先日、長野市から安曇野市に向かう途中、久しぶりに信州新町(長野市)の道の駅にある蕎麦店「そば信」に入り、「天ざるそば」(780円)を食べました。こちらのお店の蕎麦は美味しくて、値段もリーズナブルなので、お昼時にかかるとよることがあります。面識のあるご主人が蕎麦を打っていたので、目で挨拶を交わしたら、テーブルに出てきてくれて、しばし世間話をしました。「そば信」は、通り過ぎるのにはもったいないお店ですが、このアルバムも通り過ぎるだけではもったいないです。
GEORGE WALLINGTON (ジョージ・ウォーリントン)
THE NEW YORK SCENE (New Jazz 1957年録音)
ジョージ・ウォーリントン(p)は、かつては日本のジャズファンの間でよく知られ、ジャズ喫茶でもかかっていたミュージシャンですが、このごろは話題になることがないような気がします。1924年生まれで活躍していた1960年頃には30代の若さで演奏活動をやめてしまい、80年代に3枚のアルバムはあるものの、関心をひくまでに至りませんでした。しかし、50年代に残された彼のクインテットによるアルバムは聴きどころが多く、僕もたまに取り出します。
メンバーは、ジョージ・ウォーリントン(p)、フィル・ウッズ(as)、ドナルド・バード(tp)、テディ・コティック(b)、ニック・スタビュラス(ds)。1955年に結成された彼のバンドには、ドナルド・バードに加え、最初ジャッキー・マクリーンが在籍し、その後ウッズ(as)に代わるなど、当時の若手を擁しハードバップを推進したメンバーが顔を揃えています。そういう点で、ウォーリントンに関心はなくても、このグループ自体に関心を寄せる方が多かったのではないでしょうか。
曲はジャズ・オリジナル主体です。モーズ・アリソン作「In Salah」、フィル・ウッズ作「Up Tochickon Creek」と「Sol's Ollie」、ドナルド・バード作「'Dis Mornin'」、Shermanという人の書いた「Graduation Day」、スタンダードの「Indian Summer」。ファンキーな味が加わった曲想のバードの「'Dis Mornin'」は、彼の資質が現れていると同時に、当時のニューヨークのジャズシーンを反映したものでしょう。
ウォーリントン(p)よりも、どうしてもバード(tp)とウッズ(as)のプレイに耳がいきますが、グループとしてのまとまりもあって、忘れられない作品。ウッズのオリジナル「Up Tohickon Creek」と「Sol's Ollie」はバップらしいテーマで、ウッズ、バードともに伸び伸びと吹いていて爽快感のある気持ちのいい演奏。ことに「Up Tohickon Creek」の終わりの方に出てくるウッズとバードの掛け合いにはスリルがあります。一方、ミディアムテンポの「Indian Summer」では、ウッズ、バード、ウォーリントンともに軽くスイングしてメロディアスで、こちらもよかった。
【そば信】
住所:長野県長野市信州新町水内4619 道の駅「信州新町」
電話:026-262-2788
営業:8:30~18:00 (ラストオーダー 17:30)
定休日:1月1日、棚卸(年2回)
ホームページ:sobashin
写真はスマホ撮影でぼけていますが、久しぶりに蕎麦が美味しく感じられました。蕎麦の量も多めです。