安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

梅田俊明指揮仙台フィルハーモニー管弦楽団演奏会 ダン・タイ・ソン(ピアノ)

2016-03-28 21:00:41 | 演奏会・ライブ

3月20日に行われた仙台フィルハーモニー管弦楽団上田公演ー2016春ーに行ってきました。ショパン・コンクールの優勝者ダン・タイ・ソンの演奏が聴けるので、チケットを購入しておいたものです。

指揮:梅田俊明
ピアノ:ダン・タイ・ソン
管弦楽:仙台フィルハーモニー管弦楽団
会場:サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター大ホール)(長野県上田市)

ラヴェル作曲 古風なメヌエット
ショパン作曲 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
ブラームス作曲 交響曲第3番 ヘ長調 作品90

バッハ作曲 管弦楽組曲第3番第2楽章「アリア」(東北大震災の犠牲者を悼み特別に演奏)
ショパン作曲 ワルツ 作品96-3 「遺作」 (ダン・タイ・ソンのアンコール曲)
服部隆之作曲 NHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ (仙台フィルのアンコール曲)

   

はじめに、東日本大震災5周年に当たるので、犠牲者を悼みバッハの「管弦楽組曲第3番」BWV1068から第2楽章「アリア」が弦楽合奏で演奏されました。僕も哀悼の意を込めて、席に座ったままですが黙とうをしました。

ラヴェル作曲の「古風なメヌエット」は、全く初めて聴く曲です。色彩感はありましたが、もうちょっとリズミカルさがあれば、なおいいと思いました。

ショパンのピアノ協奏曲第2番は、ダン・タイ・ソンの演奏が素晴らしく、至福のひと時を過ごしました。大袈裟なところはなく、きれいにパッセージを弾いていくという感じで、余裕さえ漂っていました。ことに第3楽章が見事で美しかった。アンコールに、ショパンのワルツ 作品96-3「遺作」を弾いてくれましたが、終わるのがもったいないくらいのリリシズムに溢れていました。

休憩の間に、ダン・タイ・ソンがサイン会を行うというので、僕もショパンのピアノ協奏曲第1番と第2番を収録したCDを購入し、サインをしてもらいました。出遅れたので、ほしいCDは売り切れでしたが、聴いてみるとこのアルバムもいいものでした。

          

休憩後は、ブラームスの「交響曲第3番」です。特に、第3楽章の憧れと諦念が感じられるような抒情的なメロディが印象に残る名曲なので、これも期待をしていました。全体に穏やかな演奏で、木管楽器がなかなかよかったと思えましたが、弦楽器の合奏にもう少し低音の響きなど厚みががほしいと贅沢なことを考えました。

アンコールは、NHK大河ドラマの「真田丸」のテーマ(服部隆之作曲)で、真田の六文銭が入った陣羽織を身につけて、コンサートマスターの西本幸弘さんがヴァイオリンソロを熱演してくれました。上田市に相応しい選曲で、しかも、エネルギッシュな演奏で、会場は大いに盛り上がりました。 

課題は聴衆の少なさです。お客様の入りが5割程度で、地方の中小都市でクラシックのコンサートを開催する困難さを思い知らされました。PRに力を入れるなど、上田市サントミューゼにはコンサートの継続に向けて是非奮起をお願いしたいです。