575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蝉叫ぶ断末魔なり大目に見   智恵

2016年09月05日 | Weblog
作者はうるさいほどに鳴く蝉に共感しています。
それは断末魔の叫びであるからと。

たしかに地上に出て一週間ほどであの世へ逝く蝉。
最後の7日間は、毎日が断末魔なのかも。

俳句として惜しいのは下五です。
蝉に対する共感を説明してしまっています。
写生に徹した、こんな句が参考になるかも知れません。

  冬蜂の死にどころなく歩きけり    村上鬼城

明確な絵を描き、あとは読み手の想像力に任せる。
17文字しかない俳句のテクニックです。

私は写生は苦手なので、蝉の声を消してみました。
  
  しんしんとして断末魔なり蝉の声  

消すことで、読者がそれぞれに想像してくれるかも。
駄目かな?

            

蝉の声が法師蝉にかわったかと思っていたら、今朝はまったく聞こえません。
季節の移り変わりの速さに驚いています。
ひさしぶりの雨で庭の木々が元気を取り戻しています。
ちょうど良い加減に降ってくれるとありがたいのですが・・・

                  遅足

コメント
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