9月12日に「自衛隊のヘリコプターによる救助活動と、ある共産主義者の過酷な一生」と題する記事を掲載しました。とても反響が多く、特に趣味人倶楽部では1123件のアクセスがあり、共産主義へ対するコメントも40件ありました。
コメントは質の高いものが沢山ありました。私の共産主義に対する無知を思い知らされました。これ以上、何も知らない私が共産主義のことを書くべきでないと数日、逡巡していました。
しかし頂いたコメントの中に共産主義の功罪を大変客観的に明りやすく書いて下さったものがありました。ご本人の許可を得ましたので下に引用いたします。それをキッカケにして素人の雑談を書いてみたいと思います。
====どらえもんさんからのコメント: 2015/09/12 =======
なかなか的を射た内容に感心しました。
災害時の自衛隊の活躍には本当に感謝しました。私も石巻のボランティア活動に数回参加しましたが、自衛隊の皆さんの職業としての献身的な活動に敬服いたしました。日本にはこういう組織・集団は必要だと実感しました。
私も歴史好きで、近代から現代にかけての資本主義の発達と産業革命がもたらした光と影をつぶさに学んできたつもりですが、その産物としてのアンチテーゼが共産主義だったのではないかと思います。
また人間の歴史における様々な喜怒哀楽や悩み、神秘、不合理、幸せなど、科学では説明できない事柄・現象にたいして人間は神や哲学を考え出したのだろうと思います。
共産主義も宗教も一見相反する思想と言われていますが、これも人類が生活し生きてきた歴史の自然なアンチテーゼなのかも知れません。
具体的な例を申し上げますと、、、
イギリスの産業革命で飛躍的に生産効率が向上し人類の生活や経済が豊かになったのは確かですが、その陰で過酷な労働条件や非人間的な差別・階層(階級)や不正・不公平が生まれ、労働者らは虐げられたのです。資本主義がそのまま順調に発展していったならば人類は恐らく古代ローマ帝国の様な市民と奴隷のように2極化した格差・差別社会のままになってしまっただろうと思います。
そんな時代に生まれ、その光景を見たF・エンゲルスやカール・マルクスが当時の経済構造や産業の仕組み、特に資本(お金)、資本主義の本質を深く研究した、、、このことは人類にとってエポックメイキングな事だったはずです。
お金持ちは更に豊かになり、貧乏人は益々貧しく使い捨てにされていく。強いものが支配し弱いものは永遠に虐げられ差別される、、、そんな社会が当たり前と思われていた時代に、、、敢然と「否」を唱え、弱者を救う学術的、哲学的、経済的理論を堂々と構築し、それを証明した。素晴らしい事だと思います。ロバート・オーエンなどが成し遂げられなかった事をこの地上で実現しようとする理論だったのだろうと思います。
おかげで労働組合が生まれ、12時間労働から解放され、少年や婦女子の過酷な労働も禁止されるようになりました。
後に資本主義国家では、最低賃金法や独占禁止法、言論・集会・結社、出版、思想信条の自由などが歴史の進歩とともに次々と生まれてきた、、、、これらはすべては共産主義に対抗しようとした資本主義の改良の産物だと思います。
当時はまだキリスト教などの教会や法王、宗教の支配力が強く、不合理な事にも文句が言えず、思想信条の自由がない、魔女狩りなどが平気で行われた時代です。宗教が「アヘン」と言うのは、そうした不合理な物事に対して盲目的に従う信者が多かったからですね。もっと合理的で科学的な「目」を持つようにしよう、という意味で使った言葉だろうと思います。
ただ、時に耐えきれない痛みや大手術の時には医者が麻酔を打ちますね、あれもありかと思います、、、人生山あり谷あり、いろいろ悩む事や苦しむ事あると思います、、そんな時に心を癒してくれる存在、痛みを和らげたり解放してくれる存在、、それが宗教としての麻酔薬(アヘン)なのかも知れませんね。
ただそれを悪用する人がいることも事実ですね。カルト教団みたいなのが多く存在しますね。
要するに、人間は弱い存在だという事でしょう、お金や経済的利権などをむさぼろうとする心が弱い存在なのかもしれません。
だからアンチテーゼは必ず発生するんだと思います。
宗教も共産主義も似たようなところがあります。スターリンや毛沢東のような人間もいました。しかし、歴史的には未熟な人類しかいません、理論通りには行きません、必ず「欲」や「野心」「野望」というものが今の到達点の人類には存在します。
もっともっと人類は進化しないとね、と思うこの頃です。
長くなって失礼しました。 (終り)
そして、のりまきさんが、書いて下さっています。
