明治維新以来一度も挫折したことの無かった大日本帝国が1945年8月15日に瓦解しました。日本人は茫然とし、自信を失い、やがて何故そうなったのかを考え出しました。それは人間の自然な心情です。朝鮮を合併し、中国を侵略し、南洋にあった欧米の植民地を占領したことを後悔するのも自然な心情です。
この自然な考え方が最近急に、「自虐史観」であり間違った考え方だと言う人々が増えてきたのです。
さてそれでは武力行使の純粋な反省がどのような経緯でなされて来たのでしょうか?
そして最近何故、その反省が自虐的だと批判されるようになって来た原因は何でしょうか?
日本人の突き詰めた反省は以下のような2つの大きな原因があるのではないかと想像出来ます。
一つはアメリカ占領軍が軍国主義を抹殺するような学校教育を指導したことです。私は墨を塗った教科書を忘れません。
その意図は、日本人がアジア諸国を侵略したのは絶対的な悪として教育しようとしたのです。
二つ目は共産主義の影響を受けた日教組が学校教育の現場を支配し、戦前の日本の武力侵略を非難する教育を行ったことでしょう。
いわゆる自虐的な考え方が社会に定着するには以上の2つ以外にも種々の原因や背景があるのが自然です。そしていつの世にも違った考えを持つ人々も必ずいます。その存在は貴重なものですが今日の考察では割愛させて頂きます。
それはさておき、考察をさらに一歩進めます。
二つ目の共産主義の影響は学校の現場だけでなかったのです。マスコミも影響を受けていたのです。
例えばある大新聞の記者達は日本軍の残虐行為を誇大に新聞記事として書きたてました。そして多くの本を出版しました。社会はそのような本を受け入れ、良く売れたのです。それは1960年代や1970年代のことでした。
その出版物の文章には日本人をおとしめるような自虐的な表現があったのです。最近、再び軍備強化と海外派兵の準備をしはじめるとこの自虐的な考え方を攻撃したい人が増えて来たのです。
さてそれでは何故、日本では「自虐的なまでの深い反省」が蔓延したのでしょうか?
その原因は以下のように幾つもあると考えられます。そしてその原因同士が複雑に作用し合って起きた日本固有の社会現象だったと私は理解しています。
(1)中国共産党が強大な日本軍を打ち破って「中華人民共和国」を作り上げたという政治的な表現が中国で使われています。
従って日本軍の残虐行為の宣伝は共産党独裁の維持のため続行しなければならない政治宣伝なのです。宣伝効果を上げるために残虐行為は次第に大げさになって行きます。残念ながら、これも人間の自然な感情です。
(2)日本を占領したアメリカが日本の真珠湾攻撃を卑怯だと何度も日本人を攻撃しました。そしてフィリッピンのバターン死の行軍を残虐行為と非難します。その上、九州大学で行ったB29搭乗員の生体解剖の事実を残虐だと非難しました。
(3)イギリスも泰緬鉄道の建設の際、日本軍がイギリス兵を酷使したと非難し、映画まで出来ました。
(4)戦後、日本に残留した韓国人や北朝鮮系の人々が戦争中に日本人から受けた非道な取扱いの意趣返しに、強制連行や強制労働をさせられたと誇大に書きたてたのです。それも人間の心情として自然なものでしょう。
(5)そしてこれが日本固有の現象ですが、日本のインテリや評論家や作家が戦争を賛美した自責の念のあまり、戦前の日本軍の残虐行為を書きたて、自分だけが罪を逃れようとしたのです。
戦争中は彼等も日本軍の連戦連勝を喜んでいたのです。真珠湾攻撃に喝采していたのです。少なくとも少年だった私は日本軍の連勝を嬉しく思っていました。
このように戦前、戦後の日本には本当にいろいろなことがあったのです。
戦後70年のある時代に「自虐的に見える歴史観」が日本の社会に定着していた原因は単純なものではなかったのです。
日本は現在、再び軍備を強化し、海外派兵を行う準備をしています。それも時代の風潮なのでしょう。
しかし何故、戦争への深い反省が、最近になって自虐的であると非難されるようになったのかを丁寧に考えることが日本の将来の平和のために非常に重要なことではないでしょうか。
挿絵の写真は、東京都薬用植物園で5月27日 に撮った花の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
この自然な考え方が最近急に、「自虐史観」であり間違った考え方だと言う人々が増えてきたのです。
さてそれでは武力行使の純粋な反省がどのような経緯でなされて来たのでしょうか?
