575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

底紅の濁りてへくそかづらかな   静荷

2016年09月07日 | Weblog
ヘクソカヅラの句があることを思い出して散歩に。
すぐに見つかりました。写真を一枚。
ご覧のように白い花の底は濃い紅色です。
作者は濁った紅と形容しています。

誰が命名したのか?葉や茎に悪臭があることからこの名に。
学名の「Paederia scandens」にも、paidor(悪臭)が。

花には悪臭はありません。花の姿を、お灸にみたてた、ヤイトバナとも。
サオトメバナ(早乙女花)とも呼ばれます。
また、子供が鼻の頭に花を乗せる遊びから、天狗花という別名もあります。

こんな良い名があるのにヘクソカヅラとは可哀相。
古くはクソカズラ(糞葛・屎葛)と呼ばれて、万葉集にこんな歌が。

  かわらふじに 延ひおほとれる屎葛 絶ゆることなく宮仕えせむ

かわらふじ(さいかち)の木に這いまつわるクソカズラ。
その蔓のように、不肖、私めは何時までも宮仕えしたい、と詠ったもの。
作者は、高宮王(たかみやのおほきみ)。

最古のゴマすりの歌でしょうか。      遅足


コメント
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