安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

フランク・ウェス THE FRANK WESS QUARTET

2016-04-03 09:50:37 | その他木管楽器

4月1日から、再就職した新しい職場に通い始めました。事務所がビルの10階なので、ずいぶんと高く感じられます。窓からは長野市街はもちろん、遠くの山も観ることができます。新しいところなので、初日はかなり緊張しましたが、周りの景色を眺めて、努めてリラックスするようにして勤務していました。こんなアルバムからの音楽が聴ければなおさらよいのですが、もちろん仕事中はご法度なので、帰宅後じっくりと聴きました。

FRANK WESS (フランク・ウェス)
THE FRANK WESS QUARTET (PRESTIGE/MOODSVILLE 1960年録音)

   

ムーズヴィルは、プレスティッジの傍系レーベルですが、その名前通りスタンダード曲のバラード演奏中心で雰囲気が良いアルバムを作っていました。フランク・ウェスのこのアルバムは、その中の一枚ですが、ウェスのフルートの妙技や抑えたテナーサックスの吹奏に加え、伴奏のメンバーにも恵まれて、レーベルの録音ポリシーに沿ったものになっています。

メンバーは、フランク・ウェス(fl, ts)、トミー・フラナガン(p)、エディ・ジョーンズ(b)、ボビー・ドナルドソン(ds)。フランク・ウェスは、1950年代のカウント・ベイシー楽団で名前を挙げましたが、ミルト・ジャクソン(vib)の「Opus de Jazz」(SAVOY)におけるフルートのプレイで、僕は一気にファンになり、プレスティッジあたりの作品も好んでいます。また、フラナガンが参加していることが注目されます。

曲目は、スタンダード6曲とフランク・ウェスのオリジナル1曲です。スタンダードが「It's So Peaceful in The Country」、「Star Eyes」、「Stella by Starlight」(星影のステラ)、「But Beautiful」、「Gone with The Wind」、「I See Your Face Before Me」、ウェスのオリジナルが「Rainy Afternoon」。有名オリジナルをどう演奏しているか、興味が湧きます。

スローからミディアムテンポの心地よいスタンダード集ですが、フランク・ウェスは、曲によりフルートとテナーサックスを使い分けて好演し、フラナガンの好サポートもあって、格調が高く、それでいて親しみやすいアルバムです。優しい曲想の「It's So Peaceful in The Country」、ラテン系の「Star Eyes」、そしてバラードの「But Beautiful」とフルートによる名人芸が聴けます。フラナガン(p)は、どの曲でもよいプレイをしていますが、とりわけ「But Beautiful」におけるイントロ、ソロは優雅で見事で、さすがです。

【事務室からの長野市景色】

   

長野市街地と菅平方面です。霞んでいて遠くはよく見えません。

   

北側の方向で、拡大してあります。戸隠方面でしょうか。