民主党のオバマ大統領は8年間の大統領としての任期の間に数々の業績を残しました。しかし、来年1月には共和党のトランプ氏がアメリカの大統領に就任します。
オバマ大統領は就任早々、ポーランドで「核兵器の無い世界」を目指すという演説を行い、ノーベル平和賞を受賞しました。そして今年は広島の原爆犠牲者の慰霊式に出席したのです。2011年にはイラク戦争終結宣言をし、昨年はキューバとの国交回復をしました。国内では経済的に恵まれていない弱者に対して健康保険を与える、所謂、オバマケアを実施しました。
オバマさんは平和主義的で弱者にやさしいリベラルな大統領でした。
ところがそれとは対照的に、何事においても強腰なトランプ氏が大統領になるのです。国際協調を捨て、アメリカ一国だけの利益を優先すると言明しています。オバマさんが進めてきたTPPからも、すかさず脱退すると宣言しています。不法移民の強制送還も公言し、メキシコ人を貶める発言をしています。そしてオバマケアは改訂して縮小するとも言っています。
日米安保に関しても日本を突き離すような発言をしています。日本が今迄通りアメリカ軍によって守って貰いたいならもっとお金を出せと言うのです。
その上、アメリカはロシアとの関係を改善するという方針です。これでは日本はロシアと独自に対峙しろと言わんばかりです。強気になったロシアは北方四島に関する交渉に歯牙もかけなくなりました。
このようなトランプ氏の発言の影響は甚大です。多くの日本人が日本の防衛は自分で行うべきだと考えるようになったのです。
日本の安全は自衛隊だけで守るべきと考える人が急に増えたようです。
しかし自衛隊だけで守るという考えは非常に非現実的です。やはり日米安保を一層強化して、駐留米軍の力を借りなければいけないことは良識のある人々の認めていることです。
このように現実は厳しいものですが、精神の上だけでは、日本は真の独立国家として自主防衛をすべしという思想を夢見る人が急に増加したようです。
このような日本人の考え方の変化は、日本人の戦争観も大きく変えつつあると考えられます。
安倍政権が安保法案を改正して海外派兵が出来るようにしました。そして米軍との共同作戦の緊密化も進めました。
これとトランプ氏の出現を受けて多くの日本人の戦争観が変わったのです。
勿論、日本人の戦争観は敗戦後から次第、次第に少しずつ変わってきたというのが正しい言い方です。
しかしその変化がマスコミやインターネットの上で顕在化したのは安保法案の改正とトランプ氏の出現がキッカケになったことは否めません。
安保法の改正案の審議中の国会議事堂を15万人もの反対デモが取り囲んだ事実は外国のマスコミでは報道されたそうです。その写真をインターネットで私も見ましたが、15万人とは分かりませんが兎に角すごい人数のデモが国会を取り囲んでいました。この大規規模なデモの写真を日本のマスコミはほとんど報道しませんでした。
これらのことから私は日本の新聞やテレビが安倍政権を支援することに潮流を変えたと理解しました。
日本は敗戦後、軍備を放棄し、全ての戦争をしない国家として再出発したのです。
その戦争放棄は国民に熱狂的に歓迎されたのです。決してアメリカ占領軍の押し付けではなかったのです。戦争放棄は全国民の希望でした。
しかしその後70年経過して日本人の戦争観は他の国々の国民と同じように戦争は必要だという考え方に変わったのです。自衛のための戦争は必要だと変わったのです。他国に侵略されないためには軍備を強化すべしと変わったのです。
そして日本が朝鮮を併合し、中国を侵略し、満州国を作ったのも自衛のための正しいことだったと主張する人が増えたのです。
日清戦争も日露戦争も満州事変も日中戦争も太平洋戦争もすべて正しい戦争だったと考えるようになって来たのです。
この戦争観の変化は日本の運命にどのような結果をもたらすでしょうか?勿論、私にも分かりません。
ただ敗戦直後の日本の社会の風潮は戦争放棄に熱く染まっていたのです。
そして国が敗れても下の漢詩の「国破れて山河在り」を合言葉のようにして復興と工業技術の向上に邁進したのです。
戦争で散った300万人もの犠牲を無駄にしないためにも絶対に日本を一流国家にしようと努力したのです。
今年も暮れにあたり、敗戦直後の日本の社会の雰囲気をあれこれ想い、トランプ大統領のアメリカの将来を考えています。
下に杜甫(712-770年)の漢詩を示します。
「春 望」
(五言律詩。長安の賊中にあって、春の眺めを述べる。)
国破山河在 国破れて山河在り
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火 三月に連なり
家書抵万金 家書 万金に抵る
白頭掻更短 白頭 掻けば更に短く
渾欲不勝簪 渾て簪に勝えざらんと欲す
(上の意訳の出典は、http://www.kangin.or.jp/what_kanshi/kanshi_B09_1.html です。)
間も無くお正月も来ます。楽しい休日が続く季節です。今日の挿絵の写真は花屋さんの店先で撮った季節の花の写真です。
今日は皆様が楽しい気分でクリスマスやお正月をお過ごしなさるようにとお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山壮人)
