安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ソニー・クリス AT THE CROSSROADS

2015-07-19 07:43:54 | アルト・サックス

最近、登山やハイキングに出かけるのですが、ルートの整備状況にかなり差があるのに気付かされました。メインの登山道ならばいいのですが、そうでないところは、ほとんど整備されていないところもあります。道の交わるところには、必ず行き先の道標を設置してもらうと初心者にはありがたいです。ジャケットに道標が登場するアルバム。

SONNY CRISS (ソニー・クリス)
AT THE CROSSROADS (Peacock 1959年録音)

   

僕のもっているアルバムは、フレッシュ・サウンド・レーベルから再発されたレコードです。現在では珍しくなくなりましたが、かつてはピーコックレーベルの復刻というだけで話題を呼びました。ピアニストのウィントン・ケリーが変名で参加していることでも有名です。ケリーの演奏目当てに、購入しましたが、ソニー・クリス(as)のプレイも力が抜けたよいものでした。

メンバーは、ソニー・クリス(as)、オレ・ハンセン(tb)、ジョー・スコット(p)、ボブ・クランショー(b)、ウォルター・パーキンス(ds)。ジョー・スコットは、ウィントン・ケリーの変名ですが、聴くとすぐにケリーだとわかります。トロンボーンが入るのは3曲だけですが、低音部が入ることにより、演奏に落ち着きと深みが出ています。 

曲はスタンダード中心で、「Sweet Lorraine」、「You Don't Know What Love is」(あなたは恋を知らない)、「 I got It bad and that ain't good」、「Sylvia」、「Softly as in a Morning Sunrise」(朝日のようにさわやかに)、「Butts Delight」、「Indiana」の全7曲。「Sylvia」と「Butts Delight」は、ソニー・クリスのオリジナルです。 

ソニー・クリス(as)のプレイは、時として、しつこさやうるささが感じられますが、このアルバムでは、そういう点がほとんどなく、抑制のきいた、寛いだ演奏をしています。特にバラードが素晴らしく、「I Got It Bad」では、クラリネットに近いような音色で、曲の美しさを引き出しています。また、「You Don't Know What Love Is」では、オレ・ハンセン(tb)のソロも入り、クリスともども好演をしています。ケリー(p)は、どの曲でも彼の特徴がよく出ているサポートぶりです。