昨日、「荒れゆく牧草地、放棄される田圃や畑・・悲しい日本の風景」という記事を掲載致しました。
日本の農村に住む人々の高齢化で廃屋が増え、シカやイノシシが急に増えています。その鳥獣被害が年間1000億円と言われるようになりました。そのような内容の記事でした。
その原因を深く考えると1970年の頃から日本にも広がった「環境保護」や「公害防止」、そしてその関連で生まれた「野生動物保護」や「絶滅危惧種保存」などのいろいろな考え方が日本の社会にも深い影響を与えて来たのです。
これらの新しい社会運動は主にアメリカで始まり世界中で流行しました。
その結果、日本でも公害防止の技術が進歩し、海や川が綺麗になりました。隅田川に白魚が泳ぐようになったのです。
このように「環境保護」や「公害防止」の運動には大きな良い成果があったのです。
しかしその一方、悪い影響もあるのが当然です。例えばアメリカでは野生のオオカミを保護した結果、オオカミがアメリカ北部で増え、牛や羊などの家畜が襲われるようになりました。
アメリカだけではなく「野生動物保護」を推進した先進国では農業における鳥獣被害が増大したのです。それは日本だけのことではありません。しかし日本は国土が狭く、農地と山林が密着しているだけに深刻な問題になっているのです。
この農業の鳥獣被害の実態について、昨日、趣味人倶楽部の「 ゆっきーさん」と「よはちさん」のお二人から以下のようなコメントを頂きました。鳥獣被害の実態を見事に描いてあるにで、まずご一読下さい
===== ゆっきーさんからのコメント: 2015/09/09 20:04==========
綺麗な牧草地や田畑が荒れ始めているのは非常に残念です。野田市でも放棄地と思われる畑が50%くらいです。後10年で畑90%が荒れ放題になりそうです。
会社組織とか規模拡大とかで解決できると言われる人がいますが。しかし麦や大豆などなら最初は出来るが、5年くらいで雑草に作物が負けてしまいます。軟弱な野菜など最初から雑草だらけになります。これが規模拡大が出来ない原因です。小規模で手間暇を掛けていまは出来ているいのが畑の実態です。
時給にしたら1時間で200円位になりますかな? これで会社が成り立ちますか? だから条件の良い田畑だけを耕作することになり、他は放棄地なっています。
会社の営農参加も有りますが補助金で設備や機械を整えているようです。税金で農産物を作るので良いんでしょうか?
農地は1年荒らすと10年祟ると言われます。綺麗な田畑にするには10年間の苦労があります。根性のある方は農業をしてみてください。 雨や風にも負けてはダメです。鹿やイノシシはまだいませんがハクビシンで困っています。動物愛護団体の方が居たら連れて帰ってください。 (終り)
=====よはちさんからのコメント: 2015/09/09 18:16==============
NHKのドキュメンタリ-で、群馬県の南牧村の過疎化と現状を放映したことがあります。一般的にドキュメンタリーは制作者の 意図や主観を含まぬ事実の描写なので説得力のある番組でした。
過疎化の進行度は凄まじいもので、大きい立派な農家が荒れ果て軒並み空き家になっていきます。
テレビの内容は、高齢の女性が一人暮らしをしているけれど、東京に家族を持った息子さんが東京に行こうと誘っても、何が何でも先祖と夫の眠るこの家から離れられない。
息子さんは、毎週日曜には体の都合を付けては戻ってくる。
鳥獣の被害にあうかも知れない野菜を作り、洗濯をしたり掃除をしたりします。
逆に家族が田舎へ戻ったのでは生活ができるだけの収入が危うく、子供の将来を考慮すればやはり無理です。
南牧村でも上野村でも、野生鳥獣を追いやるほどの開発力は絶対にあり得ません。
山林を切り払って畑にしたから、イノシシやシカの住むテリトリ-を奪ったからなんて、何の知識もない人の寝言でしかありません。
相変わらず同じような主張を繰り返す人が居ます、
「私は事実に基ずくことは知らずに感情論を主張する愚か者です」と書き込んでいるのです。まさに愚か者というより恥を知らぬ人です。
私は25年間の銃猟と射撃の経験者ですから、何がどうだか実際に観ています。キツネが増えるとウサギが減って、ウサギが増えるとキツネも増える、のです。食物連鎖が現在は滅茶苦茶狂っています。
ユウスゲの花は群馬県の榛名山で有名ですが、南伊豆でも群生の場所があってユウスゲの岬という大きな看板がある大変景観の素晴らしい目の前に海が開けた場所があります。しかし、現在はユウスゲは、その季節に行っても一輪もありません。鹿が群生していて根絶されてしまったのです。