そして最近何故、その反省が自虐的だと批判されるようになって来た原因は何でしょうか?
日本人の突き詰めた反省は以下のような2つの大きな原因があるのではないかと想像出来ます。
一つはアメリカ占領軍が軍国主義を抹殺するような学校教育を指導したことです。私は墨を塗った教科書を忘れません。
その意図は、日本人がアジア諸国を侵略したのは絶対的な悪として教育しようとしたのです。
二つ目は共産主義の影響を受けた日教組が学校教育の現場を支配し、戦前の日本の武力侵略を非難する教育を行ったことでしょう。
いわゆる自虐的な考え方が社会に定着するには以上の2つ以外にも種々の原因や背景があるのが自然です。そしていつの世にも違った考えを持つ人々も必ずいます。その存在は貴重なものですが今日の考察では割愛させて頂きます。
それはさておき、考察をさらに一歩進めます。
二つ目の共産主義の影響は学校の現場だけでなかったのです。マスコミも影響を受けていたのです。
例えばある大新聞の記者達は日本軍の残虐行為を誇大に新聞記事として書きたてました。そして多くの本を出版しました。社会はそのような本を受け入れ、良く売れたのです。それは1960年代や1970年代のことでした。
その出版物の文章には日本人をおとしめるような自虐的な表現があったのです。最近、再び軍備強化と海外派兵の準備をしはじめるとこの自虐的な考え方を攻撃したい人が増えて来たのです。
さてそれでは何故、日本では「自虐的なまでの深い反省」が蔓延したのでしょうか?
その原因は以下のように幾つもあると考えられます。そしてその原因同士が複雑に作用し合って起きた日本固有の社会現象だったと私は理解しています。
(1)中国共産党が強大な日本軍を打ち破って「中華人民共和国」を作り上げたという政治的な表現が中国で使われています。
従って日本軍の残虐行為の宣伝は共産党独裁の維持のため続行しなければならない政治宣伝なのです。宣伝効果を上げるために残虐行為は次第に大げさになって行きます。残念ながら、これも人間の自然な感情です。
(2)日本を占領したアメリカが日本の真珠湾攻撃を卑怯だと何度も日本人を攻撃しました。そしてフィリッピンのバターン死の行軍を残虐行為と非難します。その上、九州大学で行ったB29搭乗員の生体解剖の事実を残虐だと非難しました。
(3)イギリスも泰緬鉄道の建設の際、日本軍がイギリス兵を酷使したと非難し、映画まで出来ました。
(4)戦後、日本に残留した韓国人や北朝鮮系の人々が戦争中に日本人から受けた非道な取扱いの意趣返しに、強制連行や強制労働をさせられたと誇大に書きたてたのです。それも人間の心情として自然なものでしょう。
(5)そしてこれが日本固有の現象ですが、日本のインテリや評論家や作家が戦争を賛美した自責の念のあまり、戦前の日本軍の残虐行為を書きたて、自分だけが罪を逃れようとしたのです。
戦争中は彼等も日本軍の連戦連勝を喜んでいたのです。真珠湾攻撃に喝采していたのです。少なくとも少年だった私は日本軍の連勝を嬉しく思っていました。
このように戦前、戦後の日本には本当にいろいろなことがあったのです。
戦後70年のある時代に「自虐的に見える歴史観」が日本の社会に定着していた原因は単純なものではなかったのです。
日本は現在、再び軍備を強化し、海外派兵を行う準備をしています。それも時代の風潮なのでしょう。
しかし何故、戦争への深い反省が、最近になって自虐的であると非難されるようになったのかを丁寧に考えることが日本の将来の平和のために非常に重要なことではないでしょうか。
挿絵の写真は、東京都薬用植物園で5月27日 に撮った花の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)