後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

私が体験した欧米文化の素晴らしさ(2)アメリカ人の開拓精神で助けられた経験

2013年11月07日 | 日記・エッセイ・コラム

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上は昨日、家内と一緒に散歩した公園の樹木の様子です。この木々の下を歩みつつ我々が昔、オハイオ州で結婚した頃のことをあれこれ思い出していました。

貧しい生活のなかで、日本から婚約者を呼び寄せ、オハイオ州で結婚式を挙げました。初めての子供もそこで生まれ3人で日本へ帰って来ました。

その結婚式から新婚生活のいろいろな場面でアメリカの指導教授夫妻や同級生夫妻などに大変助けられたのです。

特に結婚式と披露パーティを準備してくれ、多くのアメリカ人が出席してくれたことには感動しました。式の前に家内だけ招かれた「ウエディングシャワー」ではさまざまな品を贈られました。新生活に必要な台所用品や食品とレシピ、日用品、救急箱などです。妻が出産した時も同級生の奥さんたちがお祝いのパーティを開いてベビー用品や本の贈り物を下さいました。パーテイも式もお返しはしないことと教わりました。

また乳母車や子供用のベットを貸してくれて、我々の生活を助けてくれたのです。

何故、そんなに親切にしてくれるか聞いてみました。答えは「アメリカ人の開拓精神」ということでした。

アメリカ大陸へ来て開拓しようとする新しい移住者を周りの人々が助けるのが開拓時代の習慣です。それが現在でも生きています。ですから私たちはあなた達を助けるのが当然なのです。アメリカ人たちはそんなふうに説明していました。

新参者を暖かく迎え、助けるのもの開拓精神の一部なのだと理解出来ました。

それまでの私の理解では「開拓精神」とはアメリカの大地を切り開き豊かな農地にする、その困難にも絶対に負けない強い精神のことと思っていました。しかしそれは「開拓精神」の半分しか理解していなかったのです。

大地を開拓するとき、初めの1年間は収穫がありません。どうしても周囲の人々の援助が必要になります。

ですから開拓に挑戦している新しい人々を周囲の人が支援し、助けることも「開拓精神」の重要な半分の意味だったのです。

開拓は大地を切り開き農地することですか、その意味を拡げると「新しいことに挑戦し、新しい境地を切り開く」ことも意味します。

私はオハイオ州へ農地を切り開くために行ったのではありません。新しい研究分野に挑戦し、新しい研究分野を切り開くために行ったのです。そうしたら周囲のアメリカ人が本気で助けてくれたのです。

そしてアメリカ人達が、それは開拓時代の伝統ですと言い、涼しい顔をしているのです。この素晴らしいアメリカ文化に感動しました。いや現在、老境にいたって公園の林の中を妻と一緒に歩みつつ感謝しているのです。

この新移住者を歓迎し、暖かく援助するという文化は日本や旧世界のヨーロッパには無い文化です。素晴らしいアメリカ独特の精神文化なのです。

その延長にアメリカでは失敗しても新しいことに挑戦する人を支援する文化を持っているのです。失敗しても何度でもチャンスを与えるのです。

ところで、最近アメリカの茶会運動が大きな政治勢力になっています。

東海岸に入植した人へのお茶の貿易に英政府が大きな関税をかけようとしたのです。それに反対し税金撤廃運動をした「ボストン茶会事件」にならった名前の政治運動です。

その茶会運動の現在の趣旨は以下のようなものです。

政府は民間のことに干渉するのは最少にすべきで、景気対策や全国民の健康保険などに予算を使うべきではない。大体、開拓時代には、政府は開拓民へ何もしなかったではないか。開拓民同士が助け合って困難な開拓を成し遂げたのです。この開拓精神こそがアメリカをより強くし、世界のリーダーの座をまもるのです。

このような考え方に共和党保守派が賛同しています。アメリカの保守派の中心になっている考え方です。オバマさんの後の次期大統領選挙へもこの茶会運動は大きな影響を与ええると言われています。

茶会運動はオバマさんにいちいち反対する保守反動として、日本では悪玉として報道されることも多いようです。

しかし新婚のころその開拓精神に助けられた私にとっては、完全に悪玉とも言えません。複雑な気持ちです。そんなことを考えて長い時間、散歩した公園の林の写真をもう2枚下にしめします。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本では見られないアメリカの素晴らしい文化です... (繁田慎吾)
2013-11-08 11:21:05
日本では見られないアメリカの素晴らしい文化ですね。こういう文化があるから、小さな政府でも成立する社会なんだろうと思います。日本では、何でもお役所に頼ってしまいます。これでは日本において小さな政府は成立しにくいと思ってしまいます。
ところで、土浦に来て1年が経過しました。その間、同じ係留場所の方に色々助けていただいたりしました。怖い目にもあいました、座礁もしました、ジブセールが上がらず助けていただいたこともありました。ずいぶん助かりました。分からないことがあれば教えていただけます。だからこそここまで続けられたと思っています。私も新しい人が来られたらできるだけサポートしていきたいと思っています。
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繁田慎吾さん (後藤和弘)
2013-12-17 18:29:27
繁田慎吾さん

コメント有難う御座いました。

小生も土浦港に25年間ヨットを係留していましたが、いろいろな方に大変お世話になりました。

元来、小心者で他人へ話しかけることが出来なかった私でした。それを我慢してこちらから声をかけると実に親切に教えてくれます。助けてくれます。
どうぞ霞ヶ浦でのセーリングを存分にお楽しみ下さい。

敬具、後藤和弘
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