JR長野駅前に、JA長野の農産物直売所「旬彩工房Vivid(ヴィヴィッド)」が4月下旬にオープンしました。パン屋さんだった場所で、繁華街だけに何ができるか工事を注目していたのですが、農産物直売所でした。オープンからひと月ほど経ちましたが、とれたての野菜や農産物の加工品とともに、リンゴを使ったソフトクリームもあり、賑わっています。今回取り上げるのは、「Farmer's Market」(直訳すると、「お百姓さんの市場」でしょうか。)です。
ART FARMER (アート・ファーマー)
FARMER'S MARKET (NEW JAZZ 1956年録音)
アート・ファーマー(tp)は、後年は、フリューゲルホーンを用いて、リリカルで味わい深い作品を多数発表していますが、キャリアの初期はバリバリのトランぺッターでした。1956年8月にホレス・シルヴァー・グループに参加し、1958年まで在籍しています。1956年11月に、同僚のハンク・モブレイ(ts)の参加を得て録音したのがこのアルバムで、力強いハードバップが演奏されています。
メンバーは、アート・ファーマー(tp)、ハンク・モブレイ(ts)、ケニー・ドリュー(p)、アディソン・ファーマー(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。ファーマーとともにモブレイのプレイが聴けるのが嬉しいところですが、ケニー・ドリューが2曲提供していて、プレイも注目されます。
曲は、ケニー・ドリュー作「With Prestige」と「Ad-Dis-Un」、アート・ファーマー作「Farmer's Market」、ジジ・グライス作「Reminiscing」、アーサー・シュワルツ作でスタンダード化している「By Myself」、ハンク・モブレイ作「Walkin' with Hank」の6曲。1曲を除きジャズメンのオリジナルですが、「Farmer's Market」や「Reminiscing」あたりは比較的馴染まれている曲だと思います。
ソロをリレーしていく力強い演奏ですが、ファーマーだけに抒情的な面もあって、まとまりのあるアルバムです。ファーマー(tp)とモブレイ(ts)に加えドリュー(p)が黒っぽく迫る「Ad-dis-um」やテンポの速い「Farmer's Market」がちょっとホレス・シルヴァー・グループを思い起こさせるような熱演。ファーマーがワンホーンでプレイするバラード「Reminiscing」は抒情的で優し気なファーマーのプレイが聴け、「By Myself」も、ミュートのファーマーに加えドリューも抑制された繊細なソロをとっています。
【JAながの農産物直売所 旬彩工房Vivid】
所在地:長野県長野市南千歳1-27-2 沢屋ビル1階
電話:026-262-1666
営業:10:00~18:00 年中無休