安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ヨーナス・ハーヴィスト・トリオ、西山瞳トリオ公演 (長野県須坂市メセナホール)

2016-04-29 08:49:33 | 演奏会・ライブ

長野県須坂市にあるメセナホール(須坂市文化振興事業団)では、たまに面白そうな公演が開催されます。今回、『北欧JAZZコンサート2016』と名付けられた二組のピアノトリオが出演する演奏会があったので、聴きに行ってきました。午後4時開演で、休憩をはさみ、午後6時50分まで演奏が行われたサービスのよい演奏会でした。

   

前半の1時間は、西山瞳トリオの演奏。メンバーは、西山瞳(p)、坂崎拓也(b)、清水勇博(ds)。西山瞳は、既にCDも数多くリリースしている人気のあるピアニストです。聴いていると、ビル・エヴァンスやブラッド・メルド―あたりを連想させるような自作曲と演奏でしたが、エンリコ・ピエラヌンツィからの影響を言われることもあるようです。

最後に演奏された「T.C.T」という曲は、和音の響きが独自の美しさをもっていて、これが最も印象に残りました。また、スタンダード曲の「イパネマの娘」もクールで、ボサノヴァではないリズムでやっていて個性的でした。人気ピアニストとあって、休憩中に彼女のCDを買い求める方が何人もいました。

   

休憩をはさんで、ヨーナス・ハーヴィスト・トリオの演奏。フィンランド出身ということもあって、最初にヤン・シベリウスに捧げる曲を演奏しました。ハーヴィストの演奏は、クラシカルな部分が多く、クールなたたずまいで、キース・ジャレットやチック・コリアあたりを連想させるプレイですが、ピアノソロの曲は、現代クラシックといってもよさそうでした。

このトリオは、ヨーナス・ハーヴィスト(p)、アンティ・ロジョネン(b)、ヨーナス・リーバ(ds)からなりますが、均整のとれたサウンドは実に素晴らしく、ことに、ベースの音に魅せられました。アンコールで演奏された唯一のスタンダード「When I Fall In Love」も抽象的なサウンドのコードづけて演奏されていて、響きそのものを楽しむことができました。

   

二つのグループの演奏がいったん終了したあと、アンコールに応えてくれましたが、サプライズがありました。まず、西山瞳(p)、アンティ・ロジョネン(b)、ヨーナス・リーバ(ds)で、ステラ・バイ・スターライト(星影のステラ)を。ピアノによる長いノン・ビートのイントロから、お馴染みのメロディが流れてきて、結構楽しめたのですが、アンティ・ロジョネン(b)のソロ、そしてヨーナス・リーバ(ds)のブラシも気持ちよかった。

次に、ヨーナス・ハーヴィスト(p)、坂崎拓也(b)、清水勇博(ds)というトリオで「On Green Dolphin Street」を。これが圧巻で、ハーヴィストは技術的にも非常に優れていて、鍵盤いっぱいに使ったソロは、粒だった音はいいし、スイングはしているし、切れ味がよくて、僕はこの演奏が最も気に入りました。

【ヨーナス・ハーヴィスト(Joonas haavisto)ホームページ】

joonashaavisto.com

【西山瞳ホームページ】

hitominishiyama.net

【須坂市メセナホール・ホームページ】

須坂市文化会館メセナホール