JA(農協)長野県ビルの最上階に食堂「しなの木」があり、近くなのでランチにたまに行っています。6月21日には、生食用あんず(「ハーコット」という種類)が無料でデザートに出されました。あんずはすっぱいので、生食用には向かないとされてきましたが、この品種は果実が大きいうえに、甘さがあって美味しく生食に適しています。まさに旬を感じさせてくれる果物でした。いつも旬だったズートのアルバムを。
ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
SUDDENLY IT'S SPRING (PABLO 1983年録音)
ズート・シムズ(1925~85年)は、ベツレヘム原盤の「Down Home」をはじめ1950年代後半の録音に名盤が多いとされ、僕も愛聴しているものはその時期のものが多いです。シムズは、好不調の波が少なく一定の水準の演奏を続け、また、70年代に入ってソプラノサックスも手掛けるなど、後年のものも聴いてみるとよいものがあり、これもその一枚です。
メンバーは、ズート・シムズ(ts)、ジミー・ロウルズ(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、アキラ・タナ(ds)。派手さはありませんが、堅実なサポートをするメンバーが集まっていて、特にムラーツ(b)のプレイが楽しみです。ロウルズは、一度だけ実演を聴いたことがありますが、訥々とした感じながら、バッキングなどタイミングよく入れていたのが印象に残っています。
曲は多彩です。ズート・シムズ作「Brahm's...I Think」、「I Can't Get Started」、ズート・シムズ作「Macguffie's Blues」、「In The Middle of A Kiss」、ウディ・ガスリー作「So Long」、「Never Let Me Go」、「Suddenly It's Spring」の7曲。ズート・シムズとウディー・ガスリー作のものを除いてはスタンダードナンバーですが、バラードなどミディアムテンポ以下の曲が選ばれています。
穏やかで温かみのある演奏が集大成されています。ズート・シムズの魅力は、ハードにスイングするところにもあるのですが、他方スローテンポの曲を旋律を大事にしながら歌い上げるプレイも素晴らしく、ここではそれが聴けます。優しげな表情で演奏される「Brahm's ...I Think」、 スタンダード中のスタンダード「I Can't Get Started」、しみじみとした味わいの「Never Let Me Go」とズートのスムーズなプレイが包み込むようで心地よい。ムラーツ(b)も音数を少なくして、ズートの演奏を盛り立てています。寛ぎの時間に最適なアルバム。
【食堂 しなの木】
住所:長野市大字南長野北石堂町1177-3 JA長野県ビル13階
電話:026-236-3533
ホームページ:naganoken-jabill
しなの木の入り口。セルフサービスです。中は広くて多くの方が利用できます。
ハーコットとズッキーニが提供されるという案内が出ていました。さすがにJAだけのことはあります。
かに玉丼定食にしてみました。あんずは普通はつきませんが、これで500円です。小鉢の2品は、何種類かある中から好きなものを選べます。キャベツとスパゲッティは盛り放題でした。
あんずの拡大。食べ終わってから、果肉の方を撮ればよかったと気づきました(笑)。