後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

唐の長安の宮廷にあった百日紅の写真を撮りに行く

2019年09月03日 | 日記・エッセイ・コラム
夏に長い間咲いているサルスベリは百日紅(ひゃくにちこう)とも言います。
鮮やかな紅色や薄紫やピンク、白などの花が咲きます。
中国原産の花であでやかな花なので、唐の長安の宮廷に沢山植えられていました。中国語では紫微(宮廷の意)と言うそうです。
中國人が好きな花なので江蘇省徐州市、湖北省襄陽市、四川省自貢市、台湾基隆市などで市の花とされています。
日本に渡来した時代は明確に分かっていませんが、おそらく遣隋使や遣唐使が持って来たに違い無いと私は想像しています。
そんないにしえのことを想いながら昨日午後に紫微の花の写真を撮って来ました。近くの都立武蔵野公園に満開になっています。写真をお送りいたします。






このサルスベリが謳われた和歌と俳句をご紹介いたします。
和歌:
足引のやまのかけぢの猿滑りすべらかにても世をわたらばや 藤原為家『夫木和歌抄』

藤原 為家は、鎌倉時代中期の公家・歌人です。
そして『夫木和歌抄』は、鎌倉時代後期に成立した私撰和歌集です。選者は地方武士の藤原長清でした。
例句:
袖に置くや百日紅の花の露     貞室 「玉海集」
籠らばや百日紅の散る日まで    支考 「菊の香」
散れば咲き散れば咲きして百日紅  千代女 「松の声」
百日紅ややちりがての小町寺    蕪村 「夜半叟句集」
百日紅ごくごく水を呑むばかり   石田波郷 「鶴の眼」
さるすべり美しかりし与謝郡    森澄雄 「游方」

サルスベリの花言葉です。
『雄弁』
サルスベリの花言葉の中でも、木の外観に由来するものが「雄弁」です。枝先に花が群生する姿が華やかで堂々としていることから、この花言葉が生まれました。
『愛嬌』『不用意』
「愛嬌」「不用意」はサルでも滑りそうなほどツルツルとした幹にちなんでつけられました。
『あなたを信じる』『潔白』
「あなたを信じる」という花言葉は、漢字名の由来にもなった朝鮮半島の伝説からついたとされています。

昨日の午後はこの百日紅の写真を撮って来て初秋の一日を過ごしました。まだまだ残暑が厳しい日でした。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)