3月6日(日)に長野県上田市で行われたensamble NOVAのコンサートを聴きに行ってきました。ensemble NOVAは、長野県出身のプロ奏者を中心とした年に1~2回公演を行う臨時のオーケストラです。曲目は多彩ですが、ハチャトリアンの管弦楽曲とピアノコンチェルトを聴きたくて出かけました。
指揮:新田ユリ
管弦楽:アンサンブル・ノーヴァ
会場:上田市交流文化芸術センター(サントミューゼ)(上田市)
曲目:
第一部・古典への誘い
ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」より「春」Op.8-1
ヴァイオリン独奏/村上あゆ美
ヴァーゲンザイル:トロンボーン協奏曲
トロンボーン独奏/奥村 晃
第二部・Jazzyな響き
シネマ・パラダイス
エル・クンバン・チェロ
トランペット/奥村 晶、パーカッション/荻原松美、演奏/上田市民吹奏楽団(友情出演)
第三部・オーケストラの楽しみ
ハチャトゥリャン:バレエ「仮面舞踏会」組曲より ワルツ
ハチャトゥリャン:バレエ「ガイーヌ(ガヤネー)」第3組曲より 剣の舞
ハチャトゥリャン:ピアノ協奏曲 変ニ長調
ピアノ独奏/秋場敬浩
八十二文化財団(八十二銀行が出資している公益財団法人)の創立30周年を記念したコンサートということで、通常は長野市で公演を行っているアンサンブル・ノーヴァが上田市で公演を行ったものです。一部と二部の独奏者は、上田市ないしその近郊出身の方でした。また、三部構成の二部ではポピュラーも聴かせてくれました。
第一部のヴィヴァルディの「春」は、目の前でどういう楽器が鳴っているかがよくわかりました。ことに、チェロのトップの人(メンバー表によると、西山健一さん(NHK交響楽団)のようです。)の音色、演奏が目立ちました。ヴァ—ゲンザイルのトロンボーン協奏曲は、独奏者の奥村晃さん(新日本フィルハーモニー交響楽団)が、豊かな音色で快活に吹いた第2楽章が楽しかった。
第二部は、トランペットの奥村晶さん(熱帯JAZZ楽団、小曽根真No Name Horsesなどで活躍中)のジャジーな吹奏がかっこよく、楽器の鳴りっぷりのすごさに目を見張りました。
第三部では、ハチャトリアンの「仮面舞踏会」組曲よりワルツと「ガイーヌ」からの剣の舞の2曲で、スケール感のあるオーケストラらしい響きが聴けて、安曇野市から上田市へ駆けつけた甲斐がありました。この2曲における、新田ユリさんの指揮ぶりが大きく感じられました。「ピアノ協奏曲」の独奏者は、ハチャトリアンの出身地であるアルメニアの音楽に造詣の深い秋場敬浩さんでした。
客席は満員で、ヴィヴァルディの楽譜を抱えたお子さんも何人か見かけました。てんこ盛りの感はあったのですが、地方では、滅多に聴くことのできない曲目もあって、好企画の催しでした。
【ハチャトリアンのCD】
バレエ「スパルタクス」抜粋、バレエ「ガイーヌ」抜粋。アラム・ハチャトリアン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。作曲者本人の指揮によるウィーン・フィルの演奏で、弦楽器の響きが豊麗です。
ハチャトリアン「ピアノ協奏曲」、リスト「ハンガリー幻想曲」。フィリップ・アントルモン(p)、小澤征爾指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団。歯切れのよいピアノを、小澤征爾指揮の色彩感豊かなオーケストラの演奏が盛り立てます。