西伊豆へ行くと、海の向こうへ富士山が見える黄金岬という場所があります。カノコユリが沢山植えられて素晴らしい眺めでした。
三年後に行ったら、全くカノコユリの姿がありません。いくらなんでも、あれほど沢山有ったのと呆然としてしまいました。
散歩に来た老人夫婦の話では、ユリの根は野生動物の大好物だから目を付けられたらお陀仏だそうです。
食物連鎖を考えると、日本オオカミの絶滅が全国に影響を及ぼしたとも考えられます。場所によってですが適正生息数の10倍迄増えた鹿の食害、これからどうすれば良いのか大問題です。
愚論を主張する人は、少しでも責任を感じたり事実確認の良心の欠片でもあるなら、山村の山裾の畑を取り囲みむ被害防御柵の脇を歩いてみたら良いのです。
スコップで撒いたのかと思うほど、そして山になってまとまった鹿のフンの量に愕然とするでしょう。ヤギや羊の糞とよく似ています。
それでも、いざ駆除となれば、決してたやすいものでは無いのです(狩猟法がありますから)。 (終り)
・・・ここで狩猟の話が出て来ましたのでその経験者の「でいしゅうさん」からのコメントを掲載致します。
=====でいしゅうさんからのコメント: 2015/09/09 11:03===========
終戦後、陸軍飛行場が開墾地となり、満州からの引揚者が開拓しました。その苦労が実り、美田に変わる頃減反です。そして宅地化の波が追い打ちを掛けました。
それはさておき、銃所持者が激減したのは警察による締め付けです。その背後には銃撲滅の大衆世論です。無責任な世論はヤクザのピストルとハンターの猟銃を一緒にしました。警察にとってヤクザは難しいのでハンターから銃を取り上げました。猟銃は管理されていますがピストルは管理されていませんから大変です。そして例外的な銃犯罪も銃規制に拍車を掛けました。
この為、嫌気がさしたハンターは次々と猟銃を手放しました。山野が荒されても嫌気のさしたハンターには関係ありません。手放せば嫌がらせ的な警察規制から解放されます。決して警察を批判していません、彼らは世論の動向でやっているだけです。
一般の方が知れば驚くような規則がありますが、銃撲滅の大号令でやっているだけです。
あと考えられるのは社会の変化です。狩猟よりもゴルフに関心が変わったのです。つまり趣味の多様化です。どこを向いてもスマホでは自然への関心は無くなるでしょう。
心配なのは現在の動きです。サバイバルゲーム感覚でのハンターが増える事です。銃の研究は良いのですが、軍用銃やマニア銃に走る事です。警察でもなければ猟友会幹部でもない小生が心配する事ではありませんね。
まもなく猟期です。安全無違反の狩猟を楽しんでもらいたいと祈るだけです。 (終り)
さてイノシシの増加はフランスでも同様なことのようです。
下にフランスに在住のMotokoさんからFace Bookで頂いたコメントをご紹介致します。
======Motoko Boutdumondeさんから頂いたコメント====
写真の風景の所は素晴らしいところなのに...でもどこも同じ問題が発生しています。うちの庭(というか荒れ庭)にはイノシシが一頭住み着いているらしいのです。それも家から20mもないところにです。まあ、襲ってこないし、うちでは作物を作っていないので被害はありませんが、農家とかはたいへんでしょうね。イノシシが荒らすとブルドーザーが通った後のようになりますよね。あと、フランスのアルプスに近い地方では、東ヨーロッパから持ってきたオオカミの数が増えて、羊やヤギを次々に襲っています。難しい問題ですね。時々はイノシシとかは狩りのシーズンでなくても、狩ることにしたりして数の調整を行っていますが、オオカミはもともと絶滅に瀕していたのを移住させたので、手をつけていません。羊飼いの人たちは自衛しか手段がないようです。(終り)
以上のように鳥獣被害は日本だけの問題ではなく多くの国々で起きている深刻な問題です。
しかし1970年頃から40年以上も続いた「環境保護」や「公害防止」、そしてその関連で生まれた「野生動物保護」や「絶滅危惧種保存」の影響で起きた現象なのです。従って、この問題の解決は一朝一夕では出来ません。まず鳥獣被害の実態を理解し、冷静にその対策を考え、根気良く実行しなければなりません。この記事が少しでも獣被害の実態の理解に役に立つことをお祈り致します。
写真に雄大な北海道の農地の写真と増え過ぎた北海道のエゾシカの写真を示します。写真は自分で撮ったものではなく、ネット検索で見つけた写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
