後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

核兵器を増強するトランプ大統領、それを支援する日本

2017年03月31日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日、「森友学園問題と日本は正しかったという思想の蔓延」という記事を掲載しました。
森友学園では明治23年に発布された教育勅語を教えていますが、それを安倍総理の奥さんが支援していたのです。日本の社会が戦前へ復帰する傾向が蔓延しているという趣旨の記事でした。
それと関連があるのか分かりませんが、日本は核兵器を増強しようとするトランプ大統領を支援しているのです。
最近、国連で始まった「核兵器禁止条約」の交渉に、アメリカの要請で、日本は参加しないことを宣言したのです。
 当然、長崎や広島の関係者は失望したという声明を発表しました。
従来、核兵器廃絶運動をしてきた人々にとっては驚天動地の出来事だと思います。
今日はこの問題を考えてみようと思います。

核兵器を法的に禁ずる「核兵器禁止条約」を交渉する国連本部の会議が3月27日に始まりました。これに対してトランプ政権は参加しないと表明していました。
日本政府代表で演説した高見沢大使は、「核兵器国の理解や関与が得られないことは明らかだ。残念ながら、交渉会議に建設的かつ誠実に参加することは困難」と述べ、交渉への不参加を宣言したのです。
日本が参加しないのはアメリカの要請だと安倍政権は述べています。参加しない国々はアメリカの他、英仏露中、北朝鮮などの核兵器保有国です。カナダも豪州も不参加です。

核兵器禁止条約は、核兵器の全廃と根絶を目的として起草された国際条約案です。
それは核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止をし、さらに廃絶をするという内容の国際条約です。
2007年4月、コスタリカとマレーシア両政府の共同提案として正式に国連に提出された条約案ですが、現在、決議もされていません。当然、未発効です。

国連本部の会議でこれが決定されれば困るのはアメリカ、英仏露中印、北朝鮮などの核兵器保有国です。
たとえ強制力の無い国際条約といえども国際世論は核兵器保有国を非難します。
非難されてもトランプ大統領は核兵器を増強します。なにせこの条約の討議と採決に参加していないのですから、この条約を履行する義務は一切ありません。

このアメリカの核兵器増強を安倍政権は願っているのでしょうか?
アメリカの核の傘に守られている日本の安全にとっては現実的にはその方が良いのです。

しかし核兵器廃絶は世界で唯一の被爆国の日本の悲願でした。全国の多くの市町村が「核兵器廃絶の宣言」を決定し、その事を看板に書いて掲げてきました。
現実と理想は違うと言いますが、こんなにあっさりと日本人の悲願を無視しても良いものでしょうか?
もし安倍政権が核兵器を増強するトランプ大統領を支援し、国連の「核兵器禁止条約」の交渉に参加しないのなら、もっともっと丁寧な説明を国民に対して行うべきではないでしょうか?

それを日本政府代表の高見沢大使の不参加の宣言だけで国民への説明を一切しない態度は問題ではないでしょうか?
今日の主張は日本が被爆国として今回の国連の「核兵器禁止条約」の交渉に参加すべきだったというものです。
たとえその条約が強制力が無いにしても、理想論は大切にしておくべきと思います。
核兵器保有国が不参加なのは当然でしょう。しかし核兵器を保有していない日本がそこまでアメリカの言いなりにならなくても良いのではないでしょうか?

皆様のご意見をお待ちしています。

今日の挿し絵代わりの写真は京王フローラルガーデンANGE(http://www.keio-ange.info/ )で先週撮って来た春の花々の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)