだけに守って貰っていた日本の安全を日本自身もアメリカと対等に協力して守りますという結意の表明だったのです。
その意味をアメリカ側が誤解して「戦後のアメリカの占領政策の避難」と理解したのです。当然アメリカは露骨に不快感を表明します。するととたんに安倍総理は「戦後レジームからの脱却」いう言葉を一切使わなくなりました。
さてそれはそれとして、今回の安保法案の閣議決定で日本の安全は本当に守られるのでしょうか?
世界が経済的にこれだけ深い交流をしている現在は大規模な戦争が起きる可能性は少ないと思われます。しかし比較的に小規模な戦争はあちこちで頻繁に起きています。それに対して要件がそろえっば自衛隊も行きます。犠牲者が出ると覚悟すべきではないでしょうか?
日本が戦争に巻き込まれる可能性が増えたと考えるのが自然な理解ではないでしょうか?

このような種々の問題に対して様はどのようにお考えなのでしょうか。
本当に難しい問題です。今日の挿絵の写真は先週訪れた八ヶ岳の松原湖の風景写真です。

今日はこのように山紫水明の美しい日本がいつまでも平和であるように心からお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)