日本の農村に住む人々の高齢化で廃屋が増え、シカやイノシシが急に増えています。その鳥獣被害が年間1000億円と言われるようになりました。そのような内容の記事でした。
その原因を深く考えると1970年の頃から日本にも広がった「環境保護」や「公害防止」、そしてその関連で生まれた「野生動物保護」や「絶滅危惧種保存」などのいろいろな考え方が日本の社会にも深い影響を与えて来たのです。
これらの新しい社会運動は主にアメリカで始まり世界中で流行しました。
その結果、日本でも公害防止の技術が進歩し、海や川が綺麗になりました。隅田川に白魚が泳ぐようになったのです。
このように「環境保護」や「公害防止」の運動には大きな良い成果があったのです。
しかしその一方、悪い影響もあるのが当然です。例えばアメリカでは野生のオオカミを保護した結果、オオカミがアメリカ北部で増え、牛や羊などの家畜が襲われるようになりました。
アメリカだけではなく「野生動物保護」を推進した先進国では農業における鳥獣被害が増大したのです。それは日本だけのことではありません。しかし日本は国土が狭く、農地と山林が密着しているだけに深刻な問題になっているのです。
この農業の鳥獣被害の実態について、昨日、趣味人倶楽部の「 ゆっきーさん」と「よはちさん」のお二人から以下のようなコメントを頂きました。鳥獣被害の実態を見事に描いてあるにで、まずご一読下さい
===== ゆっきーさんからのコメント: 2015/09/09 20:04==========
綺麗な牧草地や田畑が荒れ始めているのは非常に残念です。野田市でも放棄地と思われる畑が50%くらいです。後10年で畑90%が荒れ放題になりそうです。
会社組織とか規模拡大とかで解決できると言われる人がいますが。しかし麦や大豆などなら最初は出来るが、5年くらいで雑草に作物が負けてしまいます。軟弱な野菜など最初から雑草だらけになります。これが規模拡大が出来ない原因です。小規模で手間暇を掛けていまは出来ているいのが畑の実態です。
時給にしたら1時間で200円位になりますかな? これで会社が成り立ちますか? だから条件の良い田畑だけを耕作することになり、他は放棄地なっています。
会社の営農参加も有りますが補助金で設備や機械を整えているようです。税金で農産物を作るので良いんでしょうか?
農地は1年荒らすと10年祟ると言われます。綺麗な田畑にするには10年間の苦労があります。根性のある方は農業をしてみてください。 雨や風にも負けてはダメです。鹿やイノシシはまだいませんがハクビシンで困っています。動物愛護団体の方が居たら連れて帰ってください。 (終り)
=====よはちさんからのコメント: 2015/09/09 18:16==============
NHKのドキュメンタリ-で、群馬県の南牧村の過疎化と現状を放映したことがあります。一般的にドキュメンタリーは制作者の 意図や主観を含まぬ事実の描写なので説得力のある番組でした。
過疎化の進行度は凄まじいもので、大きい立派な農家が荒れ果て軒並み空き家になっていきます。
テレビの内容は、高齢の女性が一人暮らしをしているけれど、東京に家族を持った息子さんが東京に行こうと誘っても、何が何でも先祖と夫の眠るこの家から離れられない。
息子さんは、毎週日曜には体の都合を付けては戻ってくる。
鳥獣の被害にあうかも知れない野菜を作り、洗濯をしたり掃除をしたりします。
逆に家族が田舎へ戻ったのでは生活ができるだけの収入が危うく、子供の将来を考慮すればやはり無理です。
南牧村でも上野村でも、野生鳥獣を追いやるほどの開発力は絶対にあり得ません。
山林を切り払って畑にしたから、イノシシやシカの住むテリトリ-を奪ったからなんて、何の知識もない人の寝言でしかありません。
相変わらず同じような主張を繰り返す人が居ます、
「私は事実に基ずくことは知らずに感情論を主張する愚か者です」と書き込んでいるのです。まさに愚か者というより恥を知らぬ人です。
私は25年間の銃猟と射撃の経験者ですから、何がどうだか実際に観ています。キツネが増えるとウサギが減って、ウサギが増えるとキツネも増える、のです。食物連鎖が現在は滅茶苦茶狂っています。
ユウスゲの花は群馬県の榛名山で有名ですが、南伊豆でも群生の場所があってユウスゲの岬という大きな看板がある大変景観の素晴らしい目の前に海が開けた場所があります。しかし、現在はユウスゲは、その季節に行っても一輪もありません。鹿が群生していて根絶されてしまったのです。