====のりまきさんのコメント: 2015/09/12 =========
共産主義に対立するのは、資本主義だと思いますが、何故か自由主義を対立軸にする方が多くいます。
それは、僕みたいな門外漢が見ても、共産主義は一党独裁で他の政党を認めず、国の行く末も一党内で決められる。一党の党員でないと国の行く末を選択する自由がなく、計画経済のもと自らの職業選択の自由さえ保証されません。
そうなっていく一面を持った思想なんだと思います。
人の幸福の最たるものは、お金を持つものでも、権力を持つものでもなく、自由にどこへでも行け、なんでも食べられ、誰とでも交流できる自由だと思います。
結果はどうあれ、自分の裁量で自分の人生を歩めたら、それに勝るものはないのではないかな。(以下省略いたします。)
以上の2つのコメントを見ると共産主義の功はイギリスの産業革命の結果生じた過酷な労働条件が改善されたことです。他にもいろいろあるでしょうが労働組合が出来、労働者の人権が守られるようになったことも大きな功績です。
一方共産主義に従って革命を起こしたロシアや中国の社会をみると共産党独裁が故に言論・集会・結社、出版、思想信条の自由が無いのです。少しは自由ですが共産党以外の政党は認められず国民は共産党員の言う通り従わなければなりません。
従わなければ逮捕され収容所は送らます。スターリンの君臨していたソ連では何百万人もの人が犠牲になったのです。「収容所列島」という本が出版され著者はノーベル平和賞を受賞しました。中国も同様です。毛沢東の発動した文化大革命では数十万人の人民が命を落とし、何千万人の人民が農村へ追いやられ辛酸をなめたのです。
よく人はマルクスやエンゲルスの共産主義は理論としては正しいと言います。それを私利私欲の人間世界に応用して革命を起こせば独裁政権が出来上がります。言論・集会・結社、出版、思想信条の自由が無い社会が出来るのです。それはマルクスやエンゲルスの共産主義の理論に大きな欠陥があったと解釈させても仕方の無いことです。その理論が私欲の溢れるこの世ではうまく作動しなかったのです。理論に脆弱性があったのではないでしょうか。革命が成功した後の共産党独裁を認める理論に限界があったのでしょう。
またいろいろなコメントでご指導のほどをお願い申しあげます。今日の挿絵の写真は小平市ふるさと村近辺で撮った秋の草花です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
コメントは質の高いものが沢山ありました。私の共産主義に対する無知を思い知らされました。これ以上、何も知らない私が共産主義のことを書くべきでないと数日、逡巡していました。
しかし頂いたコメントの中に共産主義の功罪を大変客観的に明りやすく書いて下さったものがありました。ご本人の許可を得ましたので下に引用いたします。それをキッカケにして素人の雑談を書いてみたいと思います。
====どらえもんさんからのコメント: 2015/09/12 =======
なかなか的を射た内容に感心しました。
災害時の自衛隊の活躍には本当に感謝しました。私も石巻のボランティア活動に数回参加しましたが、自衛隊の皆さんの職業としての献身的な活動に敬服いたしました。日本にはこういう組織・集団は必要だと実感しました。
私も歴史好きで、近代から現代にかけての資本主義の発達と産業革命がもたらした光と影をつぶさに学んできたつもりですが、その産物としてのアンチテーゼが共産主義だったのではないかと思います。
また人間の歴史における様々な喜怒哀楽や悩み、神秘、不合理、幸せなど、科学では説明できない事柄・現象にたいして人間は神や哲学を考え出したのだろうと思います。
共産主義も宗教も一見相反する思想と言われていますが、これも人類が生活し生きてきた歴史の自然なアンチテーゼなのかも知れません。
具体的な例を申し上げますと、、、
イギリスの産業革命で飛躍的に生産効率が向上し人類の生活や経済が豊かになったのは確かですが、その陰で過酷な労働条件や非人間的な差別・階層(階級)や不正・不公平が生まれ、労働者らは虐げられたのです。資本主義がそのまま順調に発展していったならば人類は恐らく古代ローマ帝国の様な市民と奴隷のように2極化した格差・差別社会のままになってしまっただろうと思います。
そんな時代に生まれ、その光景を見たF・エンゲルスやカール・マルクスが当時の経済構造や産業の仕組み、特に資本(お金)、資本主義の本質を深く研究した、、、このことは人類にとってエポックメイキングな事だったはずです。