オバマ大統領は就任早々、ポーランドで「核兵器の無い世界」を目指すという演説を行い、ノーベル平和賞を受賞しました。そして今年は広島の原爆犠牲者の慰霊式に出席したのです。2011年にはイラク戦争終結宣言をし、昨年はキューバとの国交回復をしました。国内では経済的に恵まれていない弱者に対して健康保険を与える、所謂、オバマケアを実施しました。
オバマさんは平和主義的で弱者にやさしいリベラルな大統領でした。
ところがそれとは対照的に、何事においても強腰なトランプ氏が大統領になるのです。国際協調を捨て、アメリカ一国だけの利益を優先すると言明しています。オバマさんが進めてきたTPPからも、すかさず脱退すると宣言しています。不法移民の強制送還も公言し、メキシコ人を貶める発言をしています。そしてオバマケアは改訂して縮小するとも言っています。
日米安保に関しても日本を突き離すような発言をしています。日本が今迄通りアメリカ軍によって守って貰いたいならもっとお金を出せと言うのです。
その上、アメリカはロシアとの関係を改善するという方針です。これでは日本はロシアと独自に対峙しろと言わんばかりです。強気になったロシアは北方四島に関する交渉に歯牙もかけなくなりました。
このようなトランプ氏の発言の影響は甚大です。多くの日本人が日本の防衛は自分で行うべきだと考えるようになったのです。
日本の安全は自衛隊だけで守るべきと考える人が急に増えたようです。
しかし自衛隊だけで守るという考えは非常に非現実的です。やはり日米安保を一層強化して、駐留米軍の力を借りなければいけないことは良識のある人々の認めていることです。
このように現実は厳しいものですが、精神の上だけでは、日本は真の独立国家として自主防衛をすべしという思想を夢見る人が急に増加したようです。
このような日本人の考え方の変化は、日本人の戦争観も大きく変えつつあると考えられます。
安倍政権が安保法案を改正して海外派兵が出来るようにしました。そして米軍との共同作戦の緊密化も進めました。
これとトランプ氏の出現を受けて多くの日本人の戦争観が変わったのです。
勿論、日本人の戦争観は敗戦後から次第、次第に少しずつ変わってきたというのが正しい言い方です。
しかしその変化がマスコミやインターネットの上で顕在化したのは安保法案の改正とトランプ氏の出現がキッカケになったことは否めません。
安保法の改正案の審議中の国会議事堂を15万人もの反対デモが取り囲んだ事実は外国のマスコミでは報道されたそうです。その写真をインターネットで私も見ましたが、15万人とは分かりませんが兎に角すごい人数のデモが国会を取り囲んでいました。この大規規模なデモの写真を日本のマスコミはほとんど報道しませんでした。
これらのことから私は日本の新聞やテレビが安倍政権を支援することに潮流を変えたと理解しました。
日本は敗戦後、軍備を放棄し、全ての戦争をしない国家として再出発したのです。
その戦争放棄は国民に熱狂的に歓迎されたのです。決してアメリカ占領軍の押し付けではなかったのです。戦争放棄は全国民の希望でした。
しかしその後70年経過して日本人の戦争観は他の国々の国民と同じように戦争は必要だという考え方に変わったのです。自衛のための戦争は必要だと変わったのです。他国に侵略されないためには軍備を強化すべしと変わったのです。
そして日本が朝鮮を併合し、中国を侵略し、満州国を作ったのも自衛のための正しいことだったと主張する人が増えたのです。
日清戦争も日露戦争も満州事変も日中戦争も太平洋戦争もすべて正しい戦争だったと考えるようになって来たのです。
この戦争観の変化は日本の運命にどのような結果をもたらすでしょうか?勿論、私にも分かりません。
ただ敗戦直後の日本の社会の風潮は戦争放棄に熱く染まっていたのです。
そして国が敗れても下の漢詩の「国破れて山河在り」を合言葉のようにして復興と工業技術の向上に邁進したのです。
戦争で散った300万人もの犠牲を無駄にしないためにも絶対に日本を一流国家にしようと努力したのです。
今年も暮れにあたり、敗戦直後の日本の社会の雰囲気をあれこれ想い、トランプ大統領のアメリカの将来を考えています。
下に杜甫(712-770年)の漢詩を示します。
「春 望」
(五言律詩。長安の賊中にあって、春の眺めを述べる。)
国破山河在 国破れて山河在り
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火 三月に連なり
家書抵万金 家書 万金に抵る
白頭掻更短 白頭 掻けば更に短く
渾欲不勝簪 渾て簪に勝えざらんと欲す
(上の意訳の出典は、http://www.kangin.or.jp/what_kanshi/kanshi_B09_1.html です。)
間も無くお正月も来ます。楽しい休日が続く季節です。今日の挿絵の写真は花屋さんの店先で撮った季節の花の写真です。
今日は皆様が楽しい気分でクリスマスやお正月をお過ごしなさるようにとお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山壮人)