西伊豆へ行くと、海の向こうへ富士山が見える黄金岬という場所があります。カノコユリが沢山植えられて素晴らしい眺めでした。
三年後に行ったら、全くカノコユリの姿がありません。いくらなんでも、あれほど沢山有ったのと呆然としてしまいました。
散歩に来た老人夫婦の話では、ユリの根は野生動物の大好物だから目を付けられたらお陀仏だそうです。
食物連鎖を考えると、日本オオカミの絶滅が全国に影響を及ぼしたとも考えられます。場所によってですが適正生息数の10倍迄増えた鹿の食害、これからどうすれば良いのか大問題です。
愚論を主張する人は、少しでも責任を感じたり事実確認の良心の欠片でもあるなら、山村の山裾の畑を取り囲みむ被害防御柵の脇を歩いてみたら良いのです。
スコップで撒いたのかと思うほど、そして山になってまとまった鹿のフンの量に愕然とするでしょう。ヤギや羊の糞とよく似ています。
それでも、いざ駆除となれば、決してたやすいものでは無いのです(狩猟法がありますから)。 (終り)
・・・ここで狩猟の話が出て来ましたのでその経験者の「でいしゅうさん」からのコメントを掲載致します。
=====でいしゅうさんからのコメント: 2015/09/09 11:03===========
終戦後、陸軍飛行場が開墾地となり、満州からの引揚者が開拓しました。その苦労が実り、美田に変わる頃減反です。そして宅地化の波が追い打ちを掛けました。
それはさておき、銃所持者が激減したのは警察による締め付けです。その背後には銃撲滅の大衆世論です。無責任な世論はヤクザのピストルとハンターの猟銃を一緒にしました。警察にとってヤクザは難しいのでハンターから銃を取り上げました。猟銃は管理されていますがピストルは管理されていませんから大変です。そして例外的な銃犯罪も銃規制に拍車を掛けました。
この為、嫌気がさしたハンターは次々と猟銃を手放しました。山野が荒されても嫌気のさしたハンターには関係ありません。手放せば嫌がらせ的な警察規制から解放されます。決して警察を批判していません、彼らは世論の動向でやっているだけです。
一般の方が知れば驚くような規則がありますが、銃撲滅の大号令でやっているだけです。
あと考えられるのは社会の変化です。狩猟よりもゴルフに関心が変わったのです。つまり趣味の多様化です。どこを向いてもスマホでは自然への関心は無くなるでしょう。
心配なのは現在の動きです。サバイバルゲーム感覚でのハンターが増える事です。銃の研究は良いのですが、軍用銃やマニア銃に走る事です。警察でもなければ猟友会幹部でもない小生が心配する事ではありませんね。
まもなく猟期です。安全無違反の狩猟を楽しんでもらいたいと祈るだけです。 (終り)
さてイノシシの増加はフランスでも同様なことのようです。
下にフランスに在住のMotokoさんからFace Bookで頂いたコメントをご紹介致します。
======Motoko Boutdumondeさんから頂いたコメント====
写真の風景の所は素晴らしいところなのに...でもどこも同じ問題が発生しています。うちの庭(というか荒れ庭)にはイノシシが一頭住み着いているらしいのです。それも家から20mもないところにです。まあ、襲ってこないし、うちでは作物を作っていないので被害はありませんが、農家とかはたいへんでしょうね。イノシシが荒らすとブルドーザーが通った後のようになりますよね。あと、フランスのアルプスに近い地方では、東ヨーロッパから持ってきたオオカミの数が増えて、羊やヤギを次々に襲っています。難しい問題ですね。時々はイノシシとかは狩りのシーズンでなくても、狩ることにしたりして数の調整を行っていますが、オオカミはもともと絶滅に瀕していたのを移住させたので、手をつけていません。羊飼いの人たちは自衛しか手段がないようです。(終り)
以上のように鳥獣被害は日本だけの問題ではなく多くの国々で起きている深刻な問題です。
しかし1970年頃から40年以上も続いた「環境保護」や「公害防止」、そしてその関連で生まれた「野生動物保護」や「絶滅危惧種保存」の影響で起きた現象なのです。従って、この問題の解決は一朝一夕では出来ません。まず鳥獣被害の実態を理解し、冷静にその対策を考え、根気良く実行しなければなりません。この記事が少しでも獣被害の実態の理解に役に立つことをお祈り致します。
写真に雄大な北海道の農地の写真と増え過ぎた北海道のエゾシカの写真を示します。写真は自分で撮ったものではなく、ネット検索で見つけた写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)