お金持ちは更に豊かになり、貧乏人は益々貧しく使い捨てにされていく。強いものが支配し弱いものは永遠に虐げられ差別される、、、そんな社会が当たり前と思われていた時代に、、、敢然と「否」を唱え、弱者を救う学術的、哲学的、経済的理論を堂々と構築し、それを証明した。素晴らしい事だと思います。ロバート・オーエンなどが成し遂げられなかった事をこの地上で実現しようとする理論だったのだろうと思います。
おかげで労働組合が生まれ、12時間労働から解放され、少年や婦女子の過酷な労働も禁止されるようになりました。
後に資本主義国家では、最低賃金法や独占禁止法、言論・集会・結社、出版、思想信条の自由などが歴史の進歩とともに次々と生まれてきた、、、、これらはすべては共産主義に対抗しようとした資本主義の改良の産物だと思います。
当時はまだキリスト教などの教会や法王、宗教の支配力が強く、不合理な事にも文句が言えず、思想信条の自由がない、魔女狩りなどが平気で行われた時代です。宗教が「アヘン」と言うのは、そうした不合理な物事に対して盲目的に従う信者が多かったからですね。もっと合理的で科学的な「目」を持つようにしよう、という意味で使った言葉だろうと思います。
ただ、時に耐えきれない痛みや大手術の時には医者が麻酔を打ちますね、あれもありかと思います、、、人生山あり谷あり、いろいろ悩む事や苦しむ事あると思います、、そんな時に心を癒してくれる存在、痛みを和らげたり解放してくれる存在、、それが宗教としての麻酔薬(アヘン)なのかも知れませんね。
ただそれを悪用する人がいることも事実ですね。カルト教団みたいなのが多く存在しますね。
要するに、人間は弱い存在だという事でしょう、お金や経済的利権などをむさぼろうとする心が弱い存在なのかもしれません。
だからアンチテーゼは必ず発生するんだと思います。
宗教も共産主義も似たようなところがあります。スターリンや毛沢東のような人間もいました。しかし、歴史的には未熟な人類しかいません、理論通りには行きません、必ず「欲」や「野心」「野望」というものが今の到達点の人類には存在します。
もっともっと人類は進化しないとね、と思うこの頃です。
長くなって失礼しました。 (終り)
そして、のりまきさんが、書いて下さっています。
====のりまきさんのコメント: 2015/09/12 =========
共産主義に対立するのは、資本主義だと思いますが、何故か自由主義を対立軸にする方が多くいます。
それは、僕みたいな門外漢が見ても、共産主義は一党独裁で他の政党を認めず、国の行く末も一党内で決められる。一党の党員でないと国の行く末を選択する自由がなく、計画経済のもと自らの職業選択の自由さえ保証されません。
そうなっていく一面を持った思想なんだと思います。
人の幸福の最たるものは、お金を持つものでも、権力を持つものでもなく、自由にどこへでも行け、なんでも食べられ、誰とでも交流できる自由だと思います。
結果はどうあれ、自分の裁量で自分の人生を歩めたら、それに勝るものはないのではないかな。(以下省略いたします。)
以上の2つのコメントを見ると共産主義の功はイギリスの産業革命の結果生じた過酷な労働条件が改善されたことです。他にもいろいろあるでしょうが労働組合が出来、労働者の人権が守られるようになったことも大きな功績です。
一方共産主義に従って革命を起こしたロシアや中国の社会をみると共産党独裁が故に言論・集会・結社、出版、思想信条の自由が無いのです。少しは自由ですが共産党以外の政党は認められず国民は共産党員の言う通り従わなければなりません。
従わなければ逮捕され収容所は送らます。スターリンの君臨していたソ連では何百万人もの人が犠牲になったのです。「収容所列島」という本が出版され著者はノーベル平和賞を受賞しました。中国も同様です。毛沢東の発動した文化大革命では数十万人の人民が命を落とし、何千万人の人民が農村へ追いやられ辛酸をなめたのです。
よく人はマルクスやエンゲルスの共産主義は理論としては正しいと言います。それを私利私欲の人間世界に応用して革命を起こせば独裁政権が出来上がります。言論・集会・結社、出版、思想信条の自由が無い社会が出来るのです。それはマルクスやエンゲルスの共産主義の理論に大きな欠陥があったと解釈させても仕方の無いことです。その理論が私欲の溢れるこの世ではうまく作動しなかったのです。理論に脆弱性があったのではないでしょうか。革命が成功した後の共産党独裁を認める理論に限界があったのでしょう。
またいろいろなコメントでご指導のほどをお願い申しあげます。今日の挿絵の写真は小平市ふるさと村近辺で撮った秋の草花です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)