後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

秋になって誰もいなくなった淋しい多摩川の風景写真

2019年09月23日 | 写真
夏の間中、子供連れの家族が溢れるように川遊びをしていた多摩川にも秋が来ました。子供の声が消えてすっかり静かになりました。淋しそうに川だけが流れているのです。
こうしてまた奥多摩川に静寂が戻りました。少し寂しいです。
そんな秋の多摩川の風景写真をお送りします。





ニューヨーク市の国連のSDGsの取り組みとSDGsの欠点

2019年09月23日 | 日記・エッセイ・コラム
国連のSDGs(持続可能な開発目標)は2016年に始まり2030年には世界の貧困と飢餓問題を無くすという理想を掲げた巨大プロジェクトです。
この欄でこのSDGsに関して掲載した記事は末尾に示した通りです。

これらの記事を書いて分かったことは世界の貧困と飢餓問題を無くす目標は不可能と思いました。これこそがSDGsの欠点なのです。SDGsは非現実的な目標を始めの方に掲げているのです。
しかし5番目から17迄の目標はある程度達成は可能だと思います。
ここにSDGsの重要さがあるのです。SDGsを浅薄な流行で終わらせないことが重要です。

国連本部のあるニューヨーク市は2018年10月にSDGs(持続可能な開発目標)の進捗を国連に報告しました。その内容は末尾に示した通りです。
ニューヨーク市は世界で唯一、進捗報告を宣言した都市です。ニューヨークは国家ではなく都市ですが温室効果ガス排出量を2050年までに80%削減することを宣言しています。

国連のSDGsの壮大な目的は世界中の人々が幸福に暮らせるようにしようとするものなのです。それは究極の人類の理想です。
しかし人々が幸福になるためには自分の努力が欠かせません。幸福は他人が与えることが出来ないのです。
その実例は自分達独自の生活様式を守り幸せそうに暮らしているアーミッシュ民族です。
その生活の様子をご紹介します。これは国連のSDGsに対する問題提起なのです。深くお考え頂ければ幸いです。

アーミッシュ民族は禁欲的なキリスト教の一派です。私はこんなアーミッシュの村を訪問し、一泊した体験があります。
約25万人いるこの一派の人々は全てのアメリカ文明を拒否し農村地帯に孤立した村を形成して自由に暮らしています。
アーミッシュの村は、ペンシルバニア州、オハオ州などの中西部に散在しています。
禁欲的な質素な生活を守り、職業は農牧業のみです。電気・ガス・水道、自動車、耕運機、電信電話など近代文明の産物は一切使用しないのです。
義務教育はないし税金もありません。
アメリカの市民権は認められ、白人ではありますが、まったく異質の文化を守り、孤立した村として散在しているのです。それは現在のアメリカ人とは全く異質のアーミッシュ民族とも呼べる人々なのです。
1989年にオハイオ州コロンバス市に住んでいた時、訪問し一泊して来ました。
車で二時間の所にありました。まったく想像を絶する原始キリスト教のような生活をしているのです。
アーミッシュの村に入ると、「路上で黒塗り箱型の馬車が近付いたら徐行すべし」という意味の絵看板が増えて来ました。周りは一面の実り豊かな麦畑。その間に牛馬がのんびり草を食む牧場が散在し、素朴な木造一階建ての農家が栃の大樹の木陰に見え隠れしています。
看板通り、黒塗りの箱形馬車が近付いて来たので慌ててブレーキをかけ、徐行しながらすれ違います。手を挙げて挨拶をすると、黒いシルクハットをかぶり、襟の小さな黒い背広を着た老人が目を上げないで、手をわずかに振って挨拶を返します。
麦畑では刈り取った麦束を馬車に積み上げています。農夫はさすがに上着を脱ぎ、黒いチョッキ姿で汗を流しながら一心に働いていました。
アーミッシュ村に車で観光に行った場合のマナー です。
「御土産店、喫茶店、民宿の前以外の道端に絶対車を停めないこと。馬車が見えたら急いで減速し徐行する。必ず挨拶をすること。しかし相手の目を見たりしない。もちろん話し掛けてはいけない。女性は黒い長い服を着ているが、車と馬車がすれ違う時、前から覗き込んではいけない。アーミッシュ専用のスーパーマッケットがあり、黒い馬車がたくさん止まっているが、スーパー店内へ入ってはいけない。ソーッと遠方から眺めるだけにすること」「御土産店では村への入場料のつもりで多めにチーズやヨーグルトを買って上げなさい」 そんなことがルールだそうです。
夜は木造2階建ての民宿に泊まりました。
部屋にはローソクしかないのですが、外の方が明るいのです。窓から見ると、満天の星空。星明りで外が明るいのです。

