後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「野川に淋し気に咲く桜」

2017年03月30日 | 写真
野川とは国分寺崖線の下の幾つもの泉の水を集めて流れる小さな川です。昔の人が名前を考えるのが面倒なので「野川」と呼ぶことにしました。
その野川に差し掛かる桜の枝が毎年、淋し気に咲きます。
小金井公園の桜は豪華絢爛と咲きますが、野川の桜は控え目に淋しく咲きます。そんな風情も良いと思い先ほど撮って来ました。



「今年、はじめての満開の桜を見つけました!」

2017年03月30日 | 写真
昨日から小金井公園や多摩墓地など桜が早く咲いていそうな所を車でうろうろ探していました。
今日は ちらし寿司を持参して小金井公園の中の江戸・東京建物園に入場しました。
桜の花の下のテーブルで家内と一緒に昼食にしました。
食後、旧三井邸の庭に満開の枝垂れ桜を見つけました。
暖かい春の陽射しを受けて櫻花が豊かに咲いています。
写真をお楽しみ頂けたら嬉しく存じます。









森友学園問題と日本は正しかったという思想の蔓延

2017年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム
明治天皇の教育勅語を幼稚園で暗記させている森友学園の理事長や理事長夫人と、現在の日本の総理大臣の妻が親しく交流していたのです。その上、総理の妻が理事長に100万円の寄付金を渡したという話も出ています。
そして同じく現在の防衛大臣が森友学園の顧問弁護士をしていたのです。
森友学園の理事長が国会に呼ばれて厳しく追及されたのは総理の妻が渡した100万円のことと、森友学園へ格安で売った国有地のことの二つでした。どちらも金銭にかかわる問題です。
しかし森友学園問題にはもう一つの大きな問題があると私は考えています。

それは総理大臣の妻や防衛大臣が、戦前の教育勅語を教えている森友学園の経営者夫妻に親しかったという事実です。
この事実の背景には明治維新以後の日本の戦争は全て正しかったという思想があると考えられます。日本はロシアの侵略から日本を守るためにやむなく日露戦争をしたのです。太平洋戦争もアメリカの経済封鎖を受け、日本は戦争に突入したのです。すべては自衛のための戦争です。太平洋戦争には敗れましたが、アジアの植民地を解放したのです。そして戦後70年、日本は世界第3位の経済大国になり、世界の首脳会議G7のメンバーの地位についています。平和で住みよい国として外国からも尊敬されています。
ですから明治維新以後の日本政府の政策は大局的には正しかったのです。そして日本のはじめた戦争は全て防衛戦争で正しいものと言われています。

こんな思想が最近日本の社会に蔓延しているような雰囲気があります。その雰囲気の中で森友学園の幼稚園で明治23年発布の教育勅語を教えていてもあまり問題にしていません。
日本は自由な国ですから、誰がどんな教育をしていようが、法律に違反していない限り良いのです。
ですから今日の主張はこの事の善悪を論ずるのではありません。私はは皆様にもう一度、明治時代の教育勅語を読んで、内容が本当に将来の日本にとって良いものいか、あるいは悪いものなのか考えて頂きたいと思うだけです。

70歳以上の高齢者はご存知と思いますが、この勅語の冒頭部分は次のようなものです。
朕(ちん)󠄁惟フニ(おもうに)我カ(わが)皇祖皇宗(こうそ こうそう)國ヲ(くにを)肇󠄁ムルコト(はじむること)宏遠󠄁ニ(こうえんに)德ヲ樹ツルコト(たつること)深厚ナリ(しんこうなり)
我カ(わが)臣民(しんみん)克ク(よく)忠ニ(ちゅうに)克ク(よく)孝ニ(こうに)億兆(おくちょう)心ヲ一ニシテ(しんをいつにして)世世(よよ)厥ノ(その)美ヲ(びを)濟セルハ(なせるは)此レ(これ)我カ國體(こくたい)ノ精華ニシテ敎育ノ淵源(えんげん)亦(また)實ニ(じつに)此ニ(ここに)存ス(ぞんす)
爾(なんじ)臣民(しんみん)父母ニ孝ニ(ふぼに こうに)兄弟ニ友ニ(けいていに ゆうに)、夫婦󠄁相和シ(ふうふ あいわし)朋友相信シ(ほうゆう あいしんじ)・・・中略・・・

そして次のように続くのです。・・・常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ(つねにこっけんをじゅうし こくほうにしたがい)一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ(いったんかんきゅうあれば ぎゆうにほうじ)以テ(もって)天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ(てんじょうむがいのこううんをふよくすべし)・・・以下省略。

この内容の賛否の意見は次のようなものです。
批判的評価;
(1)軍人の規律を説く軍人勅諭と同列のものであり、軍事教育や軍国主義につながる、という意見です。
GHQによる占領統治時代に連合国軍によって教育勅語が廃止されたのは、この理由(軍国主義につながる)からといわれています。
(2)根本的理念が「主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる。」という理由で『教育勅語等排除に関する決議』が、1948年に衆議院によって決議されました。

一方、肯定的な評価をする人の意見は以下のようなものです。
(1)現代語訳での12の徳目は、日本の伝統的道徳観が込められており、一種の模範となるものがあってもいいのではないかという意見なのです。
(2)多くの国や宗教で古くから普遍的にある道徳を、明治当時の日本の国情に合わせて記述したものにすぎないという意見もあります。

森友学園の騒動には金銭の問題の他に、背景に明治維新以後の日本は正しかったという思想があったのではないでしょうか?
日本の行なった日清戦争、日露戦争、満州事変、日中戦争、そして太平洋戦争はすべて自衛のための正しい戦争だったという考えも次第に広がっているのも関係していないでしょうか?
このような風潮も相俟って安倍政権の支持率が高いのでしょうか?
さて皆様のご意見は如何でしょうか?ご意見をお待ちしています。

今日の挿し絵代わりの写真は京王フローラルガーデンANGE(http://www.keio-ange.info/ )で先週撮って来た春の花々の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)










===参考資料;教育勅語全文  口語訳 ======================、
天皇である私が思うに、我が天皇家の祖先が、国を始めてから、大きく広く道徳を樹立すること、深淵である。
私の臣民たちよ、よく忠義に、よく孝行に、億兆が心をひとつにして、世世、その美をなせるのは、これは私の国体の「精華」(読み「せいか」、意味: 真髄、優れた点)であり、教育の根源は、まさに、ここにある。
あなたたち臣民は、父母をうやまいなさい、兄弟は友(仲良く?)にしなさい、夫婦は相和(?)しなさい、人に対してはうやうやしく、自分に対しては慎みぶかく振る舞いなさい、、博愛を衆に及ぼしなさい、学問を修めて業(仕事のこと?)を習いなさい、もって智能(知恵と能力?)を啓発しなさい、德器(道徳? 人格?)を成就しなさい、進んで公益を広めて世務(「せむ」または「せいむ」と読む、世の中のつとめ)を開きなさい、いつも国憲を重視して国法に従いなさい、いったん緩急あれば義勇をもって公のために働き、天地のきわまりがないように(※ 永遠に?)「皇運」(皇室の運命?)を扶翼(助ける?)するべきである。
このように、ひとり、天皇である私が忠義と良識の臣民であるだけでは不十分であり、 あなたたちが祖先の遺風(※ 「威風」ではなく「遺風」に注意)を懸賞するべきである。
この道は、まさに、わが天皇家の遺訓であり、子孫である臣民も一緒に遵守(じゅんしゅ)すべき事であり(※ 「順守」ではなく「遵守」であることに注意)、古今を通じて、間違いはなく(※ つまり「正しい」と主張している)、(国の?)内外を問わず、もとることはない(「もとる」とは、道徳から外れるという意味。つまり、「もとらない」=道徳的に正しい)。
(天皇である)私と、その臣民であるあなた達とで、一緒に、拳々服膺(「けんけんふくよう」)して(※ 「拳々服膺」で1つの四字熟語、 意味は「しっかりと心に刻んで忘れない」という意味。元ネタは漢文『中庸』)、皆でその徳をひとつにする事を懇願する。
(https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E5%8B%85%E8%AA%9E より)