「夕食ですよ」と呼びに来たので、食堂に下りて行くと、そこには電気がついています。新鮮なホーレン草のサラダと鶏肉のソテーのみでしたが、自然栽培なので実に美味しいのです。残念ながらビールや酒類は一切ありません。 布に包んだ温かい焼きたてのパンが籠に入って出て来ました。
そばに座ってくれている女主人にいろいろ聞きました。
電気は使っていますが、冷蔵庫、洗濯機、井戸水汲み上げポンプ、食堂と調理場の電燈に限って使っているそうです。
そしてアーミッシュの人の職業は農牧業しか許されていないので、民宿やスーパーマーケット、御土産店などの経営者は普通のアメリカ人が経営しているそうです。
「ところで、明日、アーミッシュの人々の生活を見たいし、話も聞きたいので、誰か紹介してくれませんか」と頼んでみました。
すると女主人が、「泊り客はそういうことをよく頼みます。でも丁重にお断りしています。アーミッシュの信仰中心の日常生活を邪魔しない。それが人として正しい接し方と思いますよ。」と答えます。そして続けて聞いてきます、「日本にもキリスト教徒がいるのですか?」
私は、五島列島の隠れキリシタンの二百六十年の歴史や現在のキリスト教信者の話をしました。
食後はローソクの炎の揺れる暗い自分の部屋へ引き揚げ、星明りの窓の外をもう一度見てベッドへ潜り込んだのです。

アーミッシュの村には静けさに満ち、時がゆっくり流れているようです。
聖書の教えを守り、絶対平和主義を貫く彼らは「電気」「ガス」「電話」「車」などの近代文明は、トラブルの元になり、信仰の邪魔になると信じているのです。思想が異なる外部の世界と接触しないで孤立した生活を送っているのです。
男女ともに早朝5時に起き、日の入りまで働きます。子どもたちはコミュニティーの学校に通い、8年生(中学2年生)以降は職業教育のみを受けるのです。
 衣服は、下着を含め、主婦がすべて縫います。
テレビも見なければ、「冷蔵庫」「冷房」「洗濯機」も使いません。
電話も、外部の世界と接触することになるため使用しません。交通手段も馬車で、農耕も馬や牛に助けてもらいます。病気や怪我も、自然治療や伝統療法で治すのです。結婚も10代後半でするケースが多く、避妊も禁じられているため、子だくさんが多く、女性は子育てに家事に、農業などに忙しい生活を送っているのです。

 アーミッシュの人口数は少しずつ増えており、現在ペンシルベニアやオハイオを中心とした米22州に約25万人のアーミッシュが住んでいるといわれています。
殺伐として現代において、「アーミッシュの思想や生活こそが理想なのではないのか」と、彼らに興味を持つアメリカ人もいるそうです。

その生活ぶりの写真をお送りします。特に3枚目の室内の写真を注意深くご覧下さい。部屋には電燈が無く、薪ストーブが中央にあるだけです。衣類も壁にぶら下がっているだけで、何枚もクローゼットに並べて吊るすほど沢山持っていません。下着は箱に仕舞い、農作業と礼服を常に共用する服を毎日着ています。農作業にはトラクターは一切使いませんので、4枚目の写真のように馬車と人力だけで刈り取りを行います。
上の3枚の写真の出典;http://en.wikipedia.org/wiki/Amish
4枚目の写真の出典;http://en.wikipedia.org/wiki/Amish
5枚目の写真の出典:写真の出典は、The Huffington Post:http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/12/amish-life_n_6313752.htmlです。










今日はニューヨーク市のSDGsの取り組みをご紹介しました。そしてSDGsへの問題提起としてアーミッシュの人々の生活をご紹介しました。


それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

===参考資料================
(1)この欄でこのSDGsに関して掲載した記事は次の通りです。

1、革新的なSDGs思想を取り入れる海外の会社と日本の会社(2019年09月22日 掲載)
2、国連のSDGsは世界の貧困国を救えるか?(2019年09月19日 掲載)
3、世界の飢餓人口の増加続く現状とSDGsの役割(2019年09月16日 掲載)
4、小泉進次郎の国際的視野の広さに感嘆(2019年09月13日 掲載)

(2)ニューヨーク市がSDGsの中でも優先的に取り組んでいる5項目は次の通りです。
ゴール6: 安全な水とトイレを世界中に (Clean Water and Sanitation)
ゴール7: エネルギーをみんなに そしてクリーンに (Affordable and Clean Energy)
ゴール11: 住み続けられるまちづくりを (Sustainable Cities and Communities)
ゴール12: つくる責任 つかう責任 (Responsible Consumption and Production)
ゴール15: 陸の豊かさも守ろう (Life on Land)
(https://www.sustainablebrands.jp/news/os/detail/1190966_